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【イベントレポート】「本質を引き出せるデザイナー」になるためのコミュニケーション講座

ワヴデザインではWab Design Schoolという学びの場を提供しており、関連する公開講座をオンラインで不定期に開催しています。
今回は2022年秋にWab Design Schoolの公開講座として開催された《「本質を引き出せるデザイナー」になるためのコミュニケーション講座》のレポートをお届けします。


「聴く力」と「引き出す力」

近年、デザインという言葉の意味が「見た目やあしらい」から「組織や経営の課題解決」へと広義に変わっており、課題解決の視点を持って上流からアプローチできるデザイナーは多くの企業から求められています。
解決すべき課題を正しく特定し、最良の解決策を導き出す人材を目指すためには「本質を問い続ける姿勢」「コミュニケーション力」が必要ですが、今回の講座ではコミュニケーションの成立にあたって特に重要な「聴く力(傾聴力)」と「引き出す力(質問力)」に焦点を当て開催されました。

傾聴力と質問力が「本質」を引き出す(講座資料より)

本質を引き出すコミュニケーションは「信頼関係」の構築から

コミュニケーション力というと、話の上手さやロジカルさなど「伝える力」に注目が集まりがちですが、「聴く力(傾聴力)」によって話を上手に聴くことができれば人から話してもらいやすくなり、「引き出す力(質問力)」によって上手に聞き出すことができれば、うわべだけの会話では見つかりにくい潜在的な話を引き出すことができます。
そうしたコミュニケーションを成立させるために、まずは相手との信頼関係(ラポール)を築くことが欠かせません。話を受け入れてもらえる関係性が作られていなければ、いかに上手くロジカルに伝える力に長けていても、そのスキルを活かすことができないからです。

信頼関係(ラポール)を出発点とする「聴く」ことの流れ

心理学用語で「心が通い合っている」状態を「ラポール」と呼びますが、そうした関係を築くためには頷き共感など相手の話に対する反応や、表情声色といった言外のコミュニケーションが大きな役割を果たします。
例えば相手の話に対して「えぇ」「ふんふん」と相槌を打ったり、話の内容を短く要約してみせると、相手からの発話をさらに促すことが出来ます。
また微笑んだ表情を見せて話しやすい場をつくったり、相手のトーンに応じて表情を変えるといったことも信頼関係の構築に繋がります。

今回の講座講座では、相手から次々と話題を引き出し、口先の背後に潜む本質に触れるために、このような"信頼関係を築くための手法”を座学で学んだ後、参加者同士でペアを組み、実際に他者との会話を交わす中で傾聴力と質問力を磨くワークショップ「傾聴ロールプレイング」に挑戦しました。

「聴く力」と「引き出す力」を磨くワークショップ

ワークショップ「傾聴ロールプレイング」では、ペアを組んだ相手と事前に用意されたシチュエーションに合わせて会話を交わし、話し相手の話題に耳を傾けたり、さらなる話を引き出す方法を実践的に学びます。
例えば「課長が苦手」と名付けられたシチュエーションの場合、予め「飲食企業の総務担当者が直属の上司に苦手意識を持ち悩んでいる」という設定が用意されています。ここでは話し手は”総務担当者”、聴き手は”話し手の上司”になりきり、それぞれの役柄をイメージしながらシチュエーションに基づいた会話を進めていきました。

シチュエーションの一例(講座資料より)

またペアを組んだ相手に対して、参加者それぞれが「小さな悩み」をテーマに会話するセッションもワークショップの一環として実施されました。ここでは参加者は事前に用意された役柄を演じるわけではなく、実際に自分が抱える「小さな悩み」を話題として、等身大の言葉で会話を進めていきます。
このセッションは今回の講座で学んだ「聴く力」と「引き出す力」に関わる手法を実践するだけでなく、「この人はどんな人だろう、本当の悩みはどこだろう?」と会話相手への興味・関心を持つことの大切さを学ぶ機会にもなりました。コミュニケーションは相手の存在があって初めて成立するため、様々なテクニックだけに終始するのではなく、相手を慮ることが大変重要です。そうすることで、日常的なコミュニケーションの中でも自然と話題に耳を傾け、さらなる話題を引き出すことが出来るでしょう。

受講者の感想

《「本質を引き出せるデザイナー」になるためのコミュニケーション講座》には現役のデザイナーなど制作業務に携わる方が多数参加しました。参加者アンケートでは「満足できた」「とても満足できた」といった感想が多数を占めるとともに、講座の実践的な内容に対して高い評価をいただきました。

傾聴にフォーカスした内容が面白かったです。特にロールプレイングでは、気付きもあり有意義な時間でした。

受講者の感想(参加者アンケートより抜粋)

明日からでも実践できる内容で、説明も分かりやすかったです。

受講者の感想(参加者アンケートより抜粋)

ワークショップで実際に体験・行動することで、自分自身の現時点のレベルや理解度を把握できてとても有益だった。

受講者の感想(参加者アンケートより抜粋)

Wab Design Schoolのプログラムは法人向けの企業研修などで活用いただくことも可能です。組織やチームの課題に合わせてカスタマイズしたセミナー・ワークショップなども実施していますので、企業のデザイン人材育成などをご検討の方はWab Design Schoolの法人窓口へお気軽にお問い合わせください。

Wab Design Schoolでは受講生を募集しています

ワヴデザインでは ”デザインジェネラリスト” を育てるオンラインスクール「Wab Design School」の受講生を募集しています。
数多くのブランディングやデザインコンサルティングプロジェクトを手掛けてきたワヴデザインの社内教育プログラムを元に開発された、論理的思考力やコミュニケーション力重視のデザインカリキュラムにより、現場で求められる課題解決スキルが着実に身につく完全オンライン型のスクールです。

■こんな方に向いています
・ビジュアルだけでなく情報設計や課題発見など上流からデザインしたい
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