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日本国の文化の根底の物語『古事記』とは何か?ー日本最古の歴史書『古事記』①ー

こんにちは。りたろです。

自らの持ち味を社会に貢献する「『和』の学級経営」を軸に発信しています。


これまでに、

「先生のための『和の国・日本国』講座」という主題のもと、

祝日や国旗、国歌、食、ものづくり、憲法などなど…

私たちの生活と結びつく様々な視点から

「日本国とは何か?」

について考えてきました。

(まだ、ご覧になっていない方は、ぜひご一読ください。。。)



今回からは、

「日本人のための『和の国・古典文学』講座」という主題のもと、

わたしたちの国の「古典文学」という視点からも

「日本国とは何か?」

について考えていきたいと思います。


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はじめの一歩として、

日本国の文化の根底にある物語であり、

「日本人」

「日本という国の起源」について触れることができる

日本最古の歴史書『古事記』から

日本人が大切にしてきた『大和心』や『和の精神』を紐解き、

日本人が失いかけていた

日本人の一番大切な「軸」を取り戻すきっかけになればと

願っています。



日本人の文化の根底にある物語『古事記』とは何か?
ー日本最古の歴史書『古事記』①ー
【今日の内容】

1)なぜ今、『古事記』なのか?
2)日本最古の歴史書『古事記』とは?
3)「神話」をなぜ学ぶのか?



1)なぜ今、『古事記』なのか?



世界は今、混乱の時代を迎えています。


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アメリカ大統領選挙


アメリカ大統領選挙の結果が混迷となっていて

アメリカ国内の分断が危惧されていて

世界の情勢が今後不安定になることが予想されています。


さらに、


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新型コロナウィルス


2020年は、

感染症の猛威により、

今までの生活様式を大きく変える決断に迫られた年でした。

そして、現在も続いています。

今後、この感染症がどのような影響を及ぼしてくるのか。


最近では、

ヨーロッパやアメリカで第三波が押し寄せ、

国によっては年封鎖を再び実行したものもあります。


とにかく、不安が絶えない時代だからこそ、


日本人が再び、日本のことに目を向ける。


そのようないい機会が訪れているようにも思えます。


戦後の日本では、

国際社会の中で

国外ばかりに目を向けてきたように思いますが、


やはり、

国際人として通用する人というのは、

自分たちの生まれ育った国のことをよく理解し、

そしてそのことを話すことができる人。

だと思うのです。


しかし、戦後の日本はそのようなものではありませんでした。



ある調査があります。


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日本が建国された日を知っている日本人は2割未満-。
若手経営者らでつくる日本青年会議所(日本JC)が11日の建国記念の日を前に、建国に関する意識調査を行ったところ、そんな結果が出た。国内在住の外国人は中国で100%、米国やカナダで9割超が「自国の建国・独立の日」を正しく答えており、日本人の建国に対する意識の低さが鮮明に浮かび上がった。

【出典】建国の日「知っている」は2割未満、米国・中国は9割超 「自国誇り」の日本人は7割
https://www.sankei.com/life/news/150211/lif1502110026-n1.html



「日本国が建国したのはいつでしょうか?」


「日本国は誰がどのように建国しましたか?」




あなたは

答えることができるでしょうか。


他の国を見ると、

どこの国も当たり前のように自分の国のことをよく知っています。


ですが、日本国は約2割にとどまっています。

ほとんどだれも答えることはできません。


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歴史の授業は小学校から行われます。

教科書では、

先土器時代に始まり、縄文時代、弥生時代、古墳時代…と

切れ目なく日本国のことを学習しているように思えます。


しかし、

こと「日本国の建国」について尋ねられると

急に答えることができなくなってしまう。


これは、何も学生の頭が悪いからとか

勉強していないからという理由ではありません。


「教科書に書いていない」から


なんです。


誰も義務教育段階でも学校で教えてこなかったんです。


これにも、理由があります。


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戦後、GHQの6年8カ月の占領政策の中で、

「プレスコード(情報統制)」という

メディア統制を行いました。


そして、通常の情報統制ではなく、

「教科書検閲」というものも行い、


・天皇に関する用語
・愛国心につながる用語
・日本国の神話の起源や楠木正成のような英雄及び
 道義的人物としての皇族のお話
・神道や祭祀、神社に関する言及    などなど…


