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「じゃない」僕だから、ものづくりの可能性を広げる存在になれる|合同会社WAKAYAMA WOODYS 辻岡大樹さん

昨年11月に開催された和歌山ものづくり文化祭2022に出展した合同会社WAKAYAMA WOODYS 代表 辻岡大樹さんのインタビューを紹介します。

(聞き手:和歌山ものづくり文化祭事務局長 吉田圭吾)

※辻岡、吉田は年齢が同じなので、言葉遣いがフランクなインタビューとなっております。

―初年度は出展だけでなく、運営の中心メンバーでもあったけど、元々知り合いやったん?

元々、和歌山ものづくり文化祭 菊井実行委員長(以下、菊ちゃん)と小学校・中学校の同級生で。当時は特別親しいというわけではなかったんやけど、25歳くらいのときにたまたま和歌山の何かの集まり(覚えてないんかい!)で再会したんよ。同級生というよしみもあって、そこから親交が始まったのかな。
菊ちゃんがアメリカに行くときに作務衣にプリントしてほしいという依頼が初めだったと思うんやけど、それ以来、彼の会社のユニフォームの制作などを受けるようになったね。イベントもやったりと何でも屋なところがあるから、運営ディレクションとしてちょうどいいということで、白羽の矢が立ったんじゃないかな。

―なるほど。そしたら、なんで運営ディレクションという重要ポジションを任されたん?

僕はTシャツ屋やけど、デザインもやってるから、菊ちゃんが出展することになった日本工芸産地博覧会用のバナー制作の依頼があったんよ。菊ちゃんのオープンファクトリー愛があふれ出す博覧会のバナーを作ってしまったわけ。
それで、僕はイベントの運営もできるって認識されてたから、自然に2021年末くらいに声かかって、今に至ると。僕が主催する伊太祁曽神社のイベント(もの文Tシャツにも採用したヘンプ生地アパレルブランドのローンチイベント)に菊ちゃんに出展してもらったというのもあるね。

※伊太祁曽神社は我が国に樹木を植えて廻ったと 『日本書紀』 に記される 「五十猛命(いたけるのみこと)」 を祀る神社。植樹神五十猛命は一般には「木の神様」として慕われており、全国の木材関係者のお詣りが多い。

―今、Tシャツ屋という話がでたけど、本業はTシャツ屋?

そう。オリジナルデザインをプリントできるTシャツ屋。「こんな店があったら自分たちもそこで服を作ってほしいってなるよな」という自分たちの思いをイメージしたTシャツ屋なんよ。

5年前に幼馴染と始めて、デザインの仕事もちょっとした制作物の仕事もアートイベントの仕事も何でもやってきて、今では和歌山でTシャツといえばウッディーズと言われるくらいになってきてたらいいなと思ってる。

―運営もしながら出展もして・・だとだいぶ大変やったんちゃう?

初年度出した体験メニューは普段イベントでよくやってることなので、他の出展者の方ほど大変ということはなかったかな。やっぱり運営の方が大変で特に準備のところでは、相当汗かかせていただきましたよ(笑)。当日は基本的には自社のブースにいたんやけど、トラブルが起きないことを祈ってたわ(笑)。

―運営は大変だということがよくわかったけど、出展してみてどうやった?ものづくり企業がここまで一堂に会することなんで、辻岡くんがこれまで出たイベントでもないやろし、新しい発見・気づきがあったんちゃう?

これはダントツで出てよかったと思えることがあって、それは「出展企業同士の交流」やね。同じものづくり企業であっても、やってること違うし、強みも違うから、同じものを見ていても別の視点があるんよね。

例えば、林撚糸の林さんが「オーガニックの糸使って刺しゅうしたら面白いよね」って言ったのが、印象に残っていて、僕にとって刺しゅう糸は単なる糸でしかなかったので、オーガニックの糸という発想が面白かった。林さんは糸を作っている会社だからこそ出た発想だと思う。商品としてコラボするっていうのはあるけど、これは発想がコラボするって感じでめちゃくちゃ刺激になったね。

―じゃあ、次回もちゃんと出展してくれそうやね。今年の和歌山ものづくり文化祭に向けて何かチャレンジしたいことってある?

やっぱり社員に空気感をしってもらいたいね。今年は社員でブースをまわしたいかな。社員が他社との交流で刺激を得てくれればクリエイターとしての質が上がるし、本業にとって大きなメリットになるよ。
あとは、昨年度はキャラクターをトートバックにプリントするというワークショップをしたけど、もっと驚いてもらえるものをしたいと思ってる。例えば、その場でお客さんが書いたデザインがその場でプリントになる、なんてめっちゃ面白いやん。オリジナルさを出すにはどうすればいいかを考えてんねん。1年目と同じワークショップだとお客さんも面白くないと思うし、自分たちの成長のためにも新しいワークショップをやりたいね。

―最後に、ウッディーズはものづくり企業やけど、多くの人がイメージするものづくり企業じゃないし、そういう会社でも和歌山ものづくり文化祭には出ていいんよね?出ることを迷ってる会社もありそうやし、後押しする意味で一言ください!

僕は、和歌山ものづくり文化祭2022の出展企業の中では、唯一の創業社長やと思う。ものづくりはこれからでも始められるし、まったく伝統的な分野ではないということをもっと伝えたい。新たにものづくりをやりたいやつを応援したい。それがないと産業がどんどん縮小してしまう。

メイドイン和歌山は将来どれだけ残るんやろう?和歌山ものづくり文化祭から、これからものづくりしたいやつをどんどん生み出したいし、ものづくりは自由で寛容だということをもっともっと伝えたい。その発信拠点が和歌山ものづくり文化祭だと思っているから、多くの人がイメージするものづくり企業じゃなくても僕と一緒にチャレンジしてほしい。昔は職人って言ってたかもしれへんけど、今はクリエイターって言っちゃえば、少しハードル下がると思うし、ものづくりの可能性がもっと広がる気がするよね。

合同会社WAKAYAMA WOODYS
所在地 和歌山市本町4丁目38番地 本町中央ビル 1F
会社HP  https://printshop-woodys.com/

聞き手
吉田圭吾 和歌山ものづくり文化祭 事務局長
和歌山県企業振興課。2013年和歌山県入庁。入庁後は、一貫して商工行政に従事し、経済産業省での勤務も経験するなど、商工行政のスペシャリスト。実行委員長の菊ちゃんに巻き込まれ、いつの間にか事務局長に。お酒を飲んでない時が一番しゃべれるタイプ。

#体験 #ものづくり #職人 #和歌山 #工場 #Tシャツ #オープンファクトリー

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