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青学原監督と元レッズ鈴木啓太氏から学ぶ“越境力"

本日は、"越境力”、すなわち異なるフィールドで活躍するためのスキルについて考えた回です。

さて、野球、サッカープロスポーツが開幕して、最近よく耳にするワードがあります。それは、何かというと引退です。
今期でいうと、阪神藤川球児選手、鹿島アントラーズ内田篤人選手、楽天渡辺直人選手などですね。

このnoteはVoicyの過去の放送を文字に起こしたものです。

今回のお題 アスリートのセカンドキャリをヒントに転職や復業について考えます

ここ数年で、人生100年時代と呼ばれる社会が近づいており、一つの会社に居続けることは難しく、キャリアや職種を変えることも当たり前と呼ばれる時代になってきました。

リスナーの皆さんも転職を考えていたり、すでに何回か転職をされている方もいらっしゃるのではないでしょうか?

そんな時代だからこそ、30代、40代で一度は引退をせざるを得ないアスリートの経験は色々な学びがあるのではと思っていたところです。

そう思っていた時に、Voicyの人気チャンネルである荒木博行のbook cafe での9月4日放送回「アスリートの越境スキルについてでアスリートについて取り上げられていました。放送タイトルにある通り、越境、すなわちこれまでとは違うフィールドで活躍するにはということがテーマでした。


本日は、荒木さんのブックカフェで触れられていた越境スキルを紹介しながら、青山学院大学陸上競技部監督である原晋さんや元浦和レッズの選手で現在は経営者である鈴木啓太氏の事例に触れつつ、Tipsについて考えていきたいと思います。

今回のきっかけになった荒木博行のbook cafe アスリートの越境力とは?

まず、今回のきっかけになった「荒木博行のbook cafe」の「アスリートの越境スキル」の内容についてざっくり説明します。

まず、引退した元プロスポーツ選手たちと、Zoomで雑談をする機会があったようです。その中に、ここ最近引退をした元プロサッカー選手がいて、これからの働き方や考え方について相談されたようです。

その時の、荒木さんのアドバイスででてきキーワードが「具体と抽象の往復運動」についてでした。

まずプロサッカー選手としてJリーグに10年以上も在籍して活躍できていた、その時点で相当な希少な人材であるということです。

そこで積んだ経験や学んだ考え方、コミュニケーションスキルなどはひょっとすると異業種でも通用するかもしれない。

だから、自分でも自覚できていない経験、スキルをまずはきちんと分解してみる、そして抽象度を上げて考えてみるということです。

そうすることで、他の領域でも横展開ができる。この横展開の例えを、荒木さんは三角形で例えていました。

三角形は裾野が広い、この端と端が異業種であり、なかなかそこへの移動は難しいけど、抽象度を上げてどんどん三角形の頂点に移動できれば、裾野を見渡すことができるということです。

そして、抽象度を上げたあとに、これから行こうとしているフィールドで、どんなことをするのか、求められるのかを具体的に考えることが重要である。

で、通用することもありますが、未経験時の領域もあるので、失敗も繰り返すだろうけど、そこで力をつければ、更に代えの聞かない人材になる。

この具体と抽象の往復運動を解像度を上げて実行することが大事であるということです。
この具体と抽象の往復運動については、転職以外でもこれからの働き方を考える上で、とても重要なことかなと思いますので、当チャプターにリンクを貼っておきます。

