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フレームワークってどう使いこなすの?

ウェブ解析士のnoteをご覧いただきありがとうございます。
「ビジネスフレームワークってたくさんあるけど、何を使ったらいいかわからない」「どんな場面で使えばいいの?」そんな疑問お持ちではないですか?
ビジネスフレームワークは考えをまとめ、言語化する上で非常に有用なものですが、たくさん種類がありどれを使っていいか迷いますよね。
なので、今回はビシネスフレームワークの活用法について書いてみようと思います。

ビジネスフレームワークとは

そもそもフレームワークとは「枠組み」や「骨組み」といった意味を持つ単語です。つまり、「ビジネスの枠組み」を一般化したもので、それに当てはめて考えることで思考を補助する役割を担います。
また、考えていることを言語化できるので、チーム間やクライアントとの間での共通言語として利用できます。ビジネスを円滑に進めるためには認識にズレのないコミュニケーションが必要で、ビジネスフレームワークはその補助をしてくれるものです。

注意すべきは、ビジネスフレームワークはあくまで思考や事象を整理するためのツールであるという点です。
使い手はビジネスフレームワークを用いて思考や事象を整理した後、「事業にはどんな影響があるか?」「成果を上げるにはどんな手法が選べるか?」などの問いを立て、自分なりの解釈を導く必要があります

ウェブ解析士的フレームワークの選び方

ウェブ解析士の公式テキストにもいくつかのフレームワークが紹介されています。下図もテキストに掲載されています。分析のステップとともに各ステップで活用できるフレームワークが図解されていて分かりやすいですね。

『ウェブ解析士認定試験公式テキスト2022』 p85より引用

しかし、ウェブ解析士のテキストで紹介されているものは「市場分析」と「戦略立案」のフェーズに対応するフレームワークだけなんです。
「そもそも弊社の課題って何?」という「課題発見」フェーズに対応するフレームワークがない……。

中の人的フレームワークの活用法

正直な話、自社の課題を理解しないまま戦略立案フェーズに移行してもうまく機能しないよなぁ。と「中の人」は思うわけです。
と、いうことで、中の人的なフレームワークの活用法を書いていきます。

課題を見つけよう

まず、課題を見つけるために利用するのは「As is / To be」というフレームワークです。私の知る限り最もシンプルなものですね。
使い方は簡単です。

①理想の状態を考える 
②理想に対する現在の状態を整理する
③理想と現実のギャップを直視する

なんと簡単!たったの3step!!
例えばこんな感じです。

たったこれだけで課題が見つかりました。
言わずもがななことも、こうして言語化することで、共通認識に昇華する事ができますね。

課題を整理する

次に見つけた課題を整理するフェーズです。中の人がよく使うのは、「6W2H」です。
「6W2H」はWho, What, Whom, When, Where, Why, How, How muchという8個の疑問に答えることで課題を分解して、正確に理解することを手助けします。
6W2Hの例を挙げるとした図のような感じですかね。

例えば、Whyの露出が少ない・Howのnoteのユーザーじゃないに対してはTwitterなど他のSNSで告知するなど対応策が考えられますよね。
こうして、課題を分解して対応策を検討する際に有用なフレームワークです。

ここで気をつけなければならないのは、これらのフレームワークの主語が一人称であるということです。
戦略立案フェーズで使用されない理由ですね。
どういうことかというと、外部環境や競合、ユーザーの事が考慮されていないのです。
そこで、ウェブ解析士の公式テキストのフレームワーク活用ステップに戻ります。
ここまで整理して、ようやく環境分析や戦略立案のフェーズに入る事ができるのです。

超便利なSWOT分析

ウェブ解析士のテキストでは外部環境分析→内部環境分析という手順で分析を進めていくように紹介されていますが、SWOT分析って同時に外部環境と内部環境を分析できるので、個人的にはすごくおすすめです。
SWOT分析とは、Strengths(強み)・Weaknesses(弱み)という内部要因と、Opportunities(機会)・Threats(脅威)という外部要因を整理するフレームワークです。

