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「唾液」には気が宿る!古来より受け継がれる箸の文化とは?【上巻】⑸ ヤマタノオロチ退治ー日本最古の歴史書『古事記』⑪ー

こんばんは。りたろです。

自らの持ち味を社会に貢献する「『和』の学級経営」を軸に発信しています。


今回は、

「日本人のための『和の国・古典文学』講座」という主題のもと

『古事記』の中にある

「ヤマタノオロチ退治」(上巻)を紐解くことで、

『和の国・日本』とは何か?を考えていきたいと思います。



「唾液」には気が宿る!古来より受け継がれる箸の文化とは?
【上巻】⑸ ヤマタノオロチ退治
ー日本最古の歴史書『古事記』⑪ー
【今日の内容】
1)
地上世界に追放されたスサノオ   
2)
「私は、天照大御神の弟だ!」  
3)「唾液」
には気が宿る
4)世界で最初に箸を使い始めた国とは?



前回の記事では、


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「天の石屋戸」のお話をしてきました。

また、

このお話から現代を生きる私たちにも活かすことができる

『困難を乗り越える知恵』とは何か?

についても書きました。


まだ、お読みになっていない方は

ぜひ、お読みいただければと思います!


今回は、

石屋戸から出てきたアマテラスによって

中つ国に追放されてしまったスサノオがどうなったのか?!

お話していきたいと思います。




1)地上世界に追放されたスサノオ



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アマテラスの御殿でスサノオが犯した数々の罪を


『天つ罪』といいます。


・あぜ道を埋める。
・用水路を破壊する。
・神聖な御殿に汚物をまき散らす。


これらすべて、『農耕を妨げる罪』です。


このことからも

この当時、農耕がいかに大切であったかが分かります。


そんな罪を犯したスサノオをそのまま許すわけにはいきません。


神々は話し合い、

スサノオに罰を与えることにします。


ひげを切り、

手足の爪をすべて抜かれてしまいました。


これは、


『祓(はらえ)』


といって犯した罪を償うために行う儀式です。


これは、古来より刑罰もかねて行われていました。




2)「私は、天照大御神の弟だ!」



そして、


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追放されたスサノオは「出雲の国」(現在の島根県)に降り立ちました。


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地上世界に降りてきたスサノオは

食べ物を求めて、

出雲にある「斐伊川(ひいがわ)」の上流を歩いていきました。


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すると、


なんと!川上から


『箸』


が流れてきました!



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昔話の物語である『桃太郎』でも

川から桃が流れてきましたが、

『古事記』では箸が流れてきます。


物語が変化していく序章です!


『箸』が流れてくるのを見て、


「上流には人が住んでいるに違いない!」


と考えたスサノオは、

どんどん上流に突き進んでいきます。


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すると、

スサノオが考えていた通り民家がありました。


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しかし、よく見ると

老夫婦が可愛らしい娘を挟んでおいおい泣いています。


老夫婦の名は

「足名椎(アシナヅチ)」「手名椎(テナヅチ)」といい

山の神の子で出雲地方を治めている神様でした。


そして、

その間にいる老夫婦の娘が

「櫛名田比売(クシナダヒメ)」という名前でした。


スサノオは不思議に思い、


「どうしてそんなに泣いているのだ?」


と尋ねると、


『話してもどうしようもないことなのでございます…』


「話してみなければ、分からないではないか。もしかしたらそなたたちの力になることができるやもしれぬ。」


『お心遣いありがとうございます。
…実は、私と妻の間にはこのクシナダを含めて、8人の娘がおりました。ですが、7人の娘はすべて食べられてしまったのです…。』


「食べられてしまうだと…。」


『はい。八俣遠呂知(ヤマタノオロチ)という化け物がこの村にくるようになり、毎年、決まった時期になると、その度に襲ってきて、娘を一人ずつ食べていってしまうのです。』


『そうして、今年はとうとう最後に残ったクシナダの晩になってしまったのです…。。。気にかけていただけるのは嬉しいのですが、相手は、最強の化け物。私たちにできる術はないのです…。』


