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56歳にして己を知る。拙著「KNIFE」はポリアモリー(複数愛)小説だった

「ポリアモリー(複数愛)」なる言葉を知ったのはつい最近のこと。
いつものようにぼーっとケータイのネット記事を眺めていたら目に入った。
驚いて荻上チキさんの本「もう一人、誰かを好きになったとき:ポリアモリーのリアル」を購入して読んでみた。

「ポリアモリー」とは結婚したり付き合っているパートナーが居ても、それ以外の異性あるいは同性のことを好きになる人のことなのだそうだ。

「これ、私じゃん!てか結婚したり付き合ったりしていて、
それ以外の人を好きにならないのが普通だという事を初めて知った!」
と衝撃を受け、数人の友人にリンクを送ったら
「え?あなた知らなかったの?ずっと前から気が付いてたけど?」と反応。

まさかの元カレにも「用語があるのは知りませんでしたが昔からそういう人だと思ってました」と言われてしまった。

私の生涯の謎が解けたのである。
何をこんなに戦ってきたのかという謎である。
思えば私はずっと自分を罰して生きてきたのである。

若い頃は浮気の連続であった。おかげで私を深く愛してくれた優しい男たちを傷付けた。自分の罪を呪うあまり恐ーいヤクザの息子と付き合ってみた。
この人と付き合えば浮気なんて怖くて出来ないから「治る」と思ったのである。
怖くて束縛する嫉妬深い男と一緒に居たら「治る」どころか壊れてしまった。
(とは言っても怖ーい男に隠れて浮気はした笑)

結婚した時も「治る」と思った面はある。

そんな私が24年間も結婚生活を続け子供まで育てることが出来たのは
ひとえに夫が束縛せず嫉妬せず寛大に私を受け入れてくれたことと
(男友達は常に周囲に居て一緒に旅行に行ったり家に寝泊まりしたりもしょっちゅうだったが夫は何一つ文句を言わなかった)
私が壊れた時に入院していた精神病院で見た壊れた子供達のように
一人娘を壊したくないという必死の思いからであった。
(岡本かの子と岡本太郎の本を読み漁り恐怖に陥ったものだ)

常に寛大な夫に対して「この人を裏切ったら私は地獄に落ちる」的な恐怖感で自分を諌め続けた。だからかろうじて24年間パンツを脱がずに頑張ったのである。

あ、もう一つ発見したのはポリアモリーにも色んな人が居て、複数の相手に恋愛感情を抱くが必ずしも全ての相手に性的に惹かれる訳ではないということ。
「私、これやん!」と思った。
感情的には完全に恋愛関係になってしまうので(相手の年齢かかわらず)え?ここはパンツを脱ぐところなのか?と迷ってしまう。でもよく考えてみるとそんなに脱ぎたい訳でもないのだ。それより食事したりお酒飲んだり話したり、そういった事が楽しいのだ。
(性的に惹かれる相手とそうでない相手が居たり、それが異性であったり同性であったり、と色んなバリエーションがあるらしい)

若い頃はそんな状況にしてしまった自分が悪いような気がしてパンツを脱ぐ羽目になった。(体力もあった)結果そんなに楽しくなくて本当に大切な人を傷付け本当に大切な愛を手放す結果になった。(その辺りの詳細は「KNIFE」に描いてある)

結婚24年目に夫と別居を始めたのは自分に無理がきてほころびが大きくなり過ぎてしまったのも大きい。(床に散らばる靴下とか洗い物の山とか夫が作れる美味しい食事がオムレツのみで私が丁寧に作ったどんな料理にも真っ赤になるほど唐辛子をかけることとか他にも色んな理由はあるが)

娘には「本当はお母さんは結婚して子供を育てれらるような人間じゃないのに奇跡を起こしたのだ」と告げて家を出たが、今回ポリアモリーの記事のリンクを送った。
「お母さんこれだと思う」
オーストラリアでボーイフレンドとホリデーを楽しんでいる娘は
「そうかもねー。私にはよく分からないー」と返信してきた。

もし娘が私の血を受け継いで居ても私のように苦しんで欲しくない。
(血があるような気がするのだ。私の祖父とその妹はかなり奔放だった)

それにしてもポリアモリーって大乗仏教っぽいと思うのは自分だけ?










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