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【移行直前】UAとGA4の違いをおさらい!

今週もウェブ解析士のnoteをご覧いただきありがとうございます。
最近気づいたのですが、UAの終了が間近に迫っていますね。すでにほとんどの業務をGA4で行なっているので気づきませんでした。
と、いうことで今週はユニバーサル・アナリティクス(UA)とGoogleAnalytics4(GA4)の違いをおさらいしていきましょう。
今年からウェブ解析士認定試験のカリキュラムもGA4を採用しているようですので、試験勉強にもなるかも?中の人も改めて認定講座を受けたいくらいです。なんなら、上級講座のハンズオンで…。

6/12現在のUA警告画面

GA4移行の背景

2020年の10月にリリースされたGA4ですが、なぜUAからの転換が必要なのでしょうか。その背景には大きく2つの要因が絡んでいるようです。

テクノロジーの進化

基本的にアクセス解析では、ブラウザごとに付与されるCookieという仕組みを使ってユーザーの行動を把握しています。
この”ブラウザごとに”というのが注目ポイントです。例えば、PCでGoogle ChromeとSafari、2つのブラウザを併用しているとします。すると、同一人物が同じサイトを見てもそれぞれのブラウザごとにCookieが発行されるので、計測上は2人になります。さらに、スマートフォンでも同じサイトを見るとなると例えSafariを使ったとしても[端末が違う=違うブラウザ]と判定されるわけです。
といったように、近年では一人のユーザーが複数の端末やブラウザを利用するため、ユーザーの行動が追いづらくなっています。
また、UAではページ・ビュー(PV)を計測単位にしていましたが、近年ではアプリや動画といったページの概念が存在したいものが登場して、解析に手間がかかるようになってきています。

プライバシー保護

EU一般データ保護規則(GDPR)やカリフォルニア州消費者プライバシー法(CCPA)などの法律や規則によって、プライバシーの尊重は世界基準になっています。アクセス解析で利用されるCookieデータも、世界では個人情報として扱われるようになってきています。

これらの諸問題に対応するため、プライバシーに配慮しながら、ユーザーの行動分析をより行いやすくするためにリリースされたのがGA4なのだそうです。
同じGoogleAnalyticsを冠する解析ツールですが、UAからの正統進化というよりも全くの別物だと捉えた方が、理解が早いような気がします。

UAとGA4の違い

以上の背景から生まれたGA4には従来のUAとさまざまな違いが存在します。
以下で詳しくみていきましょう。

計測ポリシー

UAでは「ページ」を計測単位として、「セッション」を軸に計測されていました。一方でGA4では計測単位に「イベント」、計測の軸に「ユーザー」を採用しています。
この違いがどういった効果を生むのかというと、「ユーザーが最後まで閲覧して理解して離脱した」場合と「ページが分かりづらいので読むのをやめて離脱した」場合を想定してみましょう。
従来のUAでは双方とも1セッションで1PV=直帰したことになります。計測上は両者に違いがないわけですね。
一方でGA4では「ページビュー」「スクロール」「ファイルのダウンロード」など自動収集できるイベントが用意されており、最後までスクロールしてページを読んだことや、興味を引いてファイルのダウンロードが行われたことなどが把握できます。すぐに離脱した(エンゲージしなかった)ユーザーと、ページを読んだ(エンゲージした)ユーザーを区別して把握することができます。
同じ1PVでもデータの取り方でここまでユーザーの動きの違いを把握できるようになったのです。

データ保持期間

UAでは初期でも14ヶ月分のデータを保持してくれて、最大のデータ保持期間は50ヶ月となっていました。一方で、GA4の初期設定データ保持期間はたった2ヶ月です。設定を変更しても最大のデータ保持期間は14ヶ月となっています。
GA4への移行後、真っ先に行うべきはデータ保持期間の変更かもしれませんね。
(GA4とBigQueryを連携することで擬似的に保存期間を延ばすことは可能のようです。)

メトリクス(指標)

