WAB松本が講義でBGMを流す理由とは―何なら香りもつけたかった 【15分x6セッションで体験する新感覚☆講義スタイル@明星大学デザイン学部】
はじめまして。ワヴデザインさんとコピーライティングで案件をご一緒させていただいている「ことばやさん」長井です。
ところで、みなさんは大学生の頃、ちゃんと講義を聞けていましたか? 私自身は、最後まで集中して聞けた講義はほとんどなかった気がします…(笑) 途中ボーっとしたり、別のことを考えたり、ウトウトして寝ちゃったり。でもこれって私だけじゃないはず。だって、よく考えてみてください。
人の話を90分聞く。
これができる人って、大学生どころか、大人だってなかなかいない気がします。ちなみに、大人の集中力は約50分と言われており、その中でも集中できる時間は15分と言われているそうです。15分しか集中力が続かない状況の中で、90分の講義を飽きさせずに聞いてもらうのは、至難の業。
この「90分の壁」に真っ向から挑まれている、ワヴデザインの松本さんの講義が本当にすごかった…。受講生さんから「一番90分という講義が短く感じられた」という感想までいただくほどの松本さんの講義スタイルについて、ぜひご紹介させてください
1. ざっくり講義紹介
今回ご紹介するのは、2023年11月14日に明星大学デザイン学部で行われた松本さんの講義。「WDS SESSION」というイベントでご登壇されたMULTiPLE Inc.の平藤さんからのお声がけがきっかけとのこと。
講義のテーマは「松本龍彦 デザインと生きる」。デザインの基礎を教えるだけではなく、松本さんの生い立ちや、日常生活に活かせるデザインの実践例、キャリアデザインといった大学生に寄り添った内容になっています。
そして講義はまさかの「MCスタイル」。サングラスをかけた松本さんが、教室中を歩きながら、BGMに合わせてマイク片手にしゃべっていくユニークな形です。また、90分を6セッション(各15分)に区切り、学生さんが感想を入力していく時間も挟んでいくという、とてもインタラクティブな講義になっています。
2. 松本さんの「最後まで聞ける」90分講義
冒頭でお伝えした通り、90分の講義を集中して聞いてもらうのは困難です。ちなみに、私も「キャッチコピーの作り方」について講演することがあるのですが、なかなか苦戦しています。というのも、90分間話し続けると、どうしても途中で空気がだれてしまうんですよね。しかし、松本さんの講義は、学生さんでも最後まで楽しんで聞けるような工夫がたくさんされていました。
2-1. 「15分×6セッション」で集中できる!
こちらが、今回の松本さんの講義のプログラムです。
90分の講義を6つに分け、1セッション15分で区切りをつけてくれるので、最後まで退屈せずに聞けそうですよね。そして途中で「感想タイム」を入れているところもポイント。インプットだけではなく、アウトプットの時間もはさむことで、より自分事として講義を受けられそうです。また、感想はスマホから匿名で投稿できるので、みんなの目を気にせずに自分の意見が気兼ねなく言えるところもいいですよね。
2-2. BGMまでこだわる。何なら香りもつけたかった。
話す内容やスライドはもちろん、BGMの曲選定までこだわるのが、松本さんの講義スタイル。1つ目のセッションではジャズアニメのサントラで気持ちを高め、2つ目のセッションではハウス・ミュージックでテンポよく生い立ちを紹介…といったように、6セッションごとに6ジャンルのBGMを設定することで、音楽まで飽きさせない工夫までされているのが驚きです。また、その音楽のジャンルの起源や、人気になった背景などの小ネタもはさむことで、流行や世界情勢というデザイナーにとって欠かせない視点もさりげなく入れていて、抜け目がありません。
本当は音楽だけではなく、6セッションごとに香りまで変えたかったそうで、「講義の内容」だけではなく「講義を受ける環境」のことまで考える松本さんのこだわりぶりに感銘を受けました。
さらに、壇上に立って一方的に話すのではなく、サングラスをかけて教室内を歩きながら話す、さながら「MC」のようなスタイルでフランクに話していくことで、受講生との壁をなくしているところもワクワク感を覚えます。
2-3. 輝かしい経歴を話しているのかと思いきや…。
松本さんの講義で評価されていたところの一つは、「失敗談」です。普通、自分の成功例を話すことで受講生に信頼感を抱かせたり、その成功例に基づいたメソッドを伝えることで説得力を持たせたりする講義が多いと思います。しかし松本さんの講義は、実績だけではなく、ご自身の失敗談についても赤裸々に語ることで学生の方との距離を縮め、「違う世界の人間ではなく、同じ人間なんだ」と共感してもらえるようにしているところにも、こだわりを感じます。
「私はこんなにすごいんだ」と話すよりも、「私もたくさん失敗してきました」と本音で話すことで、学生さんと心の壁をなくすように話されているところも勉強になりました。
2-4. 「デザインの話」どころか「人生のヒントになる話」まで。
講義の内容についてもこだわりを感じます。それは、デザインの専門的な話だけではなく、「コミュニケーションスキル」や「キャリアデザイン」といった、大学生の日常や就活にまで落とし込まれているところです。「受講者の方の人生のヒントになる」ように内容を編集されているところが印象的で、デザインについてあまり詳しくない学生さんでも興味を持てるような内容にしています。
デザインの知識だけに留まらず、デザインと大学生の間にあるテーマを選定されていて、「今日の講義で聞いたことを、明日から活かしてみよう」と前向きな気持ちにさせるように設計されているところも「デザイナー」としてのこだわりを感じます。
3. こんなご感想をいただきました
実際に、講義を受けた学生さんから、このようなご感想をいただきました。
▼講義スタイルについて
▼講義内容について
▼こんな嬉しい感想まで
4. デザイン講義をしてほしい方、ぜひワヴデザインさんへ!
話す内容だけではなく、BGMや話し方にまでこだわる、まさに「体験デザイン」をその場で実証されている、ワヴデザインさんのユニークな講義をご紹介させていただきました。「こんな講義をうちでもやってほしい」という方、ぜひこちらのページからお気軽にお問い合わせください。
もし自分がこの講義を受けていたら、コピーライターではなくデザイナーを目指していたかもしれません。それぐらい影響力を与える松本さんの講義なら、「飽きさせない」どころか「忘れられない」90分になると思います。自分なりのスタイルを追求されている松本さんの講義、ぜひみなさんにも体験してみてほしいです。
ー
ワヴデザイン
ワヴデザインは、ブランディングやデザインコンサルティング、サービス開発支援などを手掛けるデザインファームです。領域を定めず、本質的な発想で課題の抽出から戦略立案、クリエイティブ制作まで幅広く価値を提供しています。