わきいまき

ヨーガと好きな音楽と日々の幸せとで無明の海を泳ぎ渡る。囁くようなジャズが好き。つんざく…

わきいまき

ヨーガと好きな音楽と日々の幸せとで無明の海を泳ぎ渡る。囁くようなジャズが好き。つんざくようなパンクロックが好き。なーんにも起きない映画が好き。胸にナイフを刺すような文章が好き。でももう悲しい想いはしたくない。人生も折り返し地点を過ぎたのだから。

最近の記事

One Loveでなければ世界は変えられない。全然Everything is gonna be alrightじゃなくても〜ボブマーリー・ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ

音楽はあらゆるジャンルを聴く私としては レゲエが特別、大好きというわけではないのだが ボブマーリーはやはり”神”だと思う。 「ボブマーリー、ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ、レゲエ・サンスプラッシュ」デジタルリマスター版を映画館に観に行って改めてそう思った。 レゲエとは夏にビール飲んでBBQしながら聴く音楽だと あなたがもし思っていたら、ぜひこのドキュメンタリーを観て欲しい。 レゲエとは楽しいダンス音楽ではない。 抑圧と搾取の歴史で苦しんできたアフリカ人の魂の解放の音楽だ

    • 56歳にして己を知る。拙著「KNIFE」はポリアモリー(複数愛)小説だった

      「ポリアモリー(複数愛)」なる言葉を知ったのはつい最近のこと。 いつものようにぼーっとケータイのネット記事を眺めていたら目に入った。 驚いて荻上チキさんの本「もう一人、誰かを好きになったとき:ポリアモリーのリアル」を購入して読んでみた。 「ポリアモリー」とは結婚したり付き合っているパートナーが居ても、それ以外の異性あるいは同性のことを好きになる人のことなのだそうだ。 「これ、私じゃん!てか結婚したり付き合ったりしていて、 それ以外の人を好きにならないのが普通だという事を初

      • 毎日がPerfect Days

        2024年の幕開けは言うまでもなく誰もが暗い気持ちになったお正月だった。 全然なぐさめにならないけれど日本だけではない。 イスラエルによるパレスチナ攻撃に心痛めているロンドンの友人は 「メリークリスマス、ハッピーニューイヤーは私には言わないで!」と SNSに投稿していた。 元旦の大地震を知ったのは 88歳の母と娘と3人でヴィム・ヴェンダース監督の新作、 カンヌ映画祭で主演の役所広司が最優秀男優賞を受賞したことでも 話題になった「Perfect Days」を観終わって映画館を

        • 大人も子供も性教育~Netflix " Sex Education"

          一人娘を育てる過程において、性に関して積極的に語ることはなくても 機会がある時には決して否定的な言葉は使わず正直に語るように心がけた。 私自身が母親から性に関してヴィクトリア朝的な ほとんど呪いのような言葉を聞かされて育ったからだ。 「結婚するまでは綺麗な身体でいなさい」 「欲情した猫のような振る舞いは穢らわしい」的な。 おかげで娘は性に関して、とてもおおらかで 母親としては内心ぎゃっと思うような(でも顔には出さない) 発言や行動をあっけらかんと見せてくれる。 決してこちら

        One Loveでなければ世界は変えられない。全然Everything is gonna be alrightじゃなくても〜ボブマーリー・ラスト・ライブ・イン・ジャマイカ

          優しいことはこんなにもカッコいい〜鮎川誠ドキュメンタリー

          今年の1月に癌で亡くなったSheena & The Rokketsのギタリスト鮎川誠のドキュメンタリー映画を観に行ってきた。 去年の5月に74歳バースデーツアーライブに行った時はめちゃめちゃ元気で相変わらずカッコよくて、ギターも最高だったのに、あの時にはもう末期癌だったのか!と死去のニュースを聞いて衝撃を受けたものだ。 70年代にやたらと日本人離れしたSheenaと鮎川さんなので二人とも外国育ちみたいなイメージだったが(もちろん鮎川さんはアメリカ人の血が入ってはいるが)

          優しいことはこんなにもカッコいい〜鮎川誠ドキュメンタリー

          金木犀と煙草の香りと

          私の胸にこの虹をかけた張本人は アナタだったのか見極めたかったのです。 でもこの虹をかけたのは アナタではなく 他でもない 私自身の胸にある希望の光でした。 アナタの胸に一瞬 顔を埋めた時に 私の身を焦がしたのは あれはアナタの抱擁ではなく 金木犀の香りと煙草の香りでよみがえった 私の細胞に染みついた記憶でした。 それさえ見つけられたから 私はもうアナタに会うことはしない。 この胸の光とその反射で出来た虹と 金木犀と煙草の香りでよみがえった細胞を抱きしめて 私は生きてい

          金木犀と煙草の香りと

          いつもポケットに「KNIFE」を

          夜中に目が覚めて枕元のケータイを見たら かつて英語を教えていた学生で 今は芸大の大学院で学んでいる男の子から メッセージが入っていた。 「芸大生からオススメの本を聞かれたんで 俺の英語の師匠が小説出してるって紹介したんですけど 今日、本返してくれたんですけど、女の子なんですけどね なんか自分と重ね合わせてボロ泣きしたって言ってました。 とてつもない感動だったらしく、飲んでる間ずっとその話してましたよ!」 「文章がスッと心に入ってきたって言ってました」 私のバブル時代の青春

