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たとえばこんな『自己紹介』はいかが?

RayArc(レイアーク)の皆さま、おつかれさまです。新規事業ユニットです!

今回は、新規事業ユニットの前身組織の『新規開発部』で取り組んだ、ある場づくりの紹介です。どちらかというと、間奏的な小話回になります。
君は読んでもいいし、読まなくてもいい!

株式会社RayArcのオープン社内報として、取り組み・思いを社内外に発信!

『自己紹介』はもう飽きた!

あれは、2020年9月の、たぶん、きっとそれなりに暑い日のことです。

ゴメンナサイ、ちょっと嘘つきました。さすがに気候までは覚えていないです。嘘は良くないので、せめて裏を取ってみました。

意外と合ってそうです。合っていたところでプロセスが嘘なら嘘ですが…。ああでも「嘘です」と正直に明かした言葉は、嘘なのか、真なのか(哲学)。

『自己紹介』をお願いしますと、あなたは言った

昔も今も。RayArcには『組織づくりのための、部の時間』というものがあります。2020年9月にも、それがありました。時節柄、オンライン開催です。

ミッションとして、星のかなたから恭しく提示されたテーマがこれでした。

部の時間では「自己紹介」をお願い致します。
目的は部内メンバー間の理解を深めることです。

その頃、思うところあってファシリテーション武者修行をしていた(平たく言えば、毎回のファシリテーションを自分から買って出ていた)私は、天を仰ぎました。

「おおう…! なんと難しき課題を課すのか…これも試練であるか!!」

いやだ! 自己紹介なんかしない!

このテーマで、限られた時間の終わりに、
ステキなところにたどり着くには、どうしたらよいのか…

参加者一人ひとりの顔をあらためて思い浮かべ、私は悩みました。

何が困ったのか?

もう9月。「はじめまして」のタイミングでもありませんでした。参加者が「え? いまさら…?」という思いで、テーマを受け止めてしまったら? それだけで、場づくりの障壁が増えてしまいます。

皮肉な話ですが、もし部内のムードが活発でなかったら。そしてメンバーがそこに課題を感じていたとしたら。「あえて9月に自己紹介」というテーマでも、それなりに響いたのかもしれません。ニーズがあるのですから。

しかし、当時の新規開発部は、そういう肌感覚ではなかった。満点ではないにせよ、それなりの関係ができていたのです。なぜか?

それは、メンバー間の相互理解が少しでも深まるよう、8月までの場づくりの中で、前向きにジタバタしていたからなのです。(…えへん!)

たゆまぬどりょくが裏目に出たぜ!

あらためて、想像してみてください。

  • あえての定番な『自己紹介』テーマ

  • すでにある程度、関係が構築された段階のメンバーが参加者

  • それでも「つい引き込まれて参加してくれる場づくり」

…って。組み合わせると、なかなか難問ですよ!?

かくて、ファシリテーション武者修行の身の私は、途方にくれたのでした。

『する』ではなく『つくる』自己紹介への道

途方にくれたときこそ基本に忠実に。依頼の主旨をもう一度見てみました。

部の時間では「自己紹介」をお願い致します。
目的は部内メンバー間の理解を深めることです。

「ふむふむ、なるほど〜? だったらこういう感じかな?」
と、アウトプットしつつ、あれこれ検討して…。

なんなら、夢の中でも、検討し…て…

最終的に、コンセプトはこうなりました。

相互インタビューをしながら「自己紹介を完成させること」を通じて、参加者がお互いに「業務内容や、得意なことを分かり合えた!」と感じられる

「自己紹介すること」ではなく「自己紹介を完成させること」が活動目標になっています。そう、少し『ずらし』てみたのですね。

企画時のメモ
青い文字でなにか追記しています

このコンセプトは、この時点でたどり着いた私なりのひとつの最善解です。

  • 自己紹介を、一方通行に放って終わりではない

  • 形に残り、その場でしかつくれない自己紹介を『つくる』

思い描いたのは、そんな姿でした。

THE・一方通行に放って終わる自己紹介
「おれの話を聴けぇええええ!」

ほんの少しの『ずらし』で、定番に新鮮さを

最初に思い付いた『ずらし』ポイントは、自己紹介『する』ではなく『つくる』にすることでした。つまり、なにかしら形が残るワークにすること。

うむ、直感的には、オモシロそうな気がするぞ!

