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新型コロナ療養記 最終回

第一回・第二回は以下のリンクより↓↓

無駄に3度にまで渡らせたコロナ療養記録だが、今回で締め括ろうと思う。一回で終わらせきれなかったのはひとえに私の計画力と構成力の無さ故である。

ここでは、実際コロナに感染し自宅療養をする上で「助かったもの」「困ったこと」などをつらつら挙げていきたいと思う。

あると便利なもの

①スポーツドリンク
お医者さんの普段の2倍の水を飲めという言いつけをクソ真面目に守り、ひたすらスポーツドリンクを飲んでいた。そのおかげか早い段階で熱は下がった。

②プリン、ゼリー類
喉が痛い時にはすごく食べやすい。inゼリー的なものがあれば栄養補給にもなる。

③レジ袋(ビニール袋)
鼻を噛んだティッシュ等を捨てる際に口をしっかり縛って捨てる必要がある。有料化の影響で持っているものが少なくて困った。

④除菌スプレー
体温計を測るたびに消毒したりスマホもこまめに消毒したりと何かと入用だった。ストックしとくのは大事。

困ったこと

①保健所に繋がらない
現状、保健所に電話がなかなか繋がりにくい状況が続いている。そのため発熱した時のために、最寄りでPCR検査をしてくれる病院を調べておくと心強いと思った。各市町村のHPに載っている場合が多い(私もそこから直接調べた)。

②食料及び生活必需品の確保
療養中の食料確保は由々しき問題だ。
身近に色々持ってきてくれる人がいれば問題はないが、そうも行かない人には、市町村によって自宅療養者向けに1週間分の食料・生活必需品を支援してくれるサービスがある。
私もお願いしてみたが、米や麺、缶詰からお菓子まで様々な食料を届けてくれて大変助かった。
だが生活必需品とは思わぬタイミングで無くなるもの。私の場合、台所用洗剤が変なタイミングでなくなって大変困った。(石鹸で凌いだ。)

③療養中の過ごし方
熱が下がり倦怠感さえ無くなれば、比較的体は動くようになる。しかし10日間の療養期間が定められているため、どんなに体が動こうと決して外に出ることは叶わない。
あたかも城の外の世界に憧れるディズニープリンセスのごとく、ベランダから景色を眺め続けるしかないのだ。
そんな時に本とか自宅で楽しめる娯楽があれば少し気分は楽になる。私もこの療養期間で積読と化していた本を消化することができた。
もちろんアニメや映画を観てもいいと思う。オススメはYouTubeに上がっているストレッチ動画だ。後述するが、10日間体を動かさないデメリットはとても大きい。

④療養中の運動不足
人間1日20分早歩き程度の運動を行うだけで健康寿命を伸ばすことができるらしい。
それだけ運動することは人間にとって大切なのだ。
私は通勤も買い物も基本徒歩のため、自然とそんな運動習慣が付いていたらしい。
しばらく歩かない生活をするだけで、体が重くなってきてしまった。
少しでも運動不足解消になればとYouTubeでヨガ動画を漁ってみたり、部屋の片隅で誰にも注目されないオブジェと化していたリングフィットアドベンチャーを久しぶりに起動した。
だが、現在Switchのコントローラーが絶賛不調のため、どれだけ深くスクワットをしても、全く認識されないという昭和の野球部もびっくりの壮絶なしごきを受けたため、泣きながらコントローラーを投げ捨てる羽目になった。

⑤急変の恐怖
結局コロナ感染で1番不安なことはこれに尽きると思う。
基本的に感染したら、急変リスクに備えて入院、もしくはホテル療養となるのだが、感染者急増を受けて、私も含め、軽症者は自宅療養となるパターンが多い。
一人暮らしで急変したらと考えると、とても不安だった。
なるべく私はコロナに関するニュースを見過ぎないようにした。メディアは不安は煽るも、安心を届けてはくれない。
また、急変に備えて、血液中の酸素濃度を測るためのパルスオキシメーターなる物が保健所から送られてきた。どんなゴッツい装置なんだと中二心をくすぐられワクワクしたが、指を挟むだけの小さな機械で拍子抜けした。

オンライン面会をする入院患者のイラスト(男性)(いらすとや)


療養後記

無くなったかに思われた嗅覚は、3日くらいで少しずつ戻ってきた。今ではだいぶ良くなり、感染前くらいの状態に戻りつつある。

結果的に熱は2日で治り、鼻水(嗅覚異常)と咳などの症状に喘いだものの、日を追うごとに改善してゆき、保健所の診察の元、晴れて療養解除となった。

後遺症としては鼻水がまだ少し出るのと、運動不足による体力低下である。それ以外はおかげさまで回復することができた。

ちなみに私と同じ症状の人がいないか調べていたところ、みちょぱと全く同じ症状、及び同じ経過で回復していることが分かった(もちろん発症前にみちょぱと接触はしていない。言わずもがな大倉士門ともである。)。
図らずも私の人生に於いてみちょぱと接点ができる結果となった。

私は療養中、コロナは孤独な戦いだと思っていた。
感染した人にしか分からない苦しさ、恐怖。
そして、周りの人達に感染させてはいけないと1人閉じこもる生活。心が疲れるのに十分だ。
でも、改めて考えると誤りだったと思う。
療養中、直接触れ合えなくても支えてくれた家族がいる。
私がいない穴をカバーしてくれた職場の人達がいる。
大変な状況下の中、身を粉にして支援してくれた医療従事者の方がいる。
思えば、全世界中の人々が同じウイルスと立ち向かっているのだ。
どこが孤独なんだ。
少年マンガだと熱い展開じゃないか。
(何でもかんでも少年漫画で例えるのが私の悪い癖である)

人は忘れる生き物である。
体験したことは記録に残さなければ消え失せてしまう。
たかだか200年前の江戸時代のことだって、何か記録を見なければ私たちは再現することができないのだ。
私のこの記録は、二条河原落書にも徒然草にもなり得ず、この電子の海の中に産み落とされた海藻の胞子の如くゆらゆら揺らめ消えていくだけであるが、
いつかこの騒動が収まった未来でふと見返した時に、
そんな時代もあったねと懐かしめればいいのかな。

支えてくれた皆さん、医療従事者の皆さん、本当にありがとうございました。この場を借りてお礼申し上げます。
1日でも早い新型コロナウイルスの収束を願っています。

2022年1月某日。


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