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最近買った本

 この間、高校時代の友人と梅田に集まって忘年会をしてきました。バイト等を除けば、家族以外の人間と会うのは実に三週間ぶりで、やはり定期的に人とあっておかないといけないなあと思いました。高校の時からの付き合いなので、本音で話し合えるのがいいですね。焼肉の後に行ったカラオケでも、お互い遠慮することなく、マイナー/メジャーの別を問わずとにかく自分の歌いたい曲を歌い、下手でも全然OKという雰囲気だったので、非常にやりやすかったです。こういうカラオケが一番楽しいと思いました。大学の人とも早くこういう気の置けない関係を気づけたらなあと思う次第です。

 ところで、私は梅田に来るときはたいてい本屋に寄るのですが、今回も例にもれず、集合時間より少し早めに来て書店に寄ることにしました。というのも、地元の書店だと自分の欲しい本が置いていないことが多いので(自分の需要がニッチすぎるだけかもしれませんが……)、来る機会を見つけてはまとめ買いしているという感じです。通販で買ってもいいんですけど、やはり実物を見て買いたいというのと、本屋という場所が楽しいというのがあるので、本に関しては店頭で買う派です。それ以外のものだと通販で買うことの方が多かったりもするんですけどね。
 梅田にある書店だと、私は主にLUCUAにある蔦屋書店か阪急の紀伊国屋、あるいは少し離れた茶屋町の方にある丸善ジュンク堂の三つを利用しているのですが、今回は紀伊国屋に行くことにしました。私はJRを使って梅田に来ることがほとんどなので、蔦屋で買えそうなら蔦屋で、なかったら紀伊国屋、それでもなかったらジュンク堂……みたいに使い分けています。ちょうど距離と品揃えが比例しているので、遠くなるほど置いている本の種類も増えるといった感じですね。

 さて、今回買った本が以下になります。

※『批評理論入門』のみ書店ではなく通販で買ったものなのですが、最近買った本ということで一緒に紹介することにしました。

 一つずつ紹介していきましょう。

1,小説家の休暇

 まずは日本の本から紹介します。今回買った本は海外の文学作品がほとんどで、唯一これが日本のものになります。これは、三島由紀夫の評論集で、「太宰について書いている部分がある」ということをネットで見かけて購入しました。この記事を書いている時点ですでにある程度読んでいるのですが、太宰に関する記述は割と序盤の方にありました。以前読んだ「私の遍歴時代」という随筆にも太宰に言及した箇所(かの有名な「僕は太宰さんの文学が嫌いです」と本人に面と向かって言ったというエピソードに関する話)があったのですが、いずれも三島の太宰観を知るうえで貴重な資料です。
 それ以外にも、この評論集には、彼の音楽に対する考え方など、自分が今まで考えもしなかったような見方が多く提示されており、なるほどなあと思わせられることが多いです。機会があれば、いずれ記事で取り上げてみようかと思います。

2,夏の夜の夢・あらし

 これはシェイクスピアですね。前者に関しては、新潮文庫だと「夏の夜の夢」というタイトルになっていますが、「真夏の夜の夢」という名前でも知られています。というか、実際こっちのほうが有名なのではないかと思います。松任谷由実にも同名の曲があったりしますからね。
 これはゲーテの「ファウスト」を読んだ影響で買いました。というのも、第一部の間狂言に「ワルプルギスの夜の夢 あるいはオーベロンとティターニアの金婚式」という、この作品を踏まえたものがあり、原典を知りたいと思ったからです。ほかの作品で引用されていたことをきっかけにその作品に興味を持つ、というのは私の場合は結構多く、以前チェーホフに関する考察みたいなのを書きましたが、チェーホフを読んだのも太宰が自著に頻繁にその名前を出していて、それで興味が湧いたのがきっかけです。
 後者の「あらし」については、もともと読む予定はなかった(というかそもそも知らなかった)のですが、せっかく一緒に収録されているので、読んでみようと思います。一体どんな話なんだろう……。

3,ゲーテ詩集

 これはもともと買うつもりはなかったのですが、「若きウェルテルの悩み」「ファウスト」というゲーテの二大作品を読んだのだし、どうせならほかの作品も読んでみたいと思って急遽購入しました。もう一つの理由として、詩に対する興味があったというのもあります。というのも、小説を書くにあたって、特に文章表現に関して詩が大いに参考になるのではないかと思ったからです。詩集を買うのはこれが初めてなので、どんなものかとても楽しみです。
 余談ですが、この本の写真を撮るとき、表紙の絵の顔をカメラが認識して、絵でも顔認識されるんだなあと思いました。

4,ドルジェル伯の舞踏会

 これはフランスの若くして亡くなった小説家レイモン・ラディゲの代表作です。これは三島由紀夫「ラディゲの死」を読んだことがきっかけです。予備知識がほとんどないので、どんな話なのかは全く知りませんが、三島がたびたびこの作品について言及しているので、これを読めば三島の言っていることが若干理解しやすくなるのではないかなと思っています。

5,肉体の悪魔

 これもラディゲですね。購入の動機は「ドルジェル伯の舞踏会」と同じなので省略させていただきます。ちなみに、店頭に置いてあったラディゲの作品はこの二作のみでした。やはりこの二つが主要作品といったところなのでしょうか。それとも新潮文庫から出ているものがこの二つだけなのでしょうか。

おまけ 批評理論入門

 これは通販(Amazon)で買ったものなのですが、「最近買った本」には違いないので、一緒に紹介することにしました。これは、文芸批評を学ぶ目的で買ったものです。文芸批評に興味を持ったのも、小説を書く上で知っておいたほうがいいかもしれないと思ったからで、執筆に直接役立つというわけではないけれども、小説というものをより深く知る上では有用だと思って買いました。
 これも余談になるのですが、個人的に中公新書のデザイン、かなり気に入っています。落ち着いた品のある色味がいいですよね。新書にふさわしい装丁だと思っています。

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 ――以上が最近買った本になりますが、如何せん未読の本がかなり溜まっており(所謂「積読」ってやつですね)、それらと並行して読んでいくことになるので、これらを全て読み切るのはかなり先のことになるかと思います。もしかしたら読んだ感想などをいずれ投稿するかもしれませんので、その時はぜひ読んでいただけるとありがたいです。

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