一切のものが教科書から削除され、

「日本国の建国」については

全く教科書に書くことができなくなってしましました。


簡単に言うと、

①日本人の誇りを教えてはいけない。

②神話を教えてはいけない。

ということなんです。


『誰が』『どのような想い』で国を建てたのかが

全く語られない教科書がつくり上げられ、


驚くことに、

それが占領を解除された後も

その傾向はそのまま現代までつながることになってしまったんです。



皆さん、思い出してみてください。


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日本国の歴史は中学までは必ず「必修」で行っていますよね。


「歴史の教科書」を読んで感動した人はいますか?


なんて私たちはいい国に生まれたんだ!と。

先人たちは本当に努力してこの国を護ってくれたんだ!と。

感動して目頭が熱くなった人はいるでしょうか?


おそらく「いない」と思います。


なぜなら、


「そのように思うことができる個所はすべて削除されたから」


です。


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日本国は、

2021年で、建国してから「2681年」です。


このように長い間国家を営んでいると、


いいことも悪いことも

誇れることも誇れないことも

いろいろあります。


そのすべてを堂々と教えることが大切だと思うのです。


国の歴史の中の「光と影」その両面を教えることで

子どもたちは、

いいところはさらに伸ばしていこう!

悪いところは繰り返さないようにしていこう!

と思うことができますよね?


本来「歴史教育」とは

そのように「光と影」の両面を教えてこそ

本質に迫ることができると思うのですが、


残念ながら、今の「歴史教育」は

日本のことを肯定する記述がなく、

日本は間違っていた。悪いことをしたという記述ばかり。

特に、近代になってくるほど鮮明に表れています。


混沌とする国際社会だからこそ、

まずは、

自分の国の正しい「歴史」を学び、

「自分はすてきな国に生まれたんだ!」と自信を持ち、

「自分はこの国のために何ができるだろう?」と自ら考え、

「軸」を据えることが大切ではないか?と思います。


そして、

「日本人のルーツって?」

「日本人とは何か?」

「天皇とは何か?」

「わたしたちの根本とは何か?」

「日本国はどのようにできたのか?」

「日本国は誰が、どのような想いで建国したのか?」

このすべての問いに答えることできる書物。


それが、


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『古事記』


なのです。




2)日本最古の歴史書『古事記』とは?



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『古事記』
今から約1300年前。
奈良時代
につくられた「日本最古の歴史書」です。


『古事記』のまえにもなにか文書があったのかもしれませんが、

今は伝わっていません。

そのため、現存するわが国最古の文書と言われています。



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『古事記』は、「上巻」「中巻」「下巻」で構成されています。


『古事記』の冒頭に前書きのようなものがあり、

『古事記』が書かれた経緯が書かれています。


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そこには、

第40代・天武天皇の発案で

「天皇の系譜」や「神話」「歴史的事実」


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稗田阿礼(ひえだのあれい)

当時は、ビデオなどありませんから、

日本中のあちこちの神話を頭で暗記し、習い覚えました。


その後、

天武天皇が亡くなってしまい、事業は一度中断されましたが、


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第43代・元明天皇の時代に


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太安万侶(おおのやすまろ)が記録し、

『古事記』が完成したと書かれています。

編纂されてから完成までに30年かかってできたわけですね。


3巻のうち、


「上巻」は、『天地創造から初代・神武天皇の誕生まで』(神代の物語)
「中巻」
は、『初代・神武天皇から第15代・応神天皇まで』(神と人の代の物語)
「下巻」
は、『第16代・仁徳天皇から第33代・推古天皇まで』(人の代の物語)


について書かれています。



ここで少し整理します。

歴史の学習の中で、

『古事記』とともに登場するのが『日本書紀』と言われるものです。

合わせて「記紀神話」とも呼ばれています。


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『日本書紀』も同時代に編纂され、完成までに39年かかり、