着想に手ごたえを感じた矢先、次の課題にぶつかりました。自己紹介を『つくる』。これ、もし言葉面だけとらえて実施すると、どうなるでしょう。

『組織づくりのための、部の時間』のはずが、完全に個人のタスクになってしまいそうです。もくもく自分の自己紹介を考えるワークを実施して。最後に発表だけして終わり、とか…。

いや、違うぞ。少なくとも今回やりたいのは、そういうことではない。
できあがるものは、まさにメンバー間の相互作用の産物であってほしい。もくもくが起点でもいいけど、その続きの展開が欲しい…。

もうちょっと、言語化、落とし込みが必要そうです。さらにアウトプットしながら、掘り下げてゆきます。

  1. 一人じゃないから気づける! ジブン再発見の紹介

  2. その場限りの特別感! ちょっとステキな自己紹介

それは、あるいは音楽のように

そうだ。ムチャでもいい。そんな自己紹介が私は欲しい!

1.ジブン再発見の自己紹介

ムチャなことほど、ひとつずつクリアします。
まず、ジブン再発見とな? だったら相互にインタビューしちゃお!

シンプルな答えですが、悪くないだろう!
クローズドにならないためのワークは、相互インタビュー的なQ&A。
これで行くことにしました。

2.ちょっとステキな自己紹介

つぎに、ちょっとステキな自己紹介を考えます。
それはつまり、参加者自身がワクワクうれしい気持ちになれる
そんな自己紹介のことです。

自己紹介をステキにやろう…と身構えると、難しいのかもしれません。そこで、もうひとつ『ずらし』てみます。たとえば…最後に紹介するのが、自分以外だったら? あるいは、全員を紹介するとしたら、どうだろう?

そもそも、みんなでつくる場です。だったら最終的にできあがるのは、自己紹介でなくてもいいよね。自己紹介を起点にして、ちょっとカッコイイ『メンバー紹介』『チーム紹介』をつくれば楽しそうじゃない?

ステキな仲間を紹介するよぉー

自己紹介もプロセスとして実施するのだから、星のかなたから賜ったミッションもきっちりクリアできるはず! うむ、よさそうだぞ!

ちょっとカッコイイ『チーム紹介』を目指す

企画中の、目詰まりとひらめきの応酬は、ある領域まで達すると急激に加速して。脳内は、にわかジェットコースターのように目まぐるしくなります。よさそうだぞと思った数秒後には、また気づいて悩み始めます。

ちょっとカッコイイ『メンバー紹介』『チーム紹介』ってナニよ?

…いや、コンセプト自体はたぶんこれでよいのです。問題の焦点は、このワークの難易度設計に移っているのです。あと一息! かなり良きところまで来ている感触があります。

参加者があまり意識せずにワークに取り組めて、かつ、ちょっとカッコイイ『メンバー紹介』『チーム紹介』が完成するような仕掛けが必要だと考えました。では、どう用意するか?

ワークシートを工夫すれば、ある程度キレイなアウトプットを保証することはできるかもしれません。でも、ただお行儀よくキレイなだけでは、『ワクワク』までは、まだ少し遠いですよね。

ふと気づけば、ワクワクがとまらない!

誰かをステキに紹介する枠組み。そして参加者それぞれが、それなりに無理なく想像できるもの。いくつか候補が思いつきましたが、私が「これかな」とたどり着いたのは、あのあまりにも有名な番組…。そう、『プロフェッショナル 仕事の流儀』です。あんな紹介がつくれないかな?

『ワクワク』のためなら、『ベタ』でかまわない、ただし…

調べてみたところ、何年か前までは番組公式で『プロフェッショナル 仕事の流儀』風のムービーをつくれるアプリがあったようでした。なるほど、やっぱり結構盛り上がるものみたい。

いわば、鉄板ネタですよね。今回やろうとしていることは、ある意味『ベタ』とも言えます。が、それはかまわない! 『ワクワク』のためなら!

