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半沢直樹、岡崎慎司、イブラヒモビッチに共通の思考術

本日は、「半沢直樹、岡崎慎司、イブラヒモビッチに共通の思考術」についてです。
今回は、ちょっと冒険的な取り組みのをしようと思います。
それは、ドラマの登場人物とスポーツ選手の共通点から日常生活や仕事に役立つTipsを導き出す試みです。

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。

本日はドラマや小説と優勝請負人、昇格請負人と呼ばれるアスリートを結びつけた実験的な回です

まず、ドラマについては、7月から毎週日曜日夜9時からTBSで放送されている、半沢直樹を取り上げようと思います。

そして、スポーツ選手については、サッカー日本代表の岡崎慎司選手と、元スウェーデン代表のイブラヒモビッチ選手を取り上げます。

3人共、性格、雰囲気、仕事へのスタンスは一見異なりますが、どんな環境でも必ず成果を出し続けています。

半沢直樹ですが、東京セントラル証券に出向になり、親会社の圧力や横槍に屈せずに成果を出すことに成功しました。
岡崎慎司選手ですが、プレミアリーグのレスター、スペイン2部のウエスカで優勝に導く立役者になりました。
イブラヒモビッチ選手は、チームメンバー衝突は耐えないですが、所属したチームでタイトルをもたらす優勝請負人と呼ばれる活躍をし続けています。

本日の放送は、どのような環境でも成果を出し続けることができる、この3名に焦点を当てて、共通する思考法について考えていきたいと思います。

何故、人々は半沢直樹に惹きつけられるのか?

皆さん、半沢直樹ってご存知でしょうか?
・現在、TBS系列で、毎週日曜日夜9時に放送されているドラマです。。
2013年の第一弾では、最終回の視聴率が40%を超えた人気シリーズです。

今回は、主に7月19日の第1話〜8月9日の第4話での半沢直樹の言葉や働き方を中心に、掘り下げていきたいと思います。

まず、ざっくりあらすじを言いますと、
メガバンクからグループ会社の証券会社に出向してしまった「半沢直樹」が主人公のドラマです。

就任早々、大手IT企業のM&A(企業買収)のアドバイザー契約の商談を行いますが、親会社である銀行の、横槍で、この商談自体が横取りされてしまいます。

最終的には、敵対的買収をされてしまう側とアドバイザー契約を結び、親会社である銀行に真っ向勝負をしかけました。

銀行の資金力にものを言わせた攻勢 や 様々な罠や工作に対しても半沢直樹は屈せず顧客の持っている資産や知恵で対抗します。

そして、見事、敵対的買収を防ぐことに成功します。

具体的な買収予防策とかについて触れるとネタバレになってしまうので、この放送ではざっくりのあらすじに留めます。

で、何が面白くて、多くの人を魅了するのかなというと、こんな感じなのかなと。

まず、よく言われるのが、勧善懲悪すなわち善を勧め、悪を懲らしめるという枠組みで物語が展開している、そして二項対立が明確である。
例えば、「親会社である銀行 対 子会社である証券」「ITの老舗企業 対 新興ベンチャー」「資金力 対 知恵で立ち向かう」
この対比構造がくっきりしていることかなと。

そして、半沢直樹が筋を通して、敵に立ち向かうので感情移入しやすいのかなと。

なかなか仕事をしているとしがらみに左右されて筋を通したくても通せない、それを半沢直樹は通しているので、多くの視聴者が半沢直樹に惹かれるのだと思います。

また、このドラマでは、半沢直樹の仕事に対する姿勢が、視聴者の共感を呼びます。半沢直樹は自分の信念を曲げない、正しいと思ったことをやり通します。

例えばですが、このロスジェネの逆襲では、半沢直樹は自分の仕事の流儀を部下である森山に説いています。

・正しいことを正しいと言えること
・世間の常識と組織の常識が一致していること
・ひたむきで誠実に働いた者がきちんと評価される。

そんな当たり前のことさえ、いまの組織はできていない
全ての働く人は、自分を必要とされる場所にいて、そこで活躍するのが一番幸せなんだ。会社の大小なんて関係がない。知名度も。オレたちが追求すべきは看板じゃなく、中味だ。