『古事記』完成の8年後に完成しました。


『日本書紀』は、

2020年で完成してから1300年という

節目の年でした。


『古事記』も『日本書紀』も国家が編纂していますが、

つくられた目的がそれぞれ違います。


まず、


『日本書紀』は、中国(国外)向けにつくられました。
中国人に読ませるためにつくられたのです。日本国は、このころ、朝鮮半島や中国大陸と密接に付き合っていました。
そのため、日本の歴史を明確に書いて、海外に示す必要があったわけです。


一方で、


『古事記』日本人向けにつくられました。
日本人に向けて発信するものですから、民族の気持ちが入っています。
「日本というのはこういう国なんだ!こういう精神なんだ!こういうものを大切にしているんだ!」という民族の気持ちです。


そのため、

「歴史」を紐解くときは、『日本書紀』。

「日本人の価値観や文化」を紐解くときは『古事記』。

をそれぞれ読んでいくと見えてくるのです。




3)「神話」をなぜ学ぶのか?



『古事記』には、「神話」が書かれていますが、


「神話」と聞くと、


「嘘でしょ?」とか

「そんなの読んで何の意味があるの?」とか

思われた方もいるのではないでしょうか?


しかし、

欧米をはじめ、イスラム文化圏で、

聖書を冒瀆することによって問題が起こっていますよね?


なぜ、「神話」は大切なのでしょうか?


それは、

物事の理は、最後は「神」にたどり着いてしまうからです。


例えば、


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「人は、どうして死ぬの?」


「人は、どうして生まれるの?」


これをとことん突き詰めることができますか?

実は、世界にはまだまだ分かっていないことが山ほどあり、

「遺伝子は誰が書き込むのか?」などということは、

誰にも分からないんですね。


でも、

「神話」には書かれています。

「人はなぜ生まれるのか?」

「人はなぜ死ぬのか?」

『古事記』には書かれているんですよ。


「神話」というのは、

たしかにフィクションが書かれている部分もあるかもしれません。


でも、

「神話」には、それを超越したもの。

最後には答えを出してくれているのです。


「神話」は3つのことを担保しています。


⑴ 自然観
 人間を取り巻く「大自然」をどのように捉えるか?
⑵ 死生観
 「人生」というものをどのように捉えるか?
⑶ 歴史観
 「建国の経緯」や「精神性」をどのように捉えるか?


です。


「神話」を知ることで、

万物を大切にし、大自然の恵みをいただきながら

「生かされている」という日本人特有の感覚や、

目上の人を敬い、

周囲との協調関係の中で自分があることを

一人一人が自覚しながら生きてきたこと。


どのように日本国が生まれ、

国家を見る座標軸をどのように捉えるのか?

が見えてくるのです。



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なぜ、大震災の時に究極の状況の中でも

日本人は譲り合い、規律を守り、助け合うことができるのか?


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なぜ、敗戦により荒廃し、一時期世界最貧国にまで落ち込んだ国が

世界第2位の経済大国にまで一気に成長することができたのか?


『大和心』


『和の精神』


すべての答えは、


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『古事記』


を紐解くことで触れることができます。



前置きがかなり長くなりましたが、

次回の記事から、

『古事記』について学んでいきましょう!!




日本国は、建国してから令和3年で、2681年。

『現存する世界最古の国家』です。


『古典文学』に触れると、

1000年以上もの間、

いろんな時代の日本人が

「きれいだな!」

「おもしろいな!」

「大切に伝えていきたいな!」

と感じたり、考えたりしてきたことが分かります。


国際情勢が混沌とする時代だからこそ、

まずは、大人であるわたしたちが

日本人の失いかけていた、日本人の一番大切な部分


『和の精神』


を取り戻して、一人一人が輝く。

大人が輝けば、子供が輝く。

子供が輝けば日本国の未来も輝く。


一緒に、『和の国・日本国』を楽しく学びましょう!



最後まで、お読みいただきありがとうございました。



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