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YouTube配信は学びが多かった【おうちフリースクールルームツアー】

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埼玉県上尾市でおうちフリースクールを運営しているわたなべさやこです。

おうちフリースクール運営のノウハウや日々の気づきを発信しています。

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1.YouTube初挑戦【おうちフリースクールルームツアー】

先日、初めて自分主体のYouTubeコンテンツの配信に挑戦しました。

【おうちフリースクールルームツアー】教室には何が必要?スペースはどのくらい?

厳密にいうとYouTubeでの発信自体は今回が初めてではないんですが、チアチームの業務連絡ツールとしてYouTubeを利用したり、コロナ禍下で成人式を迎えた昔の教え子向けにお祝いコンテンツを配信したり、わが家のわんわんの動画をお遊びでアップしたりという使い方程度。

きちんと自分が主体となり、自分が出演(?)しているコンテンツという意味では、今回のおうちフリースクールルームツアー動画が初めての試みでした。

今回わざわざ自身のYouTubeアップの記録をnoteに残そうと思ったのは、「YouTube配信は総合的に判断して、良い」という大きな気づきを得られたからです。

というか、YouTube配信という行為に対するイメージが大きく変わりました。

備忘録としての側面が大きいですが、わたしのnoteを読んでくださっている皆さんにも「へぇYouTubeやってみようかな」と思っていただけたらうれしいです。


2.YouTubeだけは絶対に手を出さないと決めていたワケ

私は学校教員を退職して自分のフリースクールを立ち上げた段階で、各種SNSの利用を始めました。

2019年の春くらいからかな。

それ以来、Twitter、note、Instagram、clubhouseと有名どころのSNSはひととおり触ってみました。

半年くらい使ってみると自分自身や自分のナリワイとの相性も見えてきて、今ではTwitterとnoteが主な情報収集と発信ツールになっています。

そんな中、最大の情報発信ツールであるYouTubeにだけは、私は手を出しませんでした。

もちろん視聴者としてはYouTubeには長くお世話になっています。

が、発信に関しては、YouTubeの利用は検討にも上がってきませんでした。

その理由は以下のとおり。


①テキストベースの情報発信が主だった

私の場合、情報発信においてはテキスト(文章)で表現することが多かったので、YouTubeの利用の必要があまりなかったというのがあります。

私がインターネットで発信する情報の7割がおうちフリースクールの運営に関することになります。

そうすると、手軽にURLの添付ができたり、詳細を述べやすいTwitterとnoteが一番相性が良かったのです。

…と、ここまでがちょっと気取ったイイワケ。


②本筋以外の批判が怖かった

「けどさ、カメラの前に立って、自分の専門分野について語り倒すスタイルのYouTubeだってできるじゃないか」

いやホントにそのとおりです。

でもね、どうしてもムービーというコンテンツに乗せて情報発信をしようという気持ちにはなれなかったのです。

理由は簡単。

批判が怖かったから。

noteやTwitterであれば、情報を乗せてやってくるのはテキストや画像のみですよね。

しかしこれがYouTubeになると、私の容姿や仕草や話すテンポ、ひいては壁紙の色まで様々な情報が発信され、同時に批判の対象になります

私は不登校支援や教育をナリワイとしている人間ですので、そのあたり本筋についての意見交換や議論は時には必要だと思うのですけれど、主題とはまったく関係のないモノゴトについてまでアレコレ言われたらたまったもんじゃないなぁというのが、私がYouTubeには手を出さなかった一番の理由でした。

顔を出して動画配信をしている方々って本当にすごいなと尊敬します。


③ガツガツしていると思われたくない

YouTubeとその他のSNS(そもそもYouTubeはSNSといえるのかわからないけれど)の私が思う一番大きな違いは、YouTubeは広告収入を狙ったビジネステイストバリバリの戦場であるということ(繰り返しますが個人の感想です)。

収益化なんてもってのほか、ただ「便利ですよね~」なんていうゆるいノリで素人が入れるような世界ではない。

ですからYouTubeに参入する=収入を得るつもりで全力で武装決め込まないといけないみたいなイメージがあったんです。

私のような一般人がユーチューバーと肩を並べようなんて気は一切ないんですけど、それって知人友人の目にはどんなふうにうつるんかな、「あーわたなべ勘違いしちゃったなー痛いなー」って思われるんじゃないかと。


④後戻りできない感

そして何よりYouTubeには“あっちの世界”感がめちゃくちゃあるんですよね。

YouTubeを始める=あっちの世界に行きたい感の意思表示みたいだなって。

なんかすごく恥ずかしいじゃないですか、そういうの。わかります?うまく言えないんですけど…

1回始めちゃったらそれが一種の”宣戦布告”みたいなもので、その後動画が一切誰にも見てもらえなかろうがbadボタンの嵐にさらされようが、「もうカタギには戻れねぇ。チャンネル登録者1000超えるまでは2度とシャバにツラ見せんなよ」みたいな。わかります?(わかんないよね)


