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【知識ゼロでわかる】RPA化しやすい作業とは?

こんにちは、バーチャレクス・コンサルティングのykです。

今回は、昨今のIT/デジタル化による業務効率化・自動化で注目度が増している「RPA」についての内容です。これからRPAを導入したい方、現在RPAを導入済みの方、導入はしたが運用に困っている方、一度止めてしまったが再度導入をしたいと考えている方など、RPAを通じて働き方の質を向上させたいと考えている方向けに書かせていただきます。

少子高齢化や団塊世代の退職等、労働者不足による人手不足の問題は、大企業ではまだ顕在化してないですが、中小企業では深刻な問題として日々、現場レベルにおいて聞かれるようになってきました。

大企業も決して対岸の火事ではなく近い将来、同じ問題に悩まされるのは明確です。各種調査において、労働者人口の減少は、指数対数的な伸びを経て推移していくと見られており、労働力人口の減少から派生する人手不足は人件費負担の増加と反比例し、これからも常態化していくものと思われます。人員確保の難しさから、早朝・深夜営業の廃止、営業時間の短縮に踏み切るお店もサービス業や製造業を中心に増えていくでしょう。

2020年はコロナという大きな世紀レベルに発展してしまった問題も加わり、労働という考え方も大きな転換点を迎えています。先史以来、改革と言われる大きな変化は、危機を乗り越える為の手段として生み出されてきました。人類はこれらの問題を危機と考えるだけでなく、人と労働の考え方を改める大きなチャンスと考えるべきでしょう。

昨今話題となっている「RPA」「ChatBot」「AI」などは、その労働という考え方を変える「新しい労働力」として注目を集めています。

1. RPA、Bots、AIについて正確に理解する

■RPA(Robotic Process Automation:ロボティックプロセスオートメーション)とは 
人間がPC上で行っている作業を模倣することにより、人間の代替となる労働力としてルーティン作業を実施するツールとなります。
具体的にはシステムの立ち上げ・各種条件によるデータのインプット・データ上でのコピーや値の取得、計算などの加工作業。そして対象システムへのアップロード・メール送信等があります。

■Bots(Chatbot)
対人間のコミュニケーションをプログラムを通じ複数の選択肢から会話や行動をシミュレートしていくツールとなります。主にコールセンター等における顧客の問い合わせ対応において活用され、人間よりも満足度調査で高い結果を得るなど、既に大きな効果が発揮されています。

■AI(人工知能)
ビッグデータを根拠にコンピュータ自体が検証・研究・勉強を行い、人工的な脳を作り出すことで知的作業や判断を行っていく。AIの発展にはコンピュータ自体の処理速度の向上・大規模なデータの蓄積が必要な為、停滞した時代もありましたが、それらの条件の進化とともに急進的な発展を遂げています。人工知能は将棋や囲碁のプロを完全に打ち負かすほどに成長し、実務上における人工知能を使った事例では、自動運転や購買分析と予測などが挙げられます。

この3つの中で労働力を補うものとして、活躍が期待されているのが「RPA」になります。Botsは使うことができる業種や業態が限られてしまい、AIは実用に耐えるためには比較的大規模な環境構築を実施しなければならず、費用対効果という点でまだまだ発展途上と言えます。

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RPAはBotsと比べると即応性に乏しくAIと比べ判断という概念は劣ります。
しかしRPAは他の2つ比べ、手軽に導入でき、早い段階から効果を“時間”という概念で実感することが可能です。Aという作業をRPA化することで1000時間業務を削減できた。Bという作業をRPAに任せることで、担当人員を別の創造的な作業に従事させることが可能になった。などわかりやすい結果を求めることができます。
それはRPAが人間よりも早く、正確にキーボード操作やマウスクリック等を行い、定型作業を苦にせず(ロボットに心がないことが原因なのは若干皮肉ですが・・・)24時間代行作業させることができるという特徴が寄与し
てくれるものと考えられます。

