ヴィジュアル博士のる

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ヴィジュアル博士のる

■ライブイベントMCをしたり、ライブレポートを書いたり、インタビューをしたり。◼︎ここではイベント出演バンドを中心にヴィジュアル系の話をします。◼︎バンド・関係者の皆様へ、お仕事の依頼お待ちしてます。twitter:vr_noru

最近の記事

ヴィジュアル系における白塗り文化について 〜その4:中世ヨーロッパ〜

白塗り文化の起源について、西洋伝統の部分はヴィジュアル系においては絶対に外せない要素の一つでしょう。 一部では耽美系と呼ばれる、とことんまで美を追求する中世ヨーロッパの装いを模した絢爛な装い。 そこに見られる白塗りは、前述のピエロやコープスペイントのそれとは異なり、純粋に美と富の象徴として肌を白くするもの。その辺りが起源であることは明白でしょう。 今回は耽美でゴシックな世界の話をします♰ 元来、キリスト教の教えの元では化粧=悪、という考え方でした。 女性を飾り立てるものは堕

    • ヴィジュアル系における白塗り文化について 〜その3:歌舞伎〜

      その1,その2ではピエロ、コープスペイントと海外由来の白塗りについて考察してきましたが、その3では日本発祥という所に目を向けたいと思います。 日本の白塗りといえば歌舞伎。顔を白く塗りたくり、派手なメイクを施し舞台に立ち、キャラクターを演じる。 ここだけ聞くとヴィジュアル系バンドのライブのことを言っているようにも聞こえます。 即ちヴィジュアル系の白塗りの元祖は歌舞伎なんじゃないか?と思わされてもおかしくないでしょう。今回はその辺りの話をします。 そもそも、日本には古くから高貴

      • ヴィジュアル系における白塗り文化について 〜その2:コープスペイント〜

        その1ではピエロ(バンドではない)のメイクからの流れの白塗りの話をしましたが、もう一つの白塗りの起源はコープスペイントからの流れが強い、と推測します。 こちらは何十年も前から音楽シーン、とりわけブラックメタルやエクストリームメタルの界隈で一般的だった見せ方で、 白い肌に黒い隈取、バンドによってはそこに血糊や白黒以外の色味も組み合わせ、悪魔や死体などの邪悪や不敬なニュアンスを視覚的に表したものであり、残虐性のイメージを強めるものとなっています。 ヴィジュアル系は昔からメタルと

        • ヴィジュアル系における白塗り文化について 〜その1:ピエロ〜

          Twitter(現:X)で見かけた、ヴィジュアル系における白塗り文化の源流を辿る話について。 化粧をすることがシーンにいるアイデンティティの一つであるヴィジュアル系の中で、通常の女性用の化粧の度合いから更に逸脱し、ドーランなどで皮膚の肌色の部分を真っ白に塗りたくる、通称「白塗り」。 今やヴィジュアル系内のサブジャンルの系統を問わず一般的になってきているこの化粧の手法ですが、その白塗りに込められた意味や理由、動機については千差万別。 そんな白塗りは何故、どのようにして、どうい

        ヴィジュアル系における白塗り文化について 〜その4:中世ヨーロッパ〜

          都会の夕暮れ/ノベルティ

          本日ご紹介の音源はこちら。 名古屋の新生、ノベルティによる5曲入りの配信EP。 2月に初ライブを迎えたばかりだが、音源としては既に2作目となります。 Vo.沢尻優さんのご好意で聴かせていただきました。 https://linkco.re/A7se2NEQ?lang=ja 1.「urban dusk」 バイエルのような軽やかなピアノの音から、無機質な打ち込みサウンドへ。けれどふんわりとした柔らかい雰囲気は、正に無機物の集まりである"都会"と仄かに切なさを感じる"夕暮れ"を表現

