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「教師辞めたい」と思っている方々に実際に学校教員を辞めた私が僭越ながら伝えたい(元埼玉県教職員)

「今日も学校で泣いちゃった」「週明け、学校行けるかな」というツイートが、コロナ禍下でどっと増えました。どなたかのリツイートやいいねが流れてくる形で。

子ども達のツイートかと思いきや、現役で教員をされている方々のツイートです。

30代の中堅や初任者の方が多い印象でした。

「若いから」「経験になるから」という理由で、どんどん体力任せの仕事が降ってくる時期だったのかなとお察しします。

そこにコロナを起因とするイレギュラーな対応が重なって、いっぱいいっぱいになってしまったのかな。

今までは仕事関連の情報収集・発信にしかツイッターを利用してこなかった私ですが、昨今の先生事情にはさすがに胸が痛み、モノを言わずにいられない気持ちになってしまいました。

「著名人でもない私の発信など誰が読むか」との恥ずかしい気持ちもありつつ、何者でもない私の言葉だからこそ書く意味があるのかなという思いもあります。

私自身も埼玉県公立中学校教職員を退職したというのは以前のnoteでお話したとおりです。


私は臨採として1年、正採用として5年間勤務したのち、1年間の休職を経て退職を決めました。

休職のきっかけは過労からくる高熱(常時平熱が38-39℃の状態が続く)であり、退職の決定打となったのは5年次異動先での管理職・同僚からのハラスメントでした。

高熱による休職当初は退職の意向はなかったのですが、休職前後の管理職や同僚によるハラスメントを経て、

「うん、この学校に自身の教員人生のコアタイムを捧げる意味はないな」

と判断し、退職を決めました。

続けるか、辞めるか悩んでいる先生方。

先生方にぜひ思考の軸に置いて頂きたいと思うポイントがここなのです。

今身を置かれている環境は

本当にあなたの大切な時間を捧げる価値のある場所ですか。

本当にあなたが心からその理念に共感し、貢献したいと思える場所ですか。

自分の信念に嘘をつくことなく教育ができる場所ですか。

この先この場所で教師を続ける5年間なり8年間なりを想像したとき、

その時間の大部分は、あなたの「財産」になりそうですか?

それとも、「消耗」に終わりそうですか?

私は、後者であると判断し、退職を決めました。

せっかく教育の仕事がおもしろくなってきた今、ここでつぶされてたまるかと。

実際、私が退職を決めた学校からは、私の後にもハラスメント等を苦に退職されたり、体調を崩してしまう先生が相次いでしまいました。

被害者が私一人だったなら、私に何か落ち度があったのかもと思う。実際休職当初など、私が悪いんだと罪悪感に押し潰されそうな時期もありました。

でも、私が認知しているだけで被害者が4人も。これは多すぎる。

こんな場所にいたら私の中の教師が死んでしまうと思いました。

私は自分が本当に正しいと思う教育を、生徒に後ろめたい気持ちなくできる環境を自分の手でつくろうと決め、おうちフリースクールという形で再スタートを切りました。

それに、逃げる形になるのは嫌だった。

私が退職を決めた学校地域からはたくさんの不登校生徒が出るだろうと予測(いや確信笑)、自分と同じ思いをしてあの学校を飛び出してくる子たちの居場所を作りたい!と考え、新しいスクールは退職を決めた学校の生活圏内に開きました。

予想は当たりました。

私のフリースクールには、私が最後に休職し、退職した学校から飛び出してきた子も通って来ています。

私があの学校で勤務をしていたら救えなかったであろう子ども達と今こうして出会い、一緒にお勉強をしたり笑顔の時間を共有することができていると思うと、スッパリ退職をして本当によかったなと思っています。

自分語りが長くなってしまいましたが、学校教員を辞めた人のリアルな体験談のひとつとして、ふんそういうパターンもあるんだなという形で理解して頂けたらと思います。

「学校教員辞めようかな」と迷っている先生方に伝えたい事をまとめると以下のとおりです。

学校教育だけがすべてじゃない。

学校じゃなくたって教師人生は続けられる。

学校教員を続けていたら救えなかったであろう生徒たちの人生に触れられる。

私は埼玉県公立中学校教員の道を外れ、自分の思う教育の場所を小さいながらもクリエイトできて本当によかったと思っています。

異動先で狂った学校環境を目の当たりにすることもなく順調に流れていたら、今も普通に学校教師を続けていたと思うし、それはそれで幸せだったでしょう。

が、自分の努力で変えられるものと、そうでないものが世の中にはあります。

環境に疑問があるのなら、それについて文句を言い続けつつ疲弊しながら働くよりも、そこから飛び出して外から変革を起こす側に回る人生も面白いんじゃないかと私は思っています。

あくまでも感覚としてですが、最近学校を飛び出し、独立して組織を立ち上げたり、本を出版したり、新しい職業を創り出して活躍されている元教師の方、とても増えている気がする。

みんな疲れていてエネルギーが無いだけで、もともと学校教員になるような人々ってすごくクリエイティブで面白い方々が多いと思います。

疲れている先生。

今、涙が止まらない先生。

自信を無くしている先生。

まずは長い休みを取って、心身を労わりましょう。

で、ちょっと元気が出てきたら、今の環境で過ごす今後5年間が、自分の教師としての力を伸ばすにあたり、「財産」になるか「消耗」で終わるか、思いを巡らせてみましょう。

前者だったら、学校で待っている子どもたちの笑顔を思い浮かべて、おいしいものをたくさん食べてゆっくり回復を待ちましょう。

後者だったら、今すぐまっさらな上質なノートを買ってきて、自分の目指す教育のカタチを見える化しましょう。

きっとワクワクしてきます♪

子どもを、教育を本当に愛する先生たちが、一人でも多く輝いてほしいなと思います。

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※画像はみんなのフォトギャラリーより、 temari_webdesさんの作品をお借りしました。

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