RPAがさらに他と比べて優れているのは、従来であれば高度な技術を必要とするプログラミングを不要とし、直感的なGUI操作で作業をソフト化することができるため、現場の実務者による作業をそのまま実施することで、
定型化することができます。
例えば、あるブラウザを立ち上げ、ボタンをクリックしてダウンロード、名前を付けて保存をして別のファイルと結合する。このような作業をそのまま実施するだけで、RPAはその作業を記録し、何回繰り返しても昼夜問わず同じように再現することが可能です。
今までであれば、属人化された業務の効率化・定型化を目的としたITシステムの構築には、ユーザー部門へ作成するIT部門への手順書の提供、詳細なヒアリングを行った上で、フローを可視化し、要件定義を行い設計書を作成してからプログラミングを行うという工程が必須でしたが、RPAでは、実際の処理を現場主導で構築することができるメリットを生かし、工程の簡略化と同時進行を可能にすることができます。その点でRPAは究極のアジャイル開発と言えます。

コストを抑えた開発は損益分岐点を下げ、導入リスクを軽減することが可能です。その結果として業務内容にかかわらず高いレベルでの費用対効果を生み出すことが可能となります。
このような点がRPAの大きな強みとして評価され、業種・業態を問わず積極的な活用が図られています。


2.RPA導入にあたっての考察

それではRPAのメリットを理解した上で、導入を決定した場合、どういった点に注意して運用していけばよいのかを考えていきましょう。次の3点がポイントとなります。

■属人化された手順の可視化
RPAは作業を予測したり、自動的に改善したりするものではありません。そういった独創性がない代わりに、人間の作業を忠実に模倣してくれるツールです。模倣の為には整理された手順とそれを可視化したドキュメントが
必要となります。RPA化するしないにかかわらず、属人化からの決別を図るためには今一度手作業の業務や改善したい業務の見える化をしていきましょう。

■RPAに適しているかどうかを見極める
全ての業務がRPAにふさわしいわけではありません。業務プロセス改革の最有力ツールではありますが、得意・不得意は存在するため、作成してから気づくのではなく作成する前に判断をしていかなければなりません

【筆者が考えるRPA化しやすい作業】
・繰り返しが発生する
・定型業務である
・イレギュラー要素が少ない
上記は一例ですが代表的なRPAの得意分野となります。これからRPA化しようと思っている業務がこのような条件に合っているか考慮した上で、RPA化する優先順位を決め、少ない作成工数で多くの時間削減という結果を導けるよう取り組んでいきましょう。

■全社的なプロジェクトとして展開していく
RPA化の導入に際しては、コンプライアンス部門へのロボット導入への理解(管理者権限の付与やパスワードの取り扱いなどがあります)、システム部門が管理するツールとの連携など様々な部門との横断的な協力体制が必須となります。
また異なる部門でも、類似する作業は必ずあり、フローをRPAでテンプレート化することでより効率的にRPAで効果を出すことが可能になります。業務の種類で分断化せずに作業の“型”に注目してRPA導入を進めていきましょう。

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3.まとめ

導入にも書きましたように、人手不足やそれにともなう人件費の増大は予想という段階を超え、必ず起こる、そしてもう起きているものと考えて過言ではありません。逃れることのできない企業が存続していくための、大きな
課題と考え取り組んでいかなければなりません。
業務プロセス改革の一環としてRPAのようなツールを使っていくことは、人間を退屈でストレスを伴うような業務からの解放を生み出すことが可能です。また作業時間を多く削減することができる一方、万能ではないことから、RPAの特徴を踏まえ、導入の可否を判別する人間の理解も必要となります。
その為には単にRPAを導入すると同時に、働き方改革のソリューションの一環と考え、BPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)の視点を持った人物を育成していくことも、重要な課題であると考えられます。
「なぜこれをRPAでやる必要があるのだろうか」「RPA以外に最適な方法があるのではないか」「RPA化する際はフローを変えた方が構築しやすいのではないか」こういった俯瞰の視点で考えていくことは人間の仕事であり
RPA推進の肝となっていきます。

RPAの推進にお役立ち頂けるよう、今後も発信していきたいと思います。
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バーチャレクスでは、業務効率化・高度化に向けたDX支援を行っています。RPAの有効活用や、DXの具体的な推進方法など、課題やお悩みなどありましたら、お気軽にお問合せください。
https://bit.ly/2S5XrOf

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