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やべっちFC(スタジアム)を思い出し、『スーパーサッカー』(毎週日曜0時50分~TBS)を想う金メダリストへのインタビュー

『やべっちFC』(テレビ朝日)が打ち切りになるという噂が出回ると、多くのサッカー選手が番組継続を嘆願した。しかし、その声は届かず、番組は終了に。その時の選手たちの熱意を番組の顔である矢部浩之氏は『Number』に語っている。

矢部「ありがたいことですよね。サッカーファンがSNSで声を上げるのは想像ついたんですけど、現役サッカー選手から『えぇーイヤや』という声が上がったのは驚きました。特に鄭大世選手(新潟)とかスゴかったです(笑)。『矢部さん、なんとかならないですか。僕は代表になるのが夢でしたが、やべっちに出るのも夢なんで。やべっちがなくなるとサッカー人気なくなっちゃうじゃないですか』とすごくストレートに気持ちをぶつけてくれて……。他にもいろんな選手が連絡をくれて、ここまで思ってくれるんやって思うと感動しましたね」
試合後のミックスゾーン、他メディアに対しては素通りする選手がいる中、矢部さんの前では多くの選手が足を止めて、楽しそうにコミュニケーションを取っているのをよく見かけた。
矢部「あれは、ズルいわってなるよね(苦笑)」
矢部さんはそう語るが、それは別に有名人だからということではない。その現象こそが選手の矢部さんに対する気持ちの表れであり、信頼の証だった。

選手たちの『やべっちFC』へのリスペクトはどこからくる?

それを紐解くコメントがある。

「五輪で活躍して、何がしたいって聞かれたら『ジャンク(スポーツ)』(フジテレビ)に出たい、というよりも五輪で金メダルを獲ったら『ジャンク』に出られるかもしれないだったんですよね。」

金メダリストの言葉

スポーツ後進国の日本において、全国ネットのニュースコーナーで日常的にプロ野球以外が取り上げられることはほとんどない。
もちろん、視聴率と勝率のバランスが上がれば、サッカーやバレーボールの日本代表戦のようにゴールデンに進出できる。近年だとフィギュアスケート、ゴルフも同様だろう。
だが、あくまでも大会期間のみである。根幹となるリーグ戦などは数十秒の扱いだ。
そんな日本において、『ジャンクスポーツ』は唯一毎週ゴールデンタイムに一時間の枠を与えられ、スポーツ総合を取り上げている。番組の顔は、お笑いだけでなく、芸能史を変えたといっても過言ではなく、かつ今もトップを走るダウンタウンの浜田雅功氏。
道を究めている浜田氏にアスリートたちは敬意と共感を持つ。ゴールデンというブランドも浜田氏があってこそ。だからこそ、イチローも積極的に出演していた。
『情熱大陸』(TBS)でもなく、NHKでもなく、特番でもなく、「金メダルを獲ったら『ジャンクスポーツ』」という言葉に違和感はなかった。

■『やべっちFC』を終わらせない事は出来た

それが、サッカー選手たちにとっては『やべっちFC』なのだろう。
もちろん、『ジャンクスポーツ』への憧れもあるだろうが、『やべっちFC』は日曜深夜でありながらも、毎週サッカーのみを取り上げる番組だ。
現在のテレビ局とスポーツの関係性を考えれば、『やべっちFC』が続いたのは奇跡に近いのかもしれない。
『やべっちFC』はDAZNに移り『やべっちスタジアム』となった。それを盛り上げるのももちろんだが、全国ネットではないものの『スーパーサッカー』(TBS)が残っているのも忘れてはいけない。
現在のテレビ局の考え方からすると、とにかくオンタイムで『スーパーサッカー』を観ること。それも選手のサポートに繋がることを『やべっちFC』が教えてくれた。

*『やべっちFC』終了は視聴率よりも、放映権など金額の問題が大きそうだが…

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