そして、部下たちにこのような言葉を残し叱咤激励をします。

どうかこれからは胸を張って、プライドを持って、お客様のために働いてほしい。たとえ相手が銀行でも遠慮することはない。君たち世代の逆襲を...いや、君たちの「倍返し」を、私は心から期待してる。

ちょっと脱線するのですが、半沢直樹は、無意識でありながらもマーケティングの3C(カスタマー、カンパニー、コンペティター)というフレームワークを無意識に実践しているなと思いました。

・カスタマーすなわち 顧客が何ができるか、何を求めているか?
・カンパニーすなわち自社はそれに対して何が提供できるか、
・コンペティター すなわち競合はどういう策を出すかを見た上で最善の策を出すといったかんじです。

これが実践できるから、どこでも成果を出せるんだろうなと思いました。

こんな、半沢直樹ですが、私が一番印象に残った言葉はこちらです。
それは、原作のロスジェネの逆襲の最終章で、「中野渡頭取」が言ったこの言葉です。

どんな場所であっても、大銀行の看板を失っても輝く人材が本物である

この言葉がとても印象に残りました。
で、これを体現している、アスリートって誰かなーと思った時に冒頭で述べた岡崎慎司選手とイブラヒモビッチ選手です。

次のチャプターからは岡崎慎司選手、イブラヒモビッチ選手について触れていこうと思います。

岡崎慎司選手のレスターやウエスカでの優勝を掘り下げ

まず岡崎慎司選手の経歴についてです。
2015-2016年のプレミアリーグの優勝チームのレスターでは2トップの1角を担ったり、昨シーズンのスペイン2部リーグのウエスカでも優勝に導きチームの年間MVPにも輝きます。今シーズンは世界最高峰のスペインリーグ1部で戦います。

このようなキャリアを誇る選手ですが、もの凄い才能に溢れていたわけではありません。キャリアをスタートした清水エスパルスでは、フォワードが8人いるなかで8番目の選手でした。

また、決して足も速くない、体格的にも恵まれないなかでも、ひたすら努力を積み重ねます。
限られた出場時間で結果を出していき徐々に頭角を表していきました。

そして、清水エスパルスでの活躍が認められ、そこからはステップアップします。ドイツのシュツットガルトへ移籍→その後マインツでストライカーで2桁得点→その実績が認められ、レスターに移籍、シーズン一年目にチームが優勝します。

当時のチームの年俸総額はプレミアリーグで20チーム中17位、残留争いが予想されていました。優勝オッズ5,001倍という評判を覆しての優勝なので、とても快挙と言えます。
これは、ネッシー発見の501倍や、2017年より前に宇宙人が見つかることに対する1001倍をはるかに上回っています。

ですので、本当に、前代未聞で奇跡であるとイングランドでは受け止められました。

この時に何を考え、何を思ったのかを掘り下げたいと思い、レスター優勝に至るまでの一年間をまとめた書籍「未到 奇跡の一年」を読んでみました。

岡崎選手ですが、レスター移籍当初はストライカーとして期待を受けるも、周りには、ジェイミーバーディーやマフレズといったテクニックやフィジカルに優れた選手がおり、その選手がゴールを量産していき、徐々に遠慮をしてしまいます。

岡崎選手も当時を振り返り「自分の役割を限定してしまった。自分がヴァーディーのサポートに徹して守備で奔走しようと」思ってしまったようです。

そして序盤は適用にとても苦労したことが、書籍からも伺えます。

ただ、少しずつ、チームの居場所を確保するために、自分のプレースタイルや要望を周りにの選手に伝えて、理解をしてもらおうとアピールを続けます。

そして、自分なりの居場所をレスターでも確保していきました。

岡崎選手は圧倒的な運動量が武器です。
ただ、この武器を活かしますが、「献身性」や「泥臭いプレー」で評価を受けるということに甘んじているわけではありません。
その評価だけでは、代替されてしまうと危機感を持って、練習や試合に臨んでいます。

大事なのは、自分が、積極的にスプリントをを繰り返すチームが円滑に回る、その結果として自分にもチャンスが生まれる。で、セカンドストライカーとしてゴールをしてなんぼであるということです。