残念ながら、公式アプリは、2017年12月31日をもって配信もサポートも終了していました。これを使うわけにはいきません。

ただ、仮にこのアプリが使えたとしても。
おそらく、この2020年9月の『自己紹介』の場づくりには、採用しなかったと思っています。実際、このとき「類似の役割を果たしてくれそうなツールがないかな」と探すことはしませんでした。

なぜか。あまりに完成されたものができすぎるように見えたからです。
それは単独で見ればよいことかもしれません。しかし、今回の場づくりでたどり着きたい状況、参加者に対してベストマッチではなかった。

依頼の主旨をもう一度見てみました。

部の時間では「自己紹介」をお願い致します。
目的は部内メンバー間の理解を深めることです。

それに対して、私が定めたコンセプトは、こう。

相互インタビューをしながら「自己紹介を完成させること」を通じて、参加者がお互いに「業務内容や、得意なことを分かり合えた!」と感じられる

そうですよ。自己紹介すること自体が最終目的ではないのです。
本質を見失わないためには、このツールはちょっとカッコよすぎたのです。

そして、落としどころへ

採用こそしませんでしたが、この公式ツールの解説を見ると『プロフェッショナル 仕事の流儀』らしさを構築する要素の一端が見えてきました。

当然、本家のような長い番組をつくるアプリではありません。それでも『らしさ』を感じさせるために、えり抜かれた要素にこそ、エッセンスが凝縮しているのです。

おはようございまーす!

アプリという目的に対して『プロフェッショナル 仕事の流儀』らしさがカスタマイズされている。同じように、今回の場づくりに対して『プロフェッショナル 仕事の流儀』らしさを、私なりにカスタマイズしてみればよい。

参加者の手触り感を損なわず、カッコよすぎず、でもそこはかとなく香り立つ。そんな塩梅がいい。そのためには『プロフェッショナル 仕事の流儀』らしさとはなんなのか、もう少し消化する必要があります。

さらに色々、みていきました。そして…、

この記事でまとめられている「起承転結のフォーマット」を参考に、ヌルヌル描いたヌルすぎるラフスケッチです。

「転」がそこはかとなくどうかしている

これのどこが『プロフェッショナル 仕事の流儀』やねん!

ともすれば、そんなツッコミが来そうなくらいに「私たちにとっての、いい塩梅の枠組み」になりました。いいんです。これでいい。これがいい。

この、出来損ないの4コマ漫画みたいな紙切れを握りしめて、当日のタイムテーブルや、ワークシートをゴリゴリ詰めてゆきます。

最終的には、

  • 『プロフェッショナル 仕事の流儀』風の『導入』と『締め』の言葉

  • Q&A(≒相互インタビュー≒取材)から、それをつくる

というエッセンスのみ生き残りました。完成です!

実際のワークシートは、こんなかんじ

そして、場づくりのプロセスを伝え始めた

この2020年9月の場づくりの、さらにひとつ前。
つまり8月の部会議の場で、あるメンバーからこんな声が挙がりました。

「会議の進行を私もやってみたい
 技を継承してもらう!」

それは私にとって、うれしいステキな申し出でした。
技を継承といっても、自分自身もファシリテーション武者修行の身の上。
恐れ多いことではございます。

でも、そんなこと言ったら人生は永遠に武者修行で、しかも短くて。
ファシリ道にも、実はゴールなんてなくて。恐れ知らずに至るときなんて、もしかしても、しなくても、永遠に来ないのです。

だったら、モジモジしているヒマなんかねぇ! と奮い立ちまして。
9月から、メイキング的なメタ情報を、参加者に伝え始めたのですね。

増えることはあっても、減るもんじゃないしね!

だからこそ、経過の記録や、ラフスケッチがしっかり残っていました。それが巡り巡って、つながって、今ココに、この記事があります。

ありがとう。そしてこれからもよろしく!

(新規事業ユニット・ワクワク魔人S)


さあ、ワクワクしようぜ!

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