また一つ年をまたいでいく
もうじき年が明ける。
このことを意識するようになったのは一体いつからだろうか4、5歳の時はそんなのよりクリスマスにもらったプレゼントの余韻に、お正月というごちそうが並びお年玉というお金がもらえる約束された豪遊に思いを馳せて一日一日をカウントダウンとして日々楽しみが募る幸福な日々だった。いざ年越しを迎えるとなっては、ごーん・ごーんと鳴り響くテレビでもわかるしっかりした重低音の除夜の鐘を子守唄に眠りにつく。ふわっと香る年越しそばのお出汁の匂い。微かに聞こえる親戚の話し声、自分でも眠ることがわかるようにゆっくり意識が遠のいていくが、母親の声でそこから引き戻される。 「もう年越しそばできたよ」さっきまで話していたテーブルが食卓に変わり皆麺をすする。そして日付が変わって「明けましておめでとうございます」皆で言葉を交わして食卓がリビングに変わり自分は寝床につく。待ちに待った大イベントを迎えるのを楽しみにし、眠る。
そして初日の出が昇る頃目覚め再び言葉を交わすテーブルを見るとおせちが並んでいる。そうして食事が一段落するといよいよお年玉がもらえる。とてもうれしそうに祖母から順番に袋をもらっていく。4、5歳の頃なので千円ぐらいだったが、それでも嬉しい。ここまでが一連の流れだったが今は変わってしまった。
今では年を越えることに何故か後悔が先にくる。あぁそうだ自分は今年を何をしていたんだろうか、いい年にできただろうかそんな思いでいっぱいになるからだ。
自分はこれを年をとったからという言い訳をしたいわけではない。逆に考えて、これは向上心の表れだと感じている。
来年を良い年にするのは難しいかもしれないが、少なくとも挑戦はしてみようとおもう。
ではまた来年!