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成功には 諦めずに やり抜く力(GRIT)が必要 #11 徹頭徹尾

人間の本性とは弱いものであるとするのが性弱説です。

対して尊敬する恩師からの常に掛けられていた言葉が徹頭徹尾でした。
現在でも自分に妥協しそうになった時に頭に必ずよみがえります。
徹頭徹尾ですが、徹頭徹尾からなります。
つまり、頭(最初)から尾(最後)まで、貫くことを意味します。

実際、諦めかけていた物事を、この言葉を思い出して踏み留まり、結果的に成果に結びつけることが出来たことは少なくありません。

そもそも、私にとっての徹頭徹尾は、精神論に近いものでした。
それを、より論理的に受け入れることが出来たのは、GRIT やり抜く力(アンジェラ・ダックワース著)を読んでからです。

この中でペンシルバニア大学心理学教授である著者は、研究から次のような結論をつけてます。

「みごとに結果を出した人たちの特徴は、情熱粘り強さを合わせもっていることだった。つまり、成果に結びつけるのは才能ではなく、GRIT(やり抜く力)が強かったのだ。」

実際に様々な実験を通じて、高い才能をもちながらGRITがないために途中で挫折してしまった人が紹介されています。
ある意味、高い才能が邪魔をして、努力もせずに成長が止まったとも受け取れます。

そして、本の中では、周りの人と比べて際立った才能や知性を持っている訳でもないのに、GRITがあるために成功を収めた人が紹介されています。
つまり、成果に結びつけるには、如何にして性弱説を認めた上で、徹頭徹尾の行動を習慣化させることができるかに懸かっているのではないかと考えます。

GRITですが、あたりまえの基準とも取れるかと思います。
あたりまえの基準が高いから、諦めずに取り組み続けることができます。
反対にあたりまえの基準が低いと簡単に挫折して、諦めてしまいます。

あくまでの私が個人的に考えるGRITの弱い組織や人材の傾向です。

①計画性のない組織・人
望ましい結果(目的・目標)と実現させるための課題を曖昧にしたまま、場当たり的な行動をしてしまう。

②うぬぼれが強い組織・人
自分の才能や考えに絶対的な自信を持っているのか、継続的な取り組みを徹底できなかったり、組織外や他人とのコミュニケーションを取ろうとしない。

③情報に疑念を持たず、軽率な組織・人
物事に対して思量深く考えることができずに、いい加減に扱ってしまう。

④確認を疎かにする、せっかちな組織・人
思い込みで行き当たりばったりで動いている。

⑤危機感がなく楽観的な組織・人
過剰なプラス思考により、根拠もなく、何とかなると考えている。

⑥詰めの甘い組織・人
せっかく、取り組んできたことも、最後の最後を疎かに扱い台無しにしてしまう。

もし、この6つの内、3つ以上が該当したら、GRITが弱い傾向があると考えても良いのではないかと思います。

その上で、GRITを高めるために意識すべきと考えるポイントです。

1.具体的な計画を立案する。
詰めの状態を具体的にイメージすることが大前提だと思います。
まず、望ましい結果(目的・目標)を実現するために、何をすべきかの課題を具体的に設定することが大切です。
これがあるから、逆算指向で、今すべきことを具現化することができます。
逆にこれがないから、思いつきだったり、何か起きてから、場当たり的に対応することになってしまうのです。

2.「ホウレンソウ」を徹底する。
物事は中から見た場合と、外から見た場合では異なっていることが少なくありません。
だからこそ、MECEの様に漏れなく、ダブリなく考える水平思考が大切なのです。
また、ステイクホルダー(利害関係者)が存在するのであれば、ここの考えを無視していては良い成果は絶対に生まれません。
マーケットニーズを無視したプロダクトアウトの製品が売れる訳がないのと同じです。
そのための基本中の基本がホウレンソウ(報告・連絡・相談)です。

3.情報を複数の切り口で分析する。
情報を一元的に見ていると大きな過ちを犯す場合が少なくありません。
あらゆる角度から分析したり、様々な方々の意見を聴くことが重要となります。
もちろん、多くの意見を鵜呑みにしては、まとまるものもまとまりませんので、「しないことを決める」のも大切です。

4.仮説を立てる。
考え過ぎて行動できないのも問題ですし、考えもせずに無謀な行動も危険です。
確実な部分70%~80%に対して、不確実な部分の20%~80%は、得ている情報や過去の体験から仮説思考で課題を設定することが大切です。
また、仮説部分も行動することで見えてきます。
加えて確実と考えていた部分も行動すると間違っている場合もあります。
だからこそ、PDCAサイクルを回すことが大切となります。

5.論拠を意識する。
論拠のない自分に都合の良い主張を正当化してはなりません。
その主張が本当にそうなのかと論拠を求める垂直思考が大切です。
これによって、曖昧であったり、理解し難い考えをシンプルにし、組織内で共有させ易くする(構造化)することができます。

成果を出したいのであれば、GRITを高めることです。
それには、情熱と粘り強さを徹頭徹尾、発揮し続けることです。
結果、それが、あたりまえとなれば、自ずとGRITも高まっているのかと思います。

「成功するには、目標達成に向かって粘って粘って最後まで諦めずにやり抜くということが必要です。」稲盛和夫

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