          いつもポケットに「KNIFE」を

          独りの朝にバッハを聴く

          夫と別居したことについて書こうと思う。 独り暮らしを始めて朝はバッハを聴く。 以前も朝はバッハを聴いていたのだけど今はもっとしっくりくる。 祈りが必要なのかもしれない。 夫を置いて2DKの古いアパートに引っ越した理由は 23年間の色んなすれ違いや自分の変化、様々ある。 自分の心の穴にちゃんと向き合わずに放置したことで (もちろん子育てや他のことで忙しかったのだが) ある青年の人生を危うく狂わせそうになり 深い傷を残してしまったことも理由のひとつである。 けれど一番大きな

          独りの朝にバッハを聴く

          Yogaと孤独と生きる

          諸々の事情で悩みに悩んで23年一緒に暮らした夫に家族解散宣言をして一人暮らしを始めた。一人暮らしは20代以来である。   実を言うと本当に家を出るまでは不安で不安で仕方なかった。孤独に耐えられるのか?という不安である。夫も自分も、である。 「いやどうせいずれどっちかが先に死ぬのだから」 そう自分に言い聞かせて家出を実行した。 いざ独りになってみたら全く寂しくない笑。まるで一生こうやって一人で暮らしてきたような錯覚に陥るくらい。よくよく考えたらその理由に気が付いた。 ヨガで

          Yogaと孤独と生きる

          二フラーとふたり暮らし

          夫と娘と日本に引っ越してきて、7年間暮らした家を勝手に出ていくことを決め 勝手に探してきたアパートに引っ越した夜。 最後の荷物をかき集めて 夫の運転する車に乗ろうとしたら、色んなものを放り込んだカゴを見て娘が言った。 「え?いやいやいや。。」 娘はカゴの一番上にちょこんと乗ったニフラーに気が付いてしまったのだ。 ニフラーは海外で育った娘が 日本の中学校に入学してすぐに不登校になってしまった頃に、一人町をふらついて UFOキャッチャーで取ってきたFantastic Bea

          二フラーとふたり暮らし

          ヨガマットと一緒に

          ヨガマットを新調した。 ヨガマットの使用頻度は激しいのだが使い心地の良いマットは高いので そんなに頻繁には買い替えられない。 いつも0.5ミリの厚さのトラベルマットを買う。 薄くて邪魔にならずグリップはとても良い。 前に買ったのはパンデミックの最中だった。 明るい色が欲しくてmandukaのイエローのマットを奮発して買った。 色によって値段が変わるのだ。とほほ。 今回はeasy yogaのパープルのマットを買った。 easy yogaは日本ではあまり見かけないがマットはコス

          ヨガマットと一緒に

          文芸社✖️毎日新聞社人生十人十色大賞受賞しちゃった!「KNIFE」

          フィクションと言ってしまいたいのだが そうもいかない賞を頂き この度文芸社から出版された。 色ざんげです。 バブル時代の密密密!な青春群像。 パッションだけが取り柄のバカな若者達が のたうち回って傷付け合う物語。 読んでご感想をお聞かせ下さい。

          文芸社✖️毎日新聞社人生十人十色大賞受賞しちゃった!「KNIFE」

          グリーフケアヨガでペットロスを癒す

          先週の中ごろ、朝いつものように起きて台所でコーヒーを淹れながら朝食の下ごしらえをしていたら「あ」と思った。胸がつかえるような、息苦しいような感覚があったのだ。 朝はコーヒーを飲んだらヨガのプラクティスと坐禅をすることにしているのだが、その朝のヨガのプラクティスのメニューはもうその瞬間に決まっていた。 Yin Yoga for loss and grief (ロスと悲しみのための陰ヨガ)である。 その前の週末に私たち家族と10年暮らしてきた愛犬を突然失った。娘の8歳の誕生日

          グリーフケアヨガでペットロスを癒す

          ヨガでデトックスしては人生の美酒を味わう

          私事ですが、 去年は色んなことが起きました。 (いや毎年色んなことが起きるんですけど笑) どんなことが起きたかと言うと 平たく言えば多分「飼い犬に手を噛まれた」という表現が 当てはまるような出来事が(しかも2件同時進行で笑)起きました。 私の悪い癖は相手を信用しちゃうこと。 いや厳密に言うと本当に100%信用しているわけではなく もしかしたらその信用をこっぴどく裏切られる可能性もあることを 恐らく30〜40%くらい認識しつつ残りの60〜70%に賭けてしまいます。 つまり毒

          ヨガでデトックスしては人生の美酒を味わう

          あなたと私とぶっ続き「宿無し弘文」

          スティーブ・ジョブズが傾倒した禅僧についてのルポルタージュである。 6年に渡る日本とアメリカ大陸とヨーロッパと、この不可思議な禅僧にまつわる証言を集めて回った著者のエネルギーに感服。 それにしてもこの禅僧、とんでもない破戒僧。女癖、アル中。どこから見てもとても宗教家とは言えないような生涯を送り、周囲を苦しめ、最期は浅い池で溺死という訳の分からない死に方をする。 それにも関わらず崇拝し愛され、世界を変えたスティーブジョブズに大きな影響を与えたことも確かなのだから不思議。

          あなたと私とぶっ続き「宿無し弘文」

          河口のふたり

          中学生の恋ならよかったのに 台風が通り過ぎたとたんに 突然夏が終わり 冷たい風が吹いた 9月のある午後 二人で河口に向かって 歩いて行ったのは きっと 心の奥底にあるものの正体を 確かめずには 居られなかったから あり得ないはずで あってはならないはずなのに いつの間にか 結晶してしまっていた 二人の心の奥底の 硬質で尖った何か もういつの頃からだろう 気が付かないふりをしたり 否定したり 捨ててしまおうとしたり その度に 不器用な二人は また引き寄せられ 煽られ

          河口のふたり