見出し画像

利き手が『じゃない方』に負けた

RayArc(レイアーク)の皆さま、おつかれさまです。新規事業ユニットです!

今回は、オープン社内報としては新たな変化球です。パナソニックさまの投稿コンテストに挑戦します。お題は『思い込みが変わったこと』です。

株式会社RayArcのオープン社内報として、取り組み・思いを社内外に発信!


その日、アップルパイが食べたくなった


私の好きなケーキはアップルパイではない。
そもそも一番好きな食べ物がケーキではない。

甘いものは嫌いじゃない、むしろ好きだけど。
私は、いわゆる『スイーツ好き』ではない。

でもその日。
コーヒーのおともになにか欲しくなって。
ショーケースのアップルパイが目に留まって。
「悪くないね」って、選んだんだ。

ああ、ちなみに。
私は間違いなく、コーヒー好きのひとりだ。
どうでもいいか。


ほんのり、しみじみ、なにかを間違えた


アイスコーヒーがこぼれないよう、
気を付けて席まで運ぶ。

ディスタンスもカンペキで安心の空間。
パーソナルスペースはもともと広めだ。

アイスコーヒーにミルクだけ入れて一口。
おお、ナイフとフォークついてきた。
フォークだけじゃないのか。
アップルパイだからかな?

ナイフとフォークを両手に取って。
切って、ついでに、口まで運んで。

ほんわり、しみじみ、
「おいしいなぁ」と味わいながら。
少し遅れて『変な』感じがした。

あれ? なんだろう?
なにか、間違えた気がするぞ?


ミラーリングした、ナイフとフォーク


理由は、わりとすぐにわかった。

私の利き手にはフォークが握られていて。
利き手『じゃない方』にはナイフがあった。

ああ、間違えて取っちゃったのか。
いつもは、ナイフが利き手だもんなぁ。
あいかわらず、ポケ―っと生きてるなぁ。
まぁ、いいけど。

なるほどなぁ。そうか、納得だ。
どうりで、フォークが、使いにくい。
やっぱり利き手じゃないのは……。


ん?

……「フォークが、使いにくい?」

たしかに、そう思ったよね? 私。
ナイフより、フォークが使いにくいって。

あれれ?
一瞬、納得しかかったけど。
なんか……それ、変じゃないか?

いまフォーク持ってるの、
利き手だよ?


利き手が『じゃない方』に負けた


さいしょから目の前に、
フォーク一本だけあったら。
利き手で食べていたはず。

いま間違えてフォーク持ってるのは、
まさに、その利き手だ。

なのに。利き手なのに。

「使いにくい」

はっきりそう思った。
間違いに気づくほど、
違和感を覚えた。

私の利き手は
『じゃない方』に負けた。

ただもう片方の手に、
ナイフを握りしめてただけで。


生まれつきを『学び』が超えた日


少し落ち着いて、
脳にきちんと理解させれば。

「やはり、利き手が使いやすいな」

と、思い直していただろう。

でも、経験に育てられた私の脳は。
フォークの本来あるべき場所は、
『じゃない方』だと判定した。

ただもう片方の手に、
ナイフを握りしめてただけで。

生まれつき持っていたはずの、
利き手の優位性。

『じゃない方』からすれば
不合理で、理不尽な優位性。

状況の『学び』の積み重ねが、
ほんの一瞬でも、それを超えた。


フォーク一本、
あらためて差し出されたら。
私は、きっと迷わず、
利き手でアップルパイを食べる。

だけど、できれば、
今日のことを覚えておきたい。

『学び』は生まれつきを、
ほんの少し超える…こともある。
それは、案外すごいことだなって。

ほんのり、しみじみ。
じわじわ来たんだ。

「利き手が『じゃない方』に負けた
だから、今日はステキな日」


ああ、ちなみに。
アップルパイ、
食べてみると、おいしいね!


(新規事業ユニット・ワクワク魔人S)


さあ、ワクワクしようぜ!

この記事が参加している募集

オープン社内報

私のコーヒー時間

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?