「その化け物は、どのようなものなのだ?」



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『それはそれは恐ろしい姿をしております。
眼は赤く不気味に光り、一つの身体に八つの頭、八つの尾。
しかも、コケとかヒノキとかスギが生えているのです…。』


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「なんだ。そんなものか…。
よし、その化け物。この私が退治してくれよう。」


『それは、それは!!いくらなんでも無茶というもの。おやめください!!ヤマタノオロチは凶暴な化け物です。見ず知らずのあなた様を危険な目に合わせるわけにはいきません…!』


「ならば、クシナダ。私と結婚しよう。そうすれば、私たちは見ず知らずではなくなるであろう。」


『なんと!クシナダを!それは、ありがたいことなのですが…
恐れ入りますが、あなた様は……。』


「ああ。これは、失礼した。
私は、天照大御神の弟。スサノオノミコトと申す。
たった今。高天原から降り立ってきた。」




3)「唾液」には気が宿る



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スサノオノミコトが地上世界に降りたって

最初に目にしたものが、


川から流れてくる『箸』でした。


この当時から、『箸』を流すこと

「穢れの文化」の表われで、


他人が使った箸は使いません。

箸は流すものだったんですね。


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ご家庭でも

「お父さんの箸」

「お母さんの箸」

「自分の箸」

と決まっていますよね?


ついでに、

「お父さんの茶碗」

「お母さんのコップ」

などと決まっていませんか?


でも、

「お父さんのしょうゆ皿」とか

「お母さんの大皿」とは言わないですよね?



この違いは一体何なのでしょうか?



それは、


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「唾液」が直接つくか・つかないかのちがい


なんです!


古来より日本では、

「唾液」に触れるものに関しては使いまわしは

基本的にはしません。


「唾液」にはその人の気が宿っている


と言われているんですね。


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アマテラスとスサノオの『誓約』の時も

お互いの持ち物を噛んで唾液を含ませていましたよね!


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日本には

箸や茶碗など

他人の気が入っているものは勝手に使わない

という文化があるんです。



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他にも、


「口づけ」「キス」は、本能的に相手を識別する手段であった


と言われているんです!


世界中のどの国でも、

唾液というものはさまざまある体液の中でも

特別なものと考えられていたんですね。




4)世界で最初に箸を使い始めた国とは?



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アジアといえば、


『箸』の文化


ですよね!


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中華料理


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ベトナム料理


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タイ料理


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もちろん


和食


もです。


どこの国でも『箸』を使います。


ところで。



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『箸』を一番最初に使い始めたのはどこの国でしょうか?


一般的には、中国の方が先だと言われています。


これは、いろいろな説があり、

日本の方が先だという説もあります。

出土物を調べていくと、

中国よりも日本の方が2000年以上早かったのではないか?と。


これは、

どちらの方が『箸』文化が発達しているか?

考えていくと、分かってくることなのではないか?と思います。


例えば、中華料理


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箸も使いますが、

箸では食べることができないもの。

スプーンを使わないと食べることができないものが結構ありませんか?


ところが。


和食はどうでしょう?


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基本的に箸だけで食べませんか?



「箸の文化」は

中国よりも日本の方が圧倒的に発達していますよね?

しかも、幅が広く、奥深い。


「箸文化」

日本発祥だったのかもしれませんよね!



…………


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最恐の怪物。

ヤマタノオロチとの闘いを決意した

スサノオノミコト。


いったいどのようにして退治するのでしょうか。。。


次回の記事で、お話していきます!




日本国は、建国してから令和3年で、2681年。

『現存する世界最古の国家』です。


『古典文学』に触れると、

1000年以上もの間、

いろんな時代の日本人が

「きれいだな!」

「おもしろいな!」

「大切に伝えていきたいな!」

と感じたり、考えたりしてきたことが分かります。


国際情勢が混沌とする時代だからこそ、

まずは、大人であるわたしたちが

日本人の失いかけていた、日本人の一番大切な部分


『和の精神』


を取り戻して、一人一人が輝く。

大人が輝けば、子供が輝く。

子供が輝けば日本国の未来も輝く。



一緒に、『和の国・日本国』を楽しく学びましょう!




最後まで、お読みいただきありがとうございました。




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