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RPA2.0による新しい未来を目指して【中編】

こんにちは、バーチャレクス・コンサルティングのykです。

前回より、DX時代の流行として押さえる必要がある、RPAを中心として周辺ソリューションとの組み合わせによる「RPA2.0」の世界観について、3部作でご紹介をしています。
前回は、DXとサブスクリプションビジネスの関係性、また、DX時代に突入した現在にRPAやAIが注目される背景や、RPAが3つの段階を経て発展していくこと等についてお伝えしてきました。
今回は、「RPA2.0」をより具体的に、RPAを中心とし様々なソリューションを連携することで実現できるDXについて、書いていきたいと思います。
※前回記事「RPA2.0による新しい未来を目指して【前編】」はこちらから

RPA2.0実現への架け橋「RPA とOCR(AI-OCR)の連携」

「RPA2.0」を実現するための第一歩は、「RPA とOCR(AI-OCR)の連携による業務の自動化」といえるでしょう。そこで、RPAとOCR(AI-OCR)の連携が何をもたらすか、より具体的な例を考えていくために、再度定義から考えていきましょう。

・RPA→「手や足(作業・処理」
・OCR(AI-OCR)→「目(視認)」

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と定義し、連携することでどんな「掛け算」ができるかを考えていきます。
従来の連携されてないフォーマットでは、メール添付やWebでベースで取得した「データベースの帳票」であれ、FAXや書類などのいわゆる「紙ベースの帳票」であっても、それぞれ個別に対応していく必要がありました。デジタルで取得したデータであっても、システムにインプットするならCSVやjsonファイルなどへの形式への変換作業が生じることになります。また、紙ベースの帳票については、それ以前として、スキャナを使った画像データ化、補正、形式の整理等の作業をいずれも「人力」で行う必要がありました。

上記に記載した作業を一気通貫で行うことができるのが、「RPAとOCR(AI-OCR)連携」のメリットといえます。具体的には、まずOCR(AI-OCR)が帳票のフォーマット、発行企業体、商品コードといった帳票ごとの違いを自動認識し、仕分けを実施します。次に、OCR(AI-OCR)の持つ高度な画像認識機能によって、画像データから文字情報を取得・抽出します。取得した文字情報は、RPAによって自動的に登録される、という仕組みです。ちなみに、RPA側では、登録されるデータに対する「検証(数値の合致確認)」や「人間の目視確認を指示する証跡」といった役割も担います。

上記の説明からわかるように、OCR(AI-OCR)単独での業務自動化は困難です。同様にRPA単独の場合でも同じことが言えます。結局両者がシームレスに連携することで結びつくことで、「認識」「判別」「抽出」「登録」という一連の業務が自動化され、シナジー効果を生み出していきます。

なお、バーチャレクスでも、OCRとして以下3製品を取り扱っています。

・AI inside(AIインサイド)社の「DX Suite」(ディーエックススイート)
・ABBYY(アビー)社の「FlexiCapture」(フレキシィキャプチャ)
・Panasonic(パナソニック)社の「帳票OCR」

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それぞれの特徴についても下記に記します。

・日本語による手書きの定型帳票が中心...「DX Suite」
・デジタル文字による準/非定型帳票を複数パターン使用...「FlexiCapture」
・とにかく手軽に素早くOCRを導入したい...「帳票OCR」

3製品のうち帳票OCRを除く2製品は、AIを支える技術のひとつ「ディープラーニング(深層学習)」を利用することができるのが大きな特徴です。但しまだ発展途上ということもあり、どちらの製品も読み取り精度100%を約束するものではありせん。
OCRの文字の識別精度は、AIとの融合でここ数年の間で急成長を遂げているのは言うまでもありません。しかしながら、現時点では人間が読み取れない文字を全て判読させることは現実的なソリューションではありません。したがって、しばらくの間は人間が持っている判断能力とOCR(AI-OCR)の各種機能をうまく融合させながら、その精度において100%を目指していく、という方法が現実的だといえるでしょう。

活用例から見るRPA×AI-OCRの効果


そのような制約があることを認識した上で、RPAとOCR(AI-OCR)の連携を有効に活用した実例を一例、紹介いたします。
弊社のお客様である某医療機器メーカー様では、RPAとAI-OCRの導入により、シームレスな形での業務自動化に成功し、その結果、以下のような効果が確認できています。

●導入前「26名体制で人件費は約760万円/月」⇒導入後「15名体制で人件費は約570万円/月」

上記にあるように11名の人員と月間190万円の人件費削減効果を生み出すことに成功しました。RPA×AI-OCR利用の経費として月60万円のコストが発生しますが、差し引きで年間約1500万円の人件費削減に成功したというわけです。たとえ精度100%のAI-OCRでなかったとしても、一定の導入効果を見込めることが証明されています。

おわりに


AI-OCRは一般的なOCRと違い機械学習をする点において、すでに持っているロジックの範囲内で決められたパターンでしか識別しないOCRよりも識字率を高めることに成功しました。、単純にどれだけ高精度に読み取れるかを基準にOCRが進化してきたのに対し、異なるアプローチで識字率を高めたという点で、大きな進歩であると言えます。性能の進化ではなく、アプローチの進化です。それは先進的な取り組みだけではなく、従来型の業務においても大きな戦力になります。
たとえば、FAXを受け取りスキャンするという作業は、いわゆるアナログと言われる作業です。紙ベースでの帳票運用における最もボトルネックな部分と言うことができるでしょう。このようなボトルネック部分において、AI-OCRを活用することで、さらなる効果が見込めるでしょう。
しかし、当然の話になりますが、RPAやAI-OCRというのは問題解決の為の数ある手段の内の1つの道具でしかありません。言い換えるなら目的に到達する為の「手段」です。そのため、状況によっては、ツール導入ありきで検討するだけではなく、そもそも紙帳票をなくすなど、様々なアプローチ方法を検討していくことが必要であると考えます。

次回は、今回紹介したRPA×「口・耳」として機能するChatbotについてのより詳細な考察と、より高度な技術として今注目されている「AI(Natural Language Generation=NLG【自然言語生成】)」をご紹介し、RPA「2.0」をより推進するテクノロジーについてご紹介します記載いたします。

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バーチャレクスでは、業務効率化・高度化に向けたDX支援を行っています。RPAやAI-OCR、チャットボット等の有効活用や、DXの具体的な推進方法など、課題やお悩みなどありましたらお気軽にお問合せください。
https://bit.ly/2S5XrOf

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