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CO2排出量抑制に向けてユーズド、リユースという回答。ハイブランド商品の環境負荷削減貢献量を可視化する「ALLU」表参道店がオープン

先週の土曜日、2月5日にバリュエンスホールディングスのブランド古着・中古ブランド品を扱うユーズドヴィンテージショップ『ALLU』の表参道店がオープンしました。

弊グループの中でも、ハイブランドのアイテムや一点もののヴィンテージなどに特化している『ALLU』は、2016年にオープンした銀座店を皮切りに、大阪・心斎橋に2号店を出店。表参道店は3店舗目の出店となります。

このニュースは、なんとあのWWDさんにも取り上げていただきました。

バリュエンスにとっても画期的な『ALLU』表参道店がオープン

この表参道店、ただの3店舗目とは訳が違います。

銀座、心斎橋に続いて日本の中でも特別な空気感を持つ表参道という地にオープンした大切な店舗ということもありますが、この店舗オープンを機に、これまでになかった取り組みを始めたことが、私にとって何よりエポックメイキングな出店となりました。

その新たな取り組みとは、『なんぼや』をはじめ、いま全社を挙げて最重要課題に掲げている「サステイナブル=持続可能な」社会をつくるための施策です。

表参道店オープンと同時に、『ALLU』のブランドコンセプトを

「物を物語に」

とし、中古ブランド品を売るユーズド・ヴィンテージショップから、モノの価値を次世代に語り繋ぎ、一品一品のアイテムが持つ“価値”の語り手となる「Brand Storyteller」へと生まれ変わります。

いまや企業努力としてカーボンオフセット、環境負荷の軽減にコミットすることはもはや企業の「責任」といってもいい状況になっています。

バリュエンスでも当然こうした取り組みを増やしていますが、私が実感として感じているのが、世の中を変えるためにはサステイナブルな取り組みをいかに押しつけがましくなく、スマートに世の中に浸透させていくかということです。

浴槽2万1450杯分の水!環境負荷の削減量を可視化する

ALLU表参道店の商品タグには、商品名や価格の他にあまり見慣れない表示があります。

これこそが今回の出店の肝であり、私の考える“サステイナブル推進計画”の第一歩でもあるのです。

それが、「環境負荷削減効果のスコア」表示です。

CO2……植林4377本分
水……200リットルの浴槽2万1450杯分

これなんだかわかりますか?

あくまでも一例ですが、時計の王様、ROLEXのあるモデルのリユースした際に(リユースによって新品製造を抑制したと仮定)、削減に貢献できるCO2排出量と水使用量を算出したスコアです。

リユース、リサイクル、エコ、言葉はさまざまですが、自分たちの生活や消費活動が環境にどれだけ負荷をかけているかを実感することってほとんどありませんよね。

環境負荷削減貢献量を示すタグの一例。食品のカロリー表示のように、この数値を気にして買い物をしてくれる人が増えたら地球の環境は昨日よりよくなるはず

エコじゃない可能性があるエコバックとライフサイクルアセスメント

コンビニやスーパーでビニール袋有料化が始まって、みなさんこぞってエコバックを購入したと思います。これ、意識を高めるという意味ではとてもいい試みだと思うのですが、レジ袋より頑丈なポリエステル製のエコバックを新しく購入してレジ袋の代わりに使うことが果たしてどれだけ環境に優しいのかという問題もあります。

ある調査では、紙袋は11回、ポリエステルのエコバックは35回、環境に良さそうなオーガニックコットン製のエコバックは実に2400回! 使わないと、レジ袋を使い捨てたときの環境負荷より低く抑えることができないというデータもあります。

結局正解は、「レジ袋を何回も使う」だったりするのですが、環境負荷を可視化する、実感するというのはなかなか難しいことなのがこの例からもよくわかるでしょう。

レジ袋とエコバックの環境負荷比較には、LCA(ライフサイクルアセスメント)という手法が使われています。『ALLU』でも独自のライフサイクルアセスメントツールを導入し、製品の環境負荷削減貢献スコアを算出しています。

世界に向けた発信、表参道店がフラッグシップストアである理由

『ALLU』にはヴィンテージモノや一点モノの商品も多く、環境負荷も意識した上で貴重なモノをつないでいくというメッセージも込めています。

2050年までに温室効果ガスの排出を実質0にするカーボンニュートラルが世界的なテーマになっていますが、私たちの活動によって生み出されるCO2の累積総排出量とそれに対する世界平均地上気温は、ほぼ比例関係にあるということが発表されました。このままでは世界の平均気温は上昇を続け、気候変動などの問題が深刻化するといわれています。

新しい商品を一から製造したり販売のために輸送したりするのに比べ、廃棄せずに再利用することで環境負荷を減らすことにつながるということを1人でも多くの方に知っていただきたい。

『ALLU』表参道店の船出は、多くの人が「その買い物がただ自分の欲望を満たすためのものになっていないか」を改めて見つめ直し、日々目にする商品の値付けにも、品質と価格のバランスが崩れている、たとえば「驚くほど安い」とはどういうことなのかを意識した上で、商品を選ぶようなきっかけになればと思っています。

知らず知らずのうちに環境破壊に加担してしまっていないか? 自分が「欲しい」というだけで、過剰に環境に負荷をかけ、必ずしも必要ではない資源を新たに浪費していないか?

共感いただけるお客さまとともに、よりよい未来をつくる。

私には『ALLU』表参道店が、バリュエンスホールディングスが世界に発信するグローバルフラッグシップストアになっていく確信があります。


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