で、ここまでは越境スキルの考え方について触れましたが、これを実践している人で良い事例がないかなーと思った時、丁度2名思い当たりました。

それが冒頭で述べた、青山学院大学の監督である原晋さんと元浦和レッズの鈴木啓太さんです。

次のチャプターでは、原晋さんと鈴木啓太さんの事例について触れていきます。

青学 原晋監督の越境力について 営業マンから陸上監督への転身

まず、原晋監督の経歴について、ざっくりお話します。

・中京大学卒業後、中国電力の陸上部に在籍
・中国電力在籍時に、全日本実業団駅伝に出場
・しかし、怪我によって、選手生命を絶たれます
・そこからは、営業マンに転身、小さな営業所からキャリアをスタートしますが、そこから一念発起。
・提案型営業に切り替え、社内トップの営業成績を記録したり、新会社の設立メンバーとして5人で始めた事業を100人規模まで成長させることに成功
・そして知り合いの伝手で、青山学院大学の駅伝チーム強化を要請されて、2004年から駅伝監督に就任。
・2009年に33年ぶりに箱根駅伝に出場、2012年出雲駅伝初優勝、2015年から箱根駅伝4連覇。2019年は東海大学に優勝を譲るが、2020年には再度優勝に輝きます。

営業マン、駅伝監督の両方で成果を出せています。まさに越境スキルを発揮しているケースです。

では、どのように、発揮できたかをここからは分析します。
ここでは、監督就任時に持ち込んだ、目標管理シートについて触れます。
これは、営業マン時代に培った目標管理の考え方がベースにあったようです。

目標管理シートとは、A4用紙1枚に1年間の目標と1ヶ月毎の目標、その下に試合や合宿ごとの具体的な目標を書き込んだものです。

そして、この目標設定も、なんとか手の届きそうな半歩先というのを意識しているようです。また、自主性を尊重して部員自らが目標管理シートを立てるようです。

目標やそのための手段やプロセスは数字で計測できるという点では、陸上競技も営業も本質的には似ているといえるのではないでしょうか。

プレイヤーとしての営業マン時代は目標を達成するために目標管理をして、部下や後輩を持ってからは、部署のメンバーにもこのノウハウを伝授してきたんだろうなと思います。

このように営業マン時代 と 駅伝監督では、業務の内容は全く異なるが、
「目標を立てることの大事さ。そこから実行に移す、そしてマネジメントでそれを見守る」という本質は同じであると考えており、そのスキルを監督という業務で活用していきました。

もちろん、管理する項目や関わる相手、評価する項目や観点は、異なるので、そこの部分はチューニングを施しながら最適化していきますが、
本質を捉えて、営業マン時代のノウハウを還元できたから、4連覇という偉業を達成できたのだと思います。

さて、このチャプターでは、どちらかというと手法についてフォーカスを当てましたので、次のチャプターでは、元浦和レッズで今は経営者である鈴木啓太選手の事例を見ながら、マインド、考え方に注力します。

元浦和レッズ 鈴木啓太氏の越境力について Jリーガーから経営者への転身

さて、ここからは、鈴木啓太氏の越境スキルの事例について触れていきます。まずは、鈴木啓太さんの経歴についてです。
・1981年7月生まれの39歳、
・高校卒業後に、浦和レッズに入団、主にボランチと呼ばれる守備的MFで活躍します。
・2006年に日本代表で初出場、当時のオシム監督に重宝され、オシム時代には唯一全試合出場を果たします。
・2006年、2007年にJリーグベストイレブンに輝きます。

・そして長きに渡り活躍して、2015年のシーズンをもって引退。

現役引退後は、実業家に転身して、腸内細菌の解析を行っているオーブ株式会社の代表取締役を務めています。

鈴木啓太さんが、どのような思いで会社を立ち上げたかやアスリートの経験で生きたことなど知りたかったので、ちょっと調べてみました。
ここからは、ファッションメディア WWDのクリエイターたちのお仕事変遷という対談記事を抜粋します。

腸の大切さを痛感したのは、04年アテネ五輪アジア最終予選でのこと。代表選手23人中18人が下痢症状で、3〜4キロも体重が落ちているような状態でした。僕はというと、体調に問題なく試合ができた。
これはお腹のコンディションを整えていたおかげなのかなと、「人間は腸が一番大事よ」と口をすっぱくして言っていた母親に感謝しましたね。