でも、いきなり強み・弱みや機会・脅威を書き出せと言われても正直難しいですよね。そこで、「中の人」はフレームワークを入れ子にして考えています。

まず、外部要因の機会・脅威を検討する際は、公式テキストでも紹介されているPEST分析を用います。
PEST分析とは、Politics(政治的要因)・Economy(経済的要因)・Society(社会的要因)・Technology(技術的要因)に分けて外部環境を整理するフレームワークです。
PESTそれぞれの要因を書き出した後に、それらは機会になり得るのか、あるいは脅威となっているのかを検討してSWOTに落とし込んでいきます。

次に、内部要因の強み・弱みを検討する際はVRIO分析というフレームワークを用います。
VRIO分析では、保有する経営資源をValue(経済価値)・Rarity(希少性)・Inimitability(模倣困難性)・Organization(組織)という4つの観点で評価していきます。
これは公式テキストで紹介されていないので簡単な例を挙げて手順を説明します。
まず、手順については以下の通りです。

①評価する経営資源を書き出す
②書き出した経営資源をVRIOに従って評価
V経済価値 :その資源は機会を生かせるか、脅威を無効化できるか
R希少性  :その資源をもつ競合は少ないか
 模倣困難性:他社が真似するのは簡単か、資源獲得にコストがかかるか
O組織   :資源を有効活用するための組織体制は整っているか

このnoteの運営に関することを例にとると下表のような感じでしょうか。

こうしてみると強みは企画に関するところに、弱みは資金調達にありそう。というのがひと目見て判別する事ができますね。
こうして見えてきた強みや弱みをSWOTに落とし込んでいきます。

参考サイトや書籍の紹介

そうは言っても、なかなか自分達の課題に適したフレームワークを見つけるのは難しいですよね。
そんな時は辞書的に使えるサイトや書籍を有効活用しましょう。

①おすすめの書籍
私がおすすめするのは、株式会社アンド『ビジネスフレームワーク図鑑 すぐ使える問題解決・アイデア発想ツール70』翔泳社 です。
活用目的ごとに章立てされており、巻末には活用MAPも掲載されていて逆引き辞典としても活用できます。
「中の人」は上級ウェブ解析士講座の副読本として活用していました。

SWOT分析の理解を深めるなら、森岡健司『SWOT分析による戦国武将の成功と失敗』ビジネス教育出版社がおすすめです。
SWOT分析は一度行って終わりではなく、環境が変化するごとに分析をし直すべきであることや、機会や脅威は競合の動きにも左右されるなど示唆に富んだ内容です。

②おすすめのサイト
とあるウェブ解析士の方に紹介いただいた『デザインのしたじき』というサイトです。
デザインする上で必要なフレームワークを、使う場面や何をデザインするかに応じて選択できる仕様になっています。

③わかる人に聞いてみよう
わからないことは、わかる人に聞いてみればいいじゃん!ということで、ウェブ解析士会員部に先日発足した「交流委員会」に参加してみるのもひとつです。
交流委員会ではSlackというチャットツールで会員同士のコミュニケーションを主としています。発足して1週間程度ですでに90名以上のウェブ解析士が参加しています。
また、Gatherというバーチャルオフィスで気軽に雑談・相談することもできます。上級ウェブ解析士やウェブ解析士マスターの方も居るので、わからないことを気軽に相談できる場です。雑談の中にヒントがあったりもするので、気になる方は参加してみてください。

あとがき

今回も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
今回のテーマは、交流委員会に参加した際に「フレームワークって何を使ったらいいかとか、実際どう使うのかとか、よくわからないこと多いよね」という雑談の中から生まれました。
フレームワークは言わば「ビジネス思考の型」ですが、「知っている」と「使える」の間には大きな溝があるなと思うわけです。
「せっかく、ウェブ解析士取得の際に知ったなら、使えるようになりたいよなぁ。」ということで、私も勉強しながらこの記事を書きました。

ちなみに、中の人も先日、交流委員会でマスターの方に「5フォース分析がいまいちよくわからない」という相談をしました。ふと、思い立った疑問を、その場にいる先輩になんとなく質問してみる。みたいなゆるい感じで関係を作れるので交流委員会おすすめです。
※あくまで個人の意見です。

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