和田真

福島関連の問題などを追っています。

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最近の記事

被ばく線量は推計60ミリシーベルト 福島市の1歳児 甲状腺がん裁判〜第4回口頭弁論

 東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくの影響で甲状腺がんを発症したとして、当時福島県に住んでいた17歳~28歳の男女7人が、東電に損害賠償を求めた訴訟の第4回口頭弁論が1月25日、東京地裁(坂本三郎裁判長)であった。  被告の東電側は、原告らの甲状腺被ばく線量は10ミリシーベルト以下で、事故とがんに因果関係はないと主張している。根拠としているのは、国連科学委員会によるアンスケア報告書(※1)だ。  この主張に対し、原告側は高エネルギー加速器研究機構の黒川眞一名誉教授

    • 甲状腺検査アンケート 「アンスケアの見解を入れるべき」 強要を迫る環境省〜「県民健康調査」検討委

       東京電力福島第一原発事故後に福島県が実施している「県民健康調査」を評価す る46回目の検討委員会が2日、福島市であった。  この日の会合で、県は「甲状腺検査」の対象者らに検査のメリットとデメリットについての認知度を調べるアンケート案を、検討委に示した。  原発事故による被ばくの影響は見られそうもないとする、アンスケア(原子放射 線の影響に関する国連科学委員会)報告書の見解を設問に加えるかどうかを巡り、激しい議論になった。  火つけ役は環境省の神ノ田昌博・環境保健部長で

      • 原告のがん 被ばくの「原因確立」90%超え 甲状腺がん裁判〜第3回口頭弁論

         東京電力福島第一原発事故による放射線被ばくの影響で甲状腺がんを発症したとして、当時福島県に住んでいた17歳〜28歳の男女7人が、東電に損害賠償を求めた訴訟の第3回口頭弁論が9日、東京地裁(坂本三郎裁判長)であった。  原告側は被ばくとがんの因果関係は明らかとし、その根拠を裏付けた岡山大の津 田敏秀教授(環境疫学)の意見書を提出した。  意見書では原発事故前のがん統計データと、福島県の甲状腺検査のデータを比較 し、事故前より甲状腺がんが何倍増加したかを算出。その倍率をもと

        • 13歳でがんになり、17歳で2度目の手術   「全てが変わってしまった」  高3の少女が意見陳述 子ども甲状腺がん裁判〜第2回口頭弁論

           東京電力福島第一原発事故による、放射線被ばくの影響で甲状腺がんを発症したとし、事故当時福島県に住んでいた17〜28歳の男女6人が、東電を訴えている裁判の第2回口頭弁論が9月7日、東京地裁(坂本三郎裁判長)であった。  「自分の考え方や性格、将来の夢もまだはっきりしないうちに、全てが変わってしまった」。この日、法廷で意見陳情した高3の少女(17)は、涙ながらにこう語った。  少女は幼稚園の年長の時に、浜通りで被災し避難した。甲状腺がんは中学1年の時に、学校の検査がきっかけ

        被ばく線量は推計60ミリシーベルト 福島市の1歳児 甲状腺がん裁判〜第4回口頭弁論

        • 甲状腺検査アンケート 「アンスケアの見解を入れるべき」 強要を迫る環境省〜「県民健康調査」検討委

        • 原告のがん 被ばくの「原因確立」90%超え 甲状腺がん裁判〜第3回口頭弁論

        • 13歳でがんになり、17歳で2度目の手術   「全てが変わってしまった」  高3の少女が意見陳述 子ども甲状腺がん裁判〜第2回口頭弁論

          「もとの身体に戻りたい」  将来の夢よりも治療を優先 20代女性が意見陳情~子ども甲状腺がん裁判始まる

           東京電力福島第一原発事故による、放射線被ばくの影響で甲状腺がんを発症したとし、 事故当時福島県に住んでいた6〜16歳の男女6人が、東電に計6億1600万円の損害賠償請求を求めた訴訟の第1回口頭弁論が、5月26日に東京地裁(馬渡直史裁判長)で開かれた。  6人の原告は甲状腺がんの手術前夜とおなじように、不安で眠れ夜を過ごし、この日を迎えたのではないだろうか。  「なぜ原告が6人しかいないのか」「なぜ提訴まで11年もかかったのか」。裁判の冒頭、原告側の河合弘之弁護士は次のよ

          「もとの身体に戻りたい」  将来の夢よりも治療を優先 20代女性が意見陳情~子ども甲状腺がん裁判始まる

          原発事故と甲状腺がん 10年の沈黙を破って〜復興の行方

           東京電力福島第一原発事故による放射線の影響で甲状腺がんを発症したとして、 事故当時6〜16歳で、福島県に住んでいた男女6人が今年1月、東電に計6億1600万円の損害賠償を求めて東京地裁に提訴した。9月には20代女性が追加提訴し、原告は7人になった。  国は事故から約2週間後、たった1080人の小児の甲状腺被ばく線量を測っただけで、「大した被ばくはなかった」とした。被告の東電は、それらを根拠に「被ばくによる甲状腺がんはない」などと反論している。  福島県は2011年10月

          原発事故と甲状腺がん 10年の沈黙を破って〜復興の行方