15年6月、知人を介して“便を研究している”という人に会い、話を聞いているうちに自分のこれまでの経験と科学的な知見がリンクしました。
「アスリートの人の腸内細菌を調べたら面白いだろう」という僕からの提案で腸内フローラ研究に足を踏み入れることになりました。
アスリートは一般の人よりも日頃からコンディションを整えているし、有益なデータベースになり得る特徴的な対象だと感じたんです。腸の環境を“見える化”すれば、きっとアスリートの体調とパフォーマンス向上に役に立つと、強く感じたわけです。

このように、問題意識は、現役時代から持っていたようです。では対談に戻ります。

WWD:「スポーツ選手がビジネスなんて」といった後ろ向きの声もあったと聞きます。

鈴木:ありましたね。でも、そういう“外野”の声は関係ないんです。冷静に考えても、今後ヘルスケアベンチャーの分野は伸びるだろうし、こうした研究は必ず誰かがやると感じていました。
でもこれ、僕がサッカー選手になるときと同じなんです。プロになる前もなった後も、周りを見れば僕より上手な人はたくさんいたし、プロになっても試合に出られるかなんて分からない。
いくらベストを尽くしたとしても、負ければ批判を受けることもある。不安はいやでも付きまとうんです。人って、自分の経験で物事を考えて「これができそう」「これはできない」って考えがちなんですよね。
あくまでその人の中の尺度であって、僕は僕ですから。もちろん、人の意見を聞く耳は持たなければならないけれど、決定するのは自分です。人生一度きりですし、やりたいことをやりたいですよね。これはサッカー選手を経験したからこそ強く感じている部分かもしれません。

鈴木啓太さんは、現役時代にやりきったからこそ、人は人、自分は自分とい尺度を持てて言うんだろうなと思います。では、対談に戻ります。

もちろん、若い頃は「お金を稼ぎたい」「W杯で優勝したい」「きれいな女性と付き合いたい」とか、自分の夢ばかり追いかけていたときもありましたよ。
でも年々、“誰かのために”という気持ちの比率が増えてきたように思います。
それを強く感じたのは、14年の無観客試合です。
6万人が入るスタジアムに、誰も観客がいない。普段の試合ではゴールが入ると、大歓声とともにスタジアムがドンと揺れるんです。
それがこの日はゴールが入っても、シーン。僕らの声だけが悲しく響いていました。
でも、試合の価値は一緒です。いい試合をして、サポーターやファンの方々と一緒になって感情の揺れ動きがあること——それが自分にとってのサッカーをする喜びなんだと実感しました。ですから恩返しじゃないけれど、アスリートの力で次世代の選手含め多くの人を応援する——。そんな存在になっていきたいですね。

以上です。

鈴木啓太さんが、アスリートから経営者に転身できたのは、大きく3つあるなと私は思いました。
・現役時代に感じた問題意識を持ち続けていたこと
・人の尺度で生きては行けないということを感じて、プロサッカー選手をやり遂げたこと
・そして、誰かのためにという気持ち、感謝の気持ち、次世代の選手をはじめ多くの人に応援したいという恩返しの気持ち

です。
であるので、これをやると思ったことをやり通す、全くの未経験である、起業家に転身できたんだろうなと思います。

さて、前の原晋監督のチャプターでは方法論についてを扱い、このチャプターでは問題意識やマインドから越境スキルを考えてみました。

次のチャプターでは日常生活や仕事に活かせるTipsについて考えていきたいと思います。

Tips 本質を捉えよう、出来ないことはきちんと分解して計画を立てよう

今回は、アスリートのセカンドキャリア、越境スキルを、「方法論」「マインド」という軸で掘り下げて見ました。ここからは仕事や日常生活に活かせるTipsについて考えていきたいと思います。

Tipsは大きく2つあります。
・1点目は、本質を見失なわないということ
・2点目は、出来ないことの理由や悩みを分析、分解する

ということかなと思います。

ちょっとまとめてみて思ったことなのですが、
これからの時代はVUCAとよばれるように、先行