このように岡崎選手は、自分がどう振る舞えばよいか、自分はどういうことが求められているかを把握しながらも、その意味を理解して、更にプラスアルファの価値を見出そうと模索していました。

なので、チームのために献身しつつも、フォワードとして貪欲にゴールに向かう、なので、ここぞという時にゴールを決められるんだろうなと。
で、彼のこういう努力はチームメイトも見ているのでチームにも好循環がうまれるんだろうなと思いました。

また、未到にある「監督を信用しすぎないという」節もとても印象的でした。

僕には監督に対するスタンスがある。
良くも悪くも監督を信用しすぎないということだ。
例えばこの試合のようにスタメンをはずられたとき選ばれない原因は自分にもあるのに、監督を信用しすぎていると「裏切られた」という気持ちが強くなり、監督のせいにしてしまう。それでは自分の成長につながらない。
起用されない理由については、自分自身が毎日のように考えているし、起用してもらうためには何をしなければならないのかも考えている。

このように、監督や他者の意見はもちろん聴きますが、自分の中で危機感を持ち、周りの状況を見つつ、自分はどうあるべきかそれを必死に模索しているから、結果を出し続けられて、チームに良い流れを生み出せるんだろうなと思います。

欧州5大リーグのどこのチームでもタイトルを獲得するイブラヒモビッチの凄さ

続いてイブラヒモビッチ選手についてです。
1981年生まれの38歳の元スウェーデン代表のフォワードです。

様々なチームに在籍しますが、優勝請負人と呼ばれ、どこのチームでも活躍してリーグ戦の優勝に導いています。

アヤックスで2回、ユベントスでは2連覇、インテルでは3連覇、バルセロナで1回、ミランでは1回、パリ・サンジェルマンでは4連覇に貢献。
マンチェスターユナイテッドではリーグ戦の優勝はできなかったのですが、UEFAヨーロッパリーグでは優勝に導いています。

在籍すると、必ず優勝に導いているといっていいと言えます。

そして、プレイスタイルについてです。
身長195センチで体重95キロと体格とパワーに恵まれています。
ただ、上背もありながらも足元のテクニックもあり、スピードもある、更にポストプレイも上手く、アシストも多くまさに万能型のフォワードです。

ただ、若い時は、気性も荒く、チームメートとよく衝突するといた選手でもあります。幼少時代は、環境にそこまで恵まれているとは言えない中でも、逆境に立ち向かい、反骨精神で、駆け上がった選手でもあります。

ただ、そのキャラクターから、ユース時代に在籍したマルメでは、保護者から追放されそうになったり、アヤックス時代では当時のキャプテン ファンデルファールトと衝突するなど、不安分子となってしまいます。

監督やコーチからすると、一見、扱いづらい のではと思います。

でも、必ず所属チームで優勝に導いている。
それが気になったので、2011年にスウェーデンで発売されたイブラヒモビッチの自伝を購入してちょっといろいろ調べてみました。

そのなかで、印象に残ったことは大きく3つありました。

・1つ目:聞くが聞かない
監督の言うことに耳を傾け多くを学ぶが、嫌なことは聞かない。自分の信念は貫き通すということです。
エピドードは色々あるのですが、監督の戦術や指示に全部従うのではなく、自分が身につけたいと思ったことは、意地でもやり通す、練習をして身につけるということです

例えばこんなエピソードです。
欧州はどちらかというと組織的な守備やパスワークが大事にされますが、イブラヒモビッチはロナウドやロマーリオといったブラジル人のトリッキーな足技、個人技にあこがれて、練習を繰り返し、試合でも愚直に実践したようです。それが、結果として万能型フォワードになったんだろうなと思います。この「聞くが、聞かない」というのは自伝でも「これが俺の流儀なので」とよく書かれています。

・2つ目:尊敬は得るものではない。掴み取るものだ」
これは、ユベントス時代の監督であるカペッロの言葉です。
カペッロ監督は、1990年代に最も成功を収めた監督の一人で、誰もがびくついてしまう鬼軍曹でした。
その教えが「尊敬は得るものでない。掴み取るものだ」ということで、まず就任したらチームをぶっ壊すようです。
そして、新たに一から作り直すようです。

