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2022/0806アリス展

「特別展アリスーへんてこりん、へんてこりんな世界ー」
森アーツギャラリーセンターにて10/10まで開催中。

今日はアリス展に行ってきた。
下記はそのメモと感想である。

アリス 原作刊行当初1865年。
1860年代…バッスルスタイルが中心のヴィクトリア朝時代(中期)
パフスリーブ、パゴダスリーブなどプリーツやギャザー、フリルなどを使い、袖口に向かって広がったデザインが流行した。
(アリスといえばパフスリーブが印象的)

一般教養として美術が盛んだった理由…
イギリスでは1851年ロンドン万国博覧会が行われていた。イギリスでの美術黄金期であった。
ヴィクトリア女王は画家を後援していた。王族貴族のものだった芸術は社会的、教育的背景を含んだ作品になり大衆向けになっていった。一般知識に変化していった。
→一般教養に繋がっていった。

作者、チャールズ・ラトウィッジ・ドドソン(ルイス・キャロル)の書斎に写っていたシャンデリア…
3つのライトがついていたシャンデリア、曲線も綺麗ながら3つという事に興味を惹かれた。
病院の手術室では医者の影で傷が見えなくなることを防ぐため、ライトが三つになっているものものあるという。
おそらく書斎のシャンデリアも同様だろう。


印象に残っていた二重露光を使った写真…
イギリスでは1760~1830年代が産業革命時代だったと言われる。その当初、芸術が盛んであったイギリス。
写真にもその勢いを感じられた。一枚に込められた物語性に熱とユーモアがあった。
高校時代に写真の授業で二重露光を用いて教師とツーショットを撮ったことを思い出した。現代ではなんでもない技法になっているかもしれないが、あの時代ではユニークな表現法だったのではないかと思う。

後、「アリス」は国や時代によって政治などの社会問題を含み物語は様々な形へ変化した。時にアリスを引用した社会運動が行われ、時に時代を模した風刺物語へ。

同伴者は少年漫画「ARMS」を思い出したと言っていた。
登場人物達が持つ特殊能力はアリスの物語をモチーフにしているという。
こんなところにもアリスはいたのか。

「不思議の国のアリス」は、元々は大学教授のおじさんが知人の娘さんに即興で作った物語だったのが出版され、国を超え時代を超え姿形も様々になった。そして沢山の作品に影響を与え、気づけばいたる所に要素として存在している。
物語の歴史と、物語の内容が似てはいまいか。似ていると思った。
まるで、不思議の国へ迷い込み不思議な食べ物で姿が変わったアリスのようではないか。

もう、物語自身がアリスではないか、と。

こうして展示会が行われることによってまたアリスは誰かの心の中へ迷い込んでいくんだろうな。
そして一人一人の人生を冒険していくんだろうな。

不思議の国のアリスとは、本当に不思議な物語だったのだ。

ハンバーガーをむさぼり、タバコを吸い、ケーキを食べて、またタバコを吸って、談笑して。帰りの電車でやっと感想が出た。

至らない、本当に理解度が低い、知識が浅すぎると家の手前で泣きそうになったがこんなことは毎度のことである。
それでも確かな収穫はあったし、私に新たな価値観が生まれた。
それは忘れてはいけない、それだけは否定しちゃいけない。
私に批判する人なんて実のところいない。
いつだってその声は自分自身だ。私だけが褒めてくれないだけ。

本日の収穫は以上となる。

薄く言えば作品を通して時代を知ることができる、良い展示だった。

この夏の展示会は熱い。



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