剥き出しの愛にマスクを着ける
私は小学校の教師をしている。
現在、マスクの着用が自由意志となり、学校でもマスクを外している子の姿が、ちらほらと見られるようになった。
*
思えば、突然「マスクを着けなさい。」と大人たちから洗脳のように言われた子どもたち。
暑い夏の日にもよく我慢してマスクをしていたものだ。偉すぎる。
マスクが汗ぐっしょりになって透けている子もいて可哀想だった。
和気あいあいと給食を食べる日常も奪われ、友だちの本当の顔も卒業まで分からなかったと言う子もいるそうだ。
「静かに食べなさい!」「マスクを外しません!」と注意せざるを得ない私も心苦しかった。
マスク着用を強制しなくて良くなり心から嬉しく感じる。
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子どもたちがマスクを外しやすいように、私もマスクを外さないといけないかな…?
と悩んだ。
でも、私は4月からもマスクを着けようと思っている。
勿論、感染症対策もある。
ただ、それ以外にも理由があって。
それは「”教師”を演じやすい。」から。
仕事柄、意図的に感情を操る必要がある。
自分の本意ではなくとも、叱らないといけない場面も出てくる。
しかし私は、感情が表情に出やすいので、
マスクが無ければバレてしまうところだった。
あなたが愛おしくて思わず微笑んでしまったこと。
マスクを仮面にして、私は教師という自分を演じている。
子どもたちにもマスクを外すことは強要しないつもりだ。
私と同じように、マスクをしている事で安心する子もいると思うから。
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