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2度目の別れ

「嫌いじゃないよ。」
その言葉で、もう彼の中に私への気持ちが無いことを突きつけられた。

以前の彼だったら、ストレートに
「好きだよ。」
と言ってくれたはずだから。
そういう人だった。
真っ直ぐに好意を伝えてくれる人。
嘘がつけない、可愛らしい人。
その素直さを愛おしく思っていた。

そんな彼に、
「私の中にはまだ残っているよ。」
とは言えなかった。

彼は昨日、
「2人で行こうね。」
と約束していたLIVEに、違う人と行っていたらしい。
『今ならまだやり直せるのでは。』
という淡い期待も溶けて消えた。
「大好きだったから、連絡できて良かった。」
それでやり取りを終えた。
大好きも無理やり過去形にした。本当は現在進行形だけど。
2度目の別れだ。そして、これが本当のお別れ。

別れる前、私が仕事で鬱状態になり、彼のことを振り回した。
何度も自己嫌悪に陥り、「もう仕事やめる!こんな私じゃ、あなたと不釣り合いだから別れる!」と癇癪を起こす私に、耐えられなかったのだろう。
「力になれなくてごめん。」
と別れを告げられた。

別れた直後は、彼を詰りたかった。
「なぜ、病んでいる私を捨てるの?あなたの気持ちってそんなものだったの?」
と。

今は、彼に甘えすぎていたと反省している。
恋人といえど他人。
言うことがコロコロ変わり、感情もジェットコースターのような私といるのは辛かったろう。
もっと上手くやれる方法はなかったのかな、と思う日々。あの時、違う道を選んでおけば彼の隣にまだいられたのかな。

ままならないね、人生。

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