見出し画像

相手の歩調に合わせる #137 ペーシング

現代は、政治、経済、文化、技術など様々な切り口で、将来の予測が困難な環境にあります。
また、その環境に置かれた立場によって、それがチャンスとなったり、リスクとなったりもします。
それだけに、それらの環境や状況を敏感に感じ取り、より最適な対応することもマネジメントとしては重要となってきます。

コミュニケーションのスキルに、ペーシングというものがあります。
具体的には相手のしぐさや表情を真似る、相手に応じて声の大きさやトーンを調整する、相手の発した言葉を自分の発言に盛り込むといった方法で、相手の歩調に合わせることです。

人と接する際に、自分の方が先行して話してしまう傾向のある人がいます。
行き過ぎると、相手に話をさせず一方的に話をしたり、酷いと、相手の話を遮って自分の話をしてしまう人もいます。
これでは、相手は自分の主張ができません。
結果、相手からの信頼を得ることも難しくなってしまします。
むしろ、警戒感や嫌悪感する抱く可能性もあります。

そもそも、自分の話を先行させがちな人は、自分の考えを相手に押し付ける傾向にあります。
時には、その相手を置いてきぼりにして、自分だけが先走りしてしまう可能性もあります。

対して、ペーシングですが、決して、相手に合わせるために、必要以上に自分の考えを抑えるものではありません。
自分自身の考えを大切にした上で、相手の状態を見極めながら、それに合わせて伝えることが大切です。
これは、アサーションという考え方でもあります。

人は、一人で、成せることには限界があります。
そのために、同じ目的を持った人たちで互助し合うために組織をつくります。
ところが、そこにあって、自分のペースだけで、物事を進めようとすると、組織が組織としての体を成さなくなってしまいます。

ペーシングで大切なのは、相手の状態を見極めることです。
しかし、自分を蔑ろにすることではありません。
むしろ、自分を大切に、自分の状態を見極めることの方が先なのかと思います。
その上で、相手と歩調を合わせることが大切です。

この記事が参加している募集

#創作大賞2024

書いてみる

締切:

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?