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マーケティングに応用できる心理学

今週もウェブ解析士のnoteをご覧いただきありがとうございます。
商品のプロモーションに関わっていると、「何とかして振り向いてもらいたい。」「どうにか認知してほしい。」と思うことありますよね。そんな時に、よく利用されいるのがマーケティング心理学と呼ばれる、心理学を応用した手法なんですよね。今回は、そんな手法の一部をご紹介しようと思います。


1. 返報性の原理

王道、というかよく使われているものですね。返報性の原理は、相手が何かをしてくれた場合、お返しをしたくなる心理現象です。これを活かした事例として、無料のサンプル提供が挙げられます。
例えば、化粧品メーカーが新製品のサンプルを無料で提供し、消費者に製品の質や効果を実感させることで、感謝の気持ちを引き出し、製品の購買意欲を高める手法などが挙げられますね。

2. カクテルパーティ効果

人混みの中でも自分を呼ぶ声はなぜか聞こえたりしますよね。それが、カクテルパーティ効果です。人は、自分の名前や関心事に関する情報を聞くと、相手に対する好意を抱く傾向があるそうです。これを応用した例として、オンラインショッピングサイトが顧客の過去の購買履歴や閲覧履歴を元に、パーソナライズされた商品のおすすめを提供することがあります。
他にも、「〇〇年生まれの人限定!」とか「〇〇にお住まいのあなた!」とか言った文言を最近インスタグラム広告でよく目にしますね。

3. スノッブ効果

スノッブ効果は、高級感や希少性がある商品に対する好意を引き起こす心理現象です。この原理を用いた例として、高級腕時計メーカーが限定版の腕時計を発売することが挙げられます。これにより、商品の希少性が高まり、一部の顧客層に強い魅力を持たせることができます。
これからの時期はクリスマスコフレが世の中に溢れますが、それもスノッブ効果を期待したものかもしれませんね。

4. バンドワゴン効果

バンドワゴン効果は、他者が何かをしていると、それに追随したくなる心理現象です。SNS上での口コミを活かした例として、新製品のローンチキャンペーンを展開することがあります。多くの人が新製品を購入し、その良い評判が広まることで、他の顧客も購買に興味を抱きやすくなります。
「みんなが使っている」それだけで、なぜか信頼度が高まりますよね。
最近人気の新商品がすぐに品薄になって、一時販売休止するのはひょっとするとこれを狙っているのでは?と勘繰りたくなることもあります(笑)

5. ハロー効果

「ハロー」は挨拶のハローではなく後光という意味だそうですよ。ハロー効果は、後光を浴びている存在(権威性のあるもの)に好意を抱く心理現象だそうです。広告塔として、有名なセレブリティや業界の権威を起用することがありますよね。例えば、有名なアスリートが特定のスポーツブランドのイメージキャラクターになることで、そのブランドの製品に対する好感度が向上します。
他にも、「業界No.1」とか「〇〇年連続金賞受賞」とかをコピーに用いるのもこのハロー効果を期待しているのだとか。

6. ザイオンス効果

ザイオンス効果は、商品やサービスが他と比較して優れていると感じることで、それに対する好意を高める心理現象です。競合他社との比較を強調する例として、テクノロジー製品の広告が挙げられます。新製品が他社よりも優れている点を強調することで、顧客はその商品に対する好意を高めます。
商品紹介サイトでもよく他社製品のとの比較表が掲載されていますよね。TVCMでも「従来品に比べて何%UP(当社調べ)」みたいな表現が使われています。

7. ウィンザー効果

ウィンザー効果は、その商品・サービスと利害関係がない人の意見を信用してしまう心理効果です。これを活かした例として、製品の口コミレビューサイトに一般消費者の意見を積極的に掲載することがありますね。権威性のない一般人の意見が製品に対する信頼性を高め、他の消費者の購買意欲に影響を与えます。
SNSでのUGC(ユーザー・ジェネレイテッド・コンテンツ)などはまさにウィンザー効果を発揮してくれる存在ですね。ウェブサイト上での「お客様の声」も同様です。

8. 松竹梅の法則

松竹梅の法則は、簡単ですね。3種類グレードを並べると真ん中のグレードを選びたくなるアレです。
SaaSを展開する企業なんかは、スタータープラン・スタンダードプラン・プレミアムプランみたいな商品構成があったりしますよね。「一番安いのだとやりたいことができるか不安だけど、プレミアムまでの機能はいらないし、そもそも高くて手が出ない。じゃあ真ん中のプランで。」という思考になりやすいです。
現在の商品よりも高位ランクの商品を2つ作ると、真ん中が売れるので、必然的に顧客単価が上がるなんてこともあるそうですよ。

9. 損失回避の法則

損失回避の法則は、利益を得ることよりも、損失を避けることが人間の心理に強く影響するという原理です。限定セールや期間限定の特典を通じて、顧客にとって逃すことができない機会を提供する手法などはよく目にしますよね。購入を迷っている顧客にとっては、今買えば1000円OFF=この時期を逃すと1000円損するという思考が働くのだとか。

10. カリギュラ効果

カリギュラ効果は、禁止されたものへの興味や欲望を引き起こす心理現象です。制限された商品や限定版が、一層の魅力を持つ要因になるのだとか。
インスタグラム広告でも「〇〇な人以外は見ないでください!」とか、「健康な人は絶対にやらないでください!」とかいう表現を目にしませんか?
やめろと言われるとやりたくなるのは人の性ですね。(笑)

11. アンカリング効果

アンカリング効果は、最初に提示された価格や情報が、その後の判断に影響を与える心理現象です。最初に高額な商品を提示した後、割引価格を提示する手法は、テレビ通販でよく見ますよね。「でも、…お高いんでしょう?」「そうなんです。通常価格は〇〇円・・・なのですが!なんと!今回我々頑張りました!」なんて掛け合いはもはやテンプレートというか様式美ですね。
商品の通常価格を強調し、その後に特別価格を提示することで、顧客は割引価格に引かれて購買を促進されるそうですよ。

まとめ

こうして見てみると、結構心理学も身近なんだなって思いますよね。
いろんな場面で心理学を応用したマーケティング手法が使われていることがわかります。どれもすぐに取り入れることができそうですよね。
広告表現だけではなくて、SNS投稿用の文章などでも効果を発揮しそうです。

あとがき

今週も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
行動経済学も心理学も、手法の幅を広げるためにもっと学んでいきたいなと思っています。
でもアレですよね、インスタグラム広告なんかがそうなんですが、あまりに露骨だと、しらけてしまうのは「中の人」だけでしょうか。(笑)
使い方、使い所にも気を配りたいですね。
それでは、また来週お会いしましょう。

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