          都会の夕暮れ/ノベルティ

          東京アジテーション5/gaizao

          本日ご紹介の音源はこちら。 都内を中心に活動する、Vo.江戸川長一郎氏のソロプロジェクトgaizao。 代名詞とも言えるタイトルが冠された作品として通算5作目となる本作は、豪華パッケージの特装盤、シンプルな装丁の玄人盤、配信限定の電脳盤の3タイプにてリリース。 1.「ガムテープ」 辛辣すぎる言葉とタイトルでもある「ガムテープ」の連呼。のっけから飛び道具で攻めてきたなと思わされつつも、エモーショナルなメロディーが耳に残る。 ホーンセクションでアダルティな雰囲気に染めつつも終始

          東京アジテーション5/gaizao

          「遺作。」/即ち性。

          本日ご紹介の音源はこちら。 2月に解体した病葉〜わくらば〜のボーカル、翼氏が以前に組んでいたバンド、即ち性。の残された楽曲2曲をゲストアーティストを迎え、ここへ来て待望の音源化。 翼さんのご好意で聴かせていただきました。 1.「桜月」 ジャンル分けとしてはレトロ系、昭和歌謡系に属するであろうメランコリーさ、哀愁が全面に押し出されたミドルテンポの楽曲。 特筆すべきは男女のツインボーカル。翼氏のヴィジュアル系らしい歌唱に、幸子氏のふんわりとしたハイトーンが被さることにより、独特

          「遺作。」/即ち性。

          如月ノ雨/曖ノ音

          本日ご紹介の音源はこちら。 ヴィジュアル系シンガーソングライター、叭紅氏によるソロプロジェクト「曖ノ音(あのね)」による2ndEP。 "雨"をキーワードにした楽曲3曲、4バージョンを収録。 1.「如月ノ雨」 掻き鳴らされるギターの音が耳に飛び込む、優しさの中にもほんのりと暖かさを感じるような楽曲。得意の切なさに加え優しさも見え隠れし、暖かさを持ったままエモーショナルに盛り上がる後半は思わず目頭が熱くなる。 ピアノの鍵盤の音がまるで雨音のように儚い彩りを見せてくれる一曲。

          如月ノ雨/曖ノ音

          0.1gの誤算とヴィジュアルシーンについて(そんな大層な話ではない)

          先日テレビにて放送された「ジロジロ有吉」にて特集が組まれた、バンギャルの生態。 ヴィジュアル系バンドではなく、そのファンであるバンギャルに焦点を当てた、「何故そっちなんだろう」感は正直あったのだが、ここで焦点が当てられたのはバンギャル全体…というわけではなく、特定のバンドのファンのことだった。 そのバンドが、「0.1gの誤算」。 現代の多様化しすぎているような気もしないでもないヴィジュアル系のフィールドの中で、特異とも言える存在の彼ら。 彼らに対してうまく言語化できなかっ

          0.1gの誤算とヴィジュアルシーンについて(そんな大層な話ではない)

          オムニバスCD第2弾「NO VISUAL, NO LIFE〜IDIOSYNCRASY〜」の制作を終えて。

          僕が監修を務めさせていただいたオムニバスCD「NO VISUAL, NO LIFE〜IDIOSYNCRASY〜」、昨日10月1日に無事リリースすることができました。 通販や店頭でご購入いただいた方はもう聴いていただけたのかなと思います。 是非twitter等でのご感想お待ちしております。 まだの方は是非以下から。 https://norunoru.thebase.in 思えば2年前、色々なヴィジュアル系やヴィジュアル系に関連する音楽を聴き漁るうちに、 「ヴィジュアル系バン