これをイブラヒモビッチは、ユベントスの次のチームのインテルで実践します。インテルは強豪でありながらも17年間リーグ優勝できないチームだったようです。

インテルに移籍後に、クリアしないと行けない課題がチームにはあるとイブラヒモビッチは感じたようです。新入りではあるが、自分は18年ぶりの優勝をもたらすためにインテルに移籍したんだということで色んな行動に移します。

例えば、
・全然大事な試合でもないのに恒常的に与えられる勝利ボーナスの見直し
・アルゼンチン、ブラジル人、その他といった派閥が当時あったのですが、その派閥の廃止など、マイナスになることは徹底的に壊すように会長に呼びかけました。

そして、チームの雰囲気もガラッと代わり、移籍一年目で、チームをリーグ戦優勝に導きます。


・3つ目:インストールとアップデートを繰り返している。
イブラヒモビッチは、自分の流儀を貫き通しアップデートを繰り返します。
そして、色んな監督の薫陶を受けながらも、自分の血肉として、その教えをチームに還元する、であるので、チームに良い影響を与えるんだろうなと思います。

このように一見、監督にとっては劇薬ありながらも、役割は全うしてくれる、ある程度の権限や自由を与えればチームにプラスの影響を与えられる、それがイブラヒモビッチなんだなとこの自伝を見て感じました。


次のチャプターでは、半沢直樹、岡崎慎司、イブラヒモビッチの共通点を導き出しながらも仕事に活かせるTipsを考えていきたいと思います。

本日のまとめ 他人の意見や思惑に影響されないとは?

さて、これまでお話した三名は、三者三様ではありますが、どんな環境に所属したとしても成果を出し続けています。

では、3名からどんな共通点があるのかと考えた時に、それは良い意味で、人の意見を100%受け入れないことかなと私は思いました。

意見を聞かないっていうと、ちょっと悪意がある表現なので、ここでの意見は思惑と捉えてもらえるとしっくり来るかもです。

・半沢直樹は、自分のために仕事をしない、自分が正しいと思うことを正しいと言えること、世間の常識を組織の常識に、ということを大事にしています。

ですので、上司や自分の所属する企業の都合ではなく、顧客に寄り添う、そこから自社で何ができるのかを考えています。
彼は、衝突が多いですが、その分、見方や、顧客からはものすごく感謝をされます。それがドラマで描かれているから、多くの人を惹きつけることができる、だから毎週20%超えという、すごい視聴率を記録できるのだと思います。

・ズラタンイブラヒモビッチ選手は、チャプターで話したとおり。「聞くが聞かない」ということを信念にしています。
大事なことには耳を傾けて、自分が嫌だ、自分にあわないということは聞かず、信念を貫き通しています。

彼も半沢直樹同様に、周りと衝突して敵は多いですが、味方にいてくれるととても心強い選手です。

・岡崎慎司選手の場合は「監督を信用しすぎない」という言葉にあるように良い意味で、周りと自分と距離感をおいています。
監督に期待をしすぎると、思い通りにならない時に、監督に失望してしまいます。
本来自分に改善するべきことがあるのにです。
なのでほどよく距離を置いて、自分に何ができるか、自分の役割を考えて、その役割を全うするのでチームに好循環を呼ぶことができます。

このように、三者三様で考え方は異なりますが、いい意味で人の意見を聞かない、思惑に左右されない、これができているんだろうなと思います。

とはいえ、人の意見を聞かないって、ちょっと偏りすぎで、なかなか難しいかもしれません。参考意見として聴くのは全然ありだなと思います。
ただ、人の意見だけを聴くというのは、結論や考えや行動を先延ばしにしてしまう要因にもなるかなと。

半沢直樹の小説やドラマやイブラヒモビッチの自伝に共通していることですが、「これが私の流儀なので」とか「迷ったらこれだ、これが俺様の流儀」という言葉によく触れました。

なので、決断に迷った時には、立ち戻ることができる自分なりの原理原則、自分なりの流儀を持つということも同じぐらい大事なのではないでしょうか。

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。
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