1.ユーザー
UAでは「合計ユーザー」(すべてのユーザー)が採用されていましたが、GA4では「アクティブユーザー」が採用されています。エンゲージメントセッション(first_****やengagement_****のパラメータが含まれるもの)が発生した場合にカウントされます。

2.ページビュー
UAでは表示されたページの合計数をページビューとしてカウントしていました。GA4では表示されたアプリ画面またはウェブページの総数を指してビューとしています。
UAではプロパティごとに測定されていましたが、GA4ではウェブとアプリのデータが同じプロパティ内で組み合わせることができるそうですよ。

3.セッション
UAではユーザーがウェブサイトまたはアプリに積極的に関与している期間を計測しています。GAではsession_startイベントが付与されたものを計測しています。
双方とも、操作が30分以上行われた場合や深夜0時になったタイミングでセッションが切れます。相違点としては、深夜0時をまたぐセッションです。UAでは深夜0時から新しいセッションが開始されますが、GA4では深夜0時を跨いでも新しいセッションは開始されません。また、UAではユーザーが新しいキャンペーンパラメータを取得するたびに新しいセッションが始まるのに対し、GA4では新しいパラメータを取得しても新規セッションは開始されません。
以上のことから、UAの方がセッション数が多く計算される傾向にあるようです。

4.CV数
UAの場合は、1セッションに対して1件のCVがカウントされます。一方でGA4ではすべてのCVがカウントされるようです。例えば、フォーム送信をCVに設定していた場合、ユーザーが同じセッションで2回フォーム送信をした場合は、UAではCV1となりますが、GA4ではCV2とカウントされる違いがあるようです。

5.直帰
これが一番話題になった違いですね。UAではすべてのセッションのうち何も行われなかった1ページのみのセッションを直帰とカウントしています。GA4では、エンゲージメントしなかったセッション(閲覧が10秒未満で終了し、イベントが何も発生せず、他のページへの遷移も怒らない)を直帰として計算しています。
これが冒頭に説明した、同じ1ページだけでの離脱でユーザーの行動の違いを把握するという計測ポリシーが具体的に表現された変更点だと思われます。

UAのデータ保存について

UAのデータは2024年以降閲覧することもできなくなるそうです。
過去のデータ分析をするためにも外部に持ち出して保存しておくのが良いですよね。
季節トレンドや以前の同時期の動きなどを把握したり、過去の広告検証などを行うのに必要になってきますもんね。
手法としては、CSVでエクスポートする、Googleスプレッドシートのアドオンで抽出、外部サービスを利用するなどの方法があります。スプレッドシートの活用やCSVでのエクスポートであれば、LookerStudioに取り込むことでダッシュボード化することができますね。
ただ、期間が膨大であるとデータの上限数などの課題があり、切り出し方に悩んだりします。
そこで、外部サービスを利用することも検討が必要になると思います。
無料から始められるものや、月額ではなく買い切りサービスなども存在します。
この辺り、実は先日行われたWACA主催のToyBoxでも解説・紹介してくれています。ダイジェスト動画がウェブ解析士協会の公式YouTubeチャンネルに掲載されていますので、ご興味があれば確認してみてください。

まとめ

GA4の操作やデータの読み取りで混乱していらっしゃる方も多いと思います。GA4を理解するためには、GA4誕生の背景やGA4で採用された計測ポリシーを理解することが必要です。
どうして、計測方法が違うのか、それによる利点は何かなどをより把握しやすくなると思います。

あとがき

今週もウェブ解析士のnoteをご覧いただきありがとうございました。どうでした?ちゃんとウェブ解析士っぽくないですか?(笑)
「中の人」はすでにGA4しか使ってなかったので、UAの終了という実感があまりなかったです。といっても、定点観測すべきものはLooker Studioで見ているので四半期とか半期のタイミングでしかGAを開いていないくらい解析しない解析士です。(笑)
今回記事を書くために、Google公式のヘルプサイトを見ていたのですが、なんだか分かりにくい記述で、書籍を読むより頭を使う気がします。
指標に関してはWACAのInstagramでも分かりやすく紹介されているので見てみてください。
それではまた来週お会いしましょう。


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