          オムニバスCD第2弾「NO VISUAL, NO LIFE〜IDIOSYNCRASY〜」の制作を終えて。

          地方のヴィジュアル系バンド2022【中四国編】

          東京や大阪、名古屋といった日本の主要都市から離れ、所謂"地方"を拠点に活動しているヴィジュアル系バンド。 そんな"地方"にて活動しているヴィジュアル系バンド(ヴィジュアル系と親和性の高いバンドも含めております)を記事にまとめた記事の5地方目。今回は西日本のキーとなる地方である中国・四国地方のバンドたちです。 【Z CLEAR】Vo.AKIRA Gt.みやこ Gt.トミー・ソウマ Ba.こーいち https://twitter.com/Z_C_OFFICIAL 2018年結

          地方のヴィジュアル系バンド2022【中四国編】

          地方のヴィジュアル系バンド2022【北関東編】

          東京や大阪、名古屋といった日本の主要都市から離れ、所謂"地方"を拠点に活動しているヴィジュアル系バンド。 そんな"地方"にて活動しているヴィジュアル系バンドを記事にまとめて早4地方目、今回は首都圏からほんの少し離れた関東地方群馬・栃木・茨城の3県、所謂"北関東"が拠点のバンドたちです。 ともすれば上京や、ライブの度に都内に出ることで都内バンドの括りにも比較的容易に入ることのできる北関東バンド。 それを敢えて地元を選んで活動を続ける、その地元愛も音楽から感じられる!? 【愚裸

          地方のヴィジュアル系バンド2022【北関東編】

          地方のヴィジュアル系バンド2022【北陸・甲信越編】

          東京や大阪、名古屋といった日本の主要都市から離れ、所謂"地方"を拠点に活動しているヴィジュアル系バンド。 地元の活性化のため、ひいてはヴィジュアルシーン全体の活性化のため、必要不可欠な"地元バンド"という存在を、インターネットの普及により遠方の情報も容易に手に入れることができるようになった今、是非追いかけていただきたくここにご紹介します。 第3弾は新潟、長野、金沢、石川、福井といった北陸・甲信越です。個人的にも熱いバンドが集まっています。 【ARMADEA】 Vo.一稀-カ

          地方のヴィジュアル系バンド2022【北陸・甲信越編】

          地方のヴィジュアル系バンド2022【東北編】

          東京や大阪、名古屋といった日本の主要都市から離れ、所謂"地方"を拠点に活動しているヴィジュアル系バンド。 地元の活性化のため、ひいてはヴィジュアルシーン全体の活性化のため、必要不可欠な"地元バンド"という存在を、インターネットの普及により遠方の情報も容易に手に入れることができるようになった今、是非追いかけていただきたくここにご紹介します。 昨日の北海道に引き続き本日は青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島の6県にまたがる東北地方のバンドを掲載。是非お楽しみください。 【LIQU

          地方のヴィジュアル系バンド2022【東北編】

          地方のヴィジュアル系バンド2022【北海道編】

          みなさんこんにちは。ヴィジュアル博士のるです。 noteの更新は約半年ぶり。文章を書くことからしばし遠ざかってしまっており、これではいけない、と勢いで筆を取りました(パソコンなのでキーボードですけど)。 そんな久々の記事は、"地方のヴィジュアル系バンドについて"です。 きっかけはとあるバンドの、「地方のバンドが減っている」という発言。 確かに自分がまだ若かった頃、ヴィジュアル系バンドのイベントツアーのスケジュールを見ると、地方のイベントには必ずといっていいほど"地元枠"とい

          地方のヴィジュアル系バンド2022【北海道編】

          2021年。

          今日で2021年も終わりですね。皆さん1年の最後の日、いかがお過ごしでしょうか。 個人的には、今年はかつてないぐらいの怒涛の一年になりました。 プライベートでは2度ほど大きめの病気をし、その反面人生で一、二を争うぐらい嬉しいできこともあり、行き着く暇もないぐらいあっという間に駆け足で日々が過ぎて行った気がします。 とりあえず無事新年を迎えられそうでホッとしています。 ヴィジュアル系的な話では、やっぱり今年はオムニバスCDを作ることに尽力した一年だったと思います、 CD1枚