家本政明主審に聞く「現代のスポーツ界に思うこと」

amazonベストセラーランキングで快走を続けていた『足指をまげるだけで腰痛は治る!』。その監修者であるメディカルトレーナー・夏嶋隆氏とによる弊社編集の『ロダンのポーズで肩と首の痛みが治る!』が発売された。
同著では、肩こりや首こりなど、首と肩の痛みを治す12のメソッドを公開しているが、今回は夏嶋隆氏に弟子入りし、現在、日本トップのレフェリーとして活躍する家本政明氏のインタビューを抜粋して紹介する。

■現代のスポーツ界に思うこと
夏嶋氏のもとで人体のさまざまなしくみを学んできた家本氏は、現代のスポーツ界に疑問を感じています。

「アスリートが、よく上半身の動かし方についてトレーニングすると思うのですが、亜流のやり方が多いように感じているんです。たとえば、走りに特化した人であっても、なんとなく『こういうフォームがいい』と亜流が広まっている。スポーツの専門雑誌やトレーニング本などを見ても、解剖学的なことは詳しく書かれていません。でも、クラシックバレエの本には、必ず解剖学のコーナーがあるんです。

以前、『実際にトップ選手はどうなのか』と、夏嶋先生と二人で五輪や世界陸上のゴールドメダリストたちの動作解析を行ったことがあるんです。当然、足の運び方や骨盤の位置も違うのですが、腕の振り方や肩甲骨の位置にも違いがあった。

陸上界で有名な方も、『腕というのは、肩甲骨から派生している。肩甲骨から動かすイメージの方が、結果的に全身が効率的に動く』といって仰っていました。

体の軸を固定して、手と足だけを動かして走っても、手と足は小さい筋肉の集まりですよね。その動かし方だと、手や足がオーバーヒートしてしまいます。
そうではなく、体全体の筋肉をバランスよく使わないといけないのですが、そのためには『中』の筋肉を動かさないといけない。機能として、外の筋肉が動きすぎると、中の筋肉は起きてくれません。固まってしまうんですね」

家本氏も、夏嶋氏と同じように「支える筋肉」と「動かす筋肉」を知ることの重要性を指摘します。

「今までのスポーツ界は、大きな筋肉ばかりを特化させて、パワーばかりを意識していたように思います。ゴールドメダリストたちは、力が抜けている部分と、入っている部分にメリハリが付いています。インナーマッスル系はしっかりと動いているんですけど、大きなアウターの強い筋肉というのは、そこまで邪魔をしない程度に動いているんです。

腕に関しては、肩甲骨がストレスフリーになる状況が、どの骨格ポジションなのかを、夏嶋先生と二人でトライしていましたね」


■イビチャ・オシム氏「ライオンに追われたうさぎが肉離れをしますか?体が疲れにくい正しい姿勢を学んできた家本氏は、仰々しいウォーミングアップを行いません。

「草食動物って、自然の摂理として肉食動物に襲われますよね? そこで、草食動物が『ウォーミングアップするから、ちょっと待ってくれ』とは言わないじゃないですか。本来は、姿勢はもちろん、体の動かし方を体得できていれば、ウォーミングアップは基本的にいらないかのなと私は思っています。なので、僕は可動域の確認をするという感じですね。はりやこりなど動きを制限している筋肉があれば、そこを解放するイメージです。」(続きは『ロダンのポーズで肩と首の痛みが治る!』をご覧ください)


<連載:夏嶋隆の理論>

https://www.targma.jp/fbrj/category/%e5%9d%82%e6%9c%ac%e5%ba%b7%e5%8d%9a%e5%a4%8f%e5%b6%8b%e9%9a%86/

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