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RPA2.0による新しい未来を目指して(前編)

こんにちは、バーチャレクス・コンサルティングのykです。

今回も、前回に続いて「RPA」について書いていきます。
前回は、RPAを通じて働き方の「質」を上げたいと考えている方向けに、改めてRPAとはどういうツールなのかや、RPAを導入するにあたってRPA化しやすい作業はどのようなものなのか等をお伝えしました。
今回からは、RPAの拡張活用や、RPAを中心とした「DX(デジタルトランスフォーメーション)」について3回にわたって触れていきたいと思います。
※前回の【知識ゼロでわかる】RPA化しやすい作業とは?はこちらから

はじめに、ここ数年においてRPAという言葉は一般化され、多くの人が認知する言葉になったことは、間違いないでしょう。日々マスメディアを通した情報発信を通して、その効果の実例を説明した記事を頻繁に拝見するようになりました。
しかし、その大部分は「RPA1.0」と呼ばれる、バックオフィスの業務が基盤となっている既存の定型作業をRPA化するものとなっています。

最近では、この「RPA1.0」の概念を超えるものとして、より積極的な利用法が注目されており、ステレオタイプ的な作業を自動化するのではなく、AIやOCR等の新しい技術との連携を行うことによる、非定型作業を素材とした自動化する活用例・成功例も少ないながら耳にするようになり、「RPA2.0(class2)」という言葉で表現され始めました。
当ブログではDX時代の流行として押さえる必要がある「RPA2.0」を中心とした新しいスキームに関する解説記事となっています。

DXの方向性を端的に示す一例が「サブスクリプションビジネス」


改めてDXについて確認をすると、DXとはFacebookやAmazonのように、先進テクノロジー及びデータをあらゆる角度から利用することで、今までにないビジネス機会を生み出すための"ビジネスモデルの変革"と言えます。このようなビジネスモデル変革の一例として、近年RPAと同様話題になっている、サブスクリプションモデルが注目を集めています。昨今、多くの業種において、その収益モデルとしてサブスクリプションモデルへの移行が進んでいますが、これはただの一時的な「流行」ではなく、多くの企業が徐々に、そして確実にDXを進めていることの証であると考えます。またRPAが内部的な作業に対してロボットを用いるという点で革新的なものなのに対して、サブスクリプションビジネスは外的なサービスに対して、共有という手段を通して手ごろさを提供する意味で新時代的サービスと言えます。

サブスクリプションサービスの隆盛については、「モノ」よりも「コト」を求める人々の価値観の変化があげられます。
「モノ」を所有することで満足を得る時代におけるこれまでのビジネスの主流は、「売り切り完結型」でした。企業を起点として、製品そのものを価値とし、「マルチチャネル」に一義的には対応するものの単独での利用に限られ、一方的な価値提供を軸として商品展開されていました。(言い換えれば、企業の価値観のみが重視された自己満足型と書いたとしても極論とは言えないでしょう。)
これに対し、「サブスクリプション型」ビジネスは、全く異なるビジネスモデルとなります。最適な体験を顧客に届けるため、「顧客を起点」に「サービスありき」で、「オムニチャネル」に「双方向型」で展開する必要があり、個客第一主義における個別対応が成功のカギとなります。
この転換は、今後のビジネス存続の明暗を分けるカギを握るものであり、この流れに乗り遅れると企業が消費者に逆選別される危険性が生じる可能性が大いに考えられます。

図2_note_#17


「サブスクリプション」と聞くと、一見ソフトウェアなどのSaaS系サービスのような専門性の高いサービスを考える方も多いかもしれません。しかし最近では、どのような、そして一般的なサービスにおきても、サブスクリプション型のサービスが多く見られるようになってきています。 例えば、音楽配信サービスや映像配信サービス、自動車を購入するのではなく月額制で利用できるシェアカーサービス、洋服やバッグなどのファッションや食品、ゲームなど多岐に渡る分野でサブスクリプションサービスが提供されています。

DX時代にRPAやAIが注目される理由とは


IT・デジタルを適切に活用し、自社のビジネスの在り方を変革するというデジタルトランスフォーメーションのことを「DX」という言葉が用いられ、トレンドワードとなっています。
DXを推進する上で大切なことは、今までよりも遥かに膨大なトランザクション・データと向き合う必要があり、技術革新が求められます。現在データ関連における技術革新は、指数対数的な速度で進んでおり、その流れに乗って「RPA」や「AI」への期待が高まっています。
また、社会的に希求される理由としては、恒常的に発生している人手不足が原因として挙げられます。日本の生産労働人口は減少しており、今後においても増加は見込めない見込みとなっています。代替手段としてのRPAやAIの活躍は緊急的な課題として求められているのが現状です。

RPAの現在地

2018年に発表されたTransparency Market Researchの調査によると、2020年の世界RPA市場規模は約50億ドル(約5.500億円)に到達すると予定されており、また矢野経済研究所が発表したレポートによれば、2022年度の国内RPA市場規模は2017年度比で約4.5倍となる800億円超まで拡大するという予測が報告されています。またRPAは、その進化の過程において3段階で発展していくと言われており、それに応じて自動化対象となる業務も拡がります。現在最も多く作成れているRPAロボットは、既存の単純なルーティン業務を自動化する目的で作成されており、「RPA1.0」として分類できます。一例で言いますと、Excelマクロのような自動化作業をExcelに限定することなく、多様なシステムやPC操作において実現できるようになったという概念になります。

図3_note_#17


そして現在地としては、「RPA2.0」の入り口に到達した状況と考えられています。定義としては、画像などの非構造化データの読み取りやデータ解析等の定型作業・業務以上を超えた業務での自動化への取り組みも進んでいます。「RPA2.0」の更なる発展に向けて大切なことは、RPA単体ではなく、他のテクノロジー技術との接続を前提とした、「掛け算」的な発想が大事になります。

RPAを「パソコンを操作する身体(手・足)を代替する機能」と考えた場合、手足などの身体的な機能だけでなく、脳や耳・目・口などの感覚的な機能も必須となります。それぞれ機械学習としての「AI」が脳の代わりとなり、「OCR(光学的文字認識技術)」を使うことで目の機能を補い、そして「Chatbot(チャットボット)」が口や耳を補完するものとして、人間の代替を満たすものとして利用されていきます。

図4_note_#17

例えば、RPAと「目」の機能として利用するOCRを連携することで、読み取り作業、帳票の仕分け、システムへのアップロードといった業務をイメージスキャナの活用で、シームレスにロボット化することが可能です。OCR技術の発達から、今までは困難と考えられていた手書きの帳票や、FAXなども問題なく読み取ることができます。

それに加えて「口・耳」として機能するChatbotと連携することで、社内外で発生する多岐に渡る自動回答、自動受付、ユーザーからの情報登録・照会フローの自動化、BPOセンターでの自動受注など、これまで有人で対応していた業務の24/365運用が可能になり、コスト削減や生産性向上にもつなげることができます。

このように、RPA1.0から2.0への進化においては、各テクノロジーの特性に基づいた使い方を判断し、RPAと連携させることで効果を最大化させていくことが大きな鍵となっていきます。


おわりに


今回は、RPAの拡張活用や、RPAを中心とした「DX(デジタルトランスフォーメーション)」についての1本目として、DXとサブスクリプションビジネスの関係性、また、DX時代に突入した現在にRPAやAIが注目される背景や、RPAが3つの段階を経て発展していくこと等についてお伝えしてきました。
次回は、「RPA2.0」をより具体的に、RPAを中心とし様々なソリューションを連携することで実現できるDXについて、書いていきたいと思います。

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