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はなむけの言葉に救われる朝

毎朝、仕事へ行く前に見る物がある。
玄関に置いた造花とメッセージ。
前任校を出る時に同僚の先生方にいただいた物だ。
メッセージには一言、
『○○先生頑張ってください。』
と書いてある。

転勤したばかりの昨年度は辛いことの連続で。
涙で腫れた目を冷やす朝。
行きたくないと心の中で唱える朝。
ドアノブを握ったまま動けない朝。
そんな朝も玄関のメッセージを見て、『頑張らんといかん。』と自分に喝を入れ、仕事へ行った。



小学校2年生の時、転校した時のこと。
人見知りな私。
お友だちが中々できず、学校に行きたくなくて毎朝のように泣いた。
でも、前の学校で貰った沢山の手紙を読んで何とか学校に行くことができた。
「また遊ぼうね。」
「ずっと友だちだよ。」
「新しい学校でもがんばってね。」
友だちがくれた言葉たちが背中を押してくれたのだ。
『私には味方がいるんだ。ひとりじゃない。
大丈夫。大丈夫。』
何度も読み返して、自分に言い聞かせた。



転校してしまう子と過ごす最後の日。
「新しい学校でも頑張ってね!」
と皆で言って笑顔で送り出した。
ビデオレターと手紙、クラスのみんなからの寄せ書きを渡した。

はなむけの言葉に救われる朝がある。
貴方が、不安な朝も乗り越えられますように、踏ん張れますように。
そんな願いを込めて贈った。
寄せ書き読んで、ビデオで皆のお顔見て、
『離れていても自分を応援してくれている人がいる。』
って思ってくれたらいいな。
一歩踏み出せたらいいな。

貴方なら大丈夫。頑張ってね。

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