3.YouTubeをやってよかったこと

とまぁこんな偏見と被害妄想に満ち満ちた理由から、私はYouTubeには積極的には手を出さなかったわけです。

ただ、やっぱり動画優位のコンテンツ配信という点では、YouTubeより良いものが思い当たらなかったんですよね

この点についていよいよ真剣に悩んだきっかけとなったのが、おうちフリースクールを始めようとしている先生方からの「教室を見せて下さい」のお声でした。

なんとか私の教室の雰囲気をオンラインでうまく伝える方法はないかと考えました。

テキスト+画像でなんとかやってみようかとも思ったんですが、やっぱり伝わらない部分が多すぎる。

なぜなら「教室が見たい」=”ビジュアル優位の情報”を欲しているということだからです。

静止画では伝わらないこともすごく多い。

Twitterでもインスタでもnoteでも動画配信はできますが、やっぱりYouTubeの利便性にはかなわない。

で、私は思い立ったんです。

「Twitter感覚でYouTube配信をしよう」と。

群雄割拠のユーチューバー戦士たちと自分を比べるから勇気が出ないんだと気づきました。

チャンネル登録者数いつまでもゼロでいいし広告収入もいらないから便利さにあやかってつべこべ言わずYouTubeを始めればいいんだと。

そんなわけで、初めて公開したのが冒頭にも紹介したルームツアー動画です。

あくまでも、”Twitter感覚で発信する”というのが私にとってのポイントだったと思います。

私の場合YouTube配信に気重だったのは、

「ちゃんとやらなきゃ」

「気合入れて編集しなきゃ」

「人から”すごい”って言われるような自分を演出しなきゃ」

って思ってたからだと気づいた。


一方Twitterって、すごく気楽につぶやきますよね。

「あ、あなんかいいこと思いついちゃった」

「備忘録代わりにつぶやいとこ」

「小さなことだけど、これはみんなにとっていい情報かも」

というような感じで。

Twitterでイチ一般人とわきまえた発信をしているスタンスをそのままにYouTubeでもユルユルと情報発信をすればいいんだと気づきました。


①話すことは最高の脳トレである

私がYouTubeに魅力を感じたもう一つの理由に「音声優位の発信ができる」という点があります。

動画で顔を長々映し出すのはかなりハードルが高いのですが(顔バレはどうでもいいんです。顔面の面積が広いねとか容姿についての指摘を受けるのがイヤなのよそんなの私が一番よくわかってるんだから)、「話すこと」についてはちょっと興味があった。

容姿と違って、”話し方”というのはこれから先もずっと成長できる部分だと思うのです。

私は教師というめちゃくちゃ”話す”、中でも”人に伝える”という作業の多い仕事をしているので、これはいいトレーニングになるなと。

教師って、子どもに向かって何かを話しているとき、実は”話す”以外にもすんごいたくさんの作業を同時進行しているんですよね。

例えば英語の授業では、私は自分の声の音量を気にしながら言語を発し、それに続いてリピートする生徒たちの発音、声量をチェックしながら「あ、4号車の後ろらへんの子たちはまだあやふやかも」と信号を受け取り、机の間を移動しながら4号車末尾に移動。「よしよし上手にいえたね」と思ったら「アレこの子予習してきてないじゃん!いつ声をかけようかな…」と考える。その間にも私の口は自動的に何か言葉を発し続けている。

朝学活で連絡をするときなんかは特にマルチタスクですよね。

日報を片手に「今日は5時間授業!で…」と話しながら教室の端から端まで生徒の顔を見る。あぁアイツ話聞いてないなぁとか、あ、そろそろ説教が長くて生徒たちが飽きてるなぁとか、反対に「あ、今の話はちょっとウケた!もうちょっと欲張ってみよう」とか。

おうちフリースクールを始めてから一番低下したスキルはこれかもしれません。

マルチタスクをこなしながら、発話の質を落とさないということ。

私のフリースクールは少人数制なので、表情や反応を気にしながら話すにしても最大4名なんです。

しかもみんなめちゃくちゃいい子達でお利口に話を聞いてくれる。

教師はほっとんど何も気にしないで話し続けることができるんですよね。

40人学級のように、前の席の子にちょっかい出し始める男子もいないし、イスゆらゆらしてひっくり返りそうになる危険人物もいないし、1時間目の理科の授業の宿題を慌ててやっているような子もいない。

私の話が長くなってきても、ニコニコ聞いてくれる。

で、そんな中久々に”脳内フル活動で話す”というトレーニングができたのがYouTube。

一文が長くなりすぎやしないか。

テンポが悪いなぁ。

自分語りそろそろやめとこう。

などなど、久しぶりにマルチタスクをこなしながら話すという行為を行いました。


②教師として一番大事なスキルの直視から私は逃げていた

初任者研修で指導して下さった先生にこんなアドバイスを頂いたことがあるんです。

「授業中の自分のしゃべりを録音してみてください」と。

このご助言はずーっと頭の片隅にはあったのですが、私はついに一度も録音で自分の声を確認することなく教壇を去りました。

それはなぜか。

絶望することがわかっていたからです。

私はきっと赤面する。私自身の声と向き合ったら。

で、今回YouTubeに自分の声を吹き込んでみて、初めて自分のしゃべりと向き合えたんです。


4.まとめ

で、初めて自身のしゃべりと向き合った結果、案外前向きな気持ちになれた。

逃げ出したくなるほどの恥ずかしい感情も湧いてこなかった。

”もっともっと聞き手の立場に寄り添った音量、テンポ、トーンで話せるようになりたい”

素直にそう思うことができました。


そんなこんなで今回、わたなべさやこはYouTubeの壁を超えることができました。

人生何事も勉強だし、挑戦ですね。

YouTubeはあくまでも「情報配信の1ツール」として扱っていく方針です。

今後またYouTubeが最適と思われる発信情報がおもい浮かんだときには利用すると思います。


【この記事を書いた人】


【おうちフリースクール運営オンラインカウンセリング】

※トップ画像はroughstudio様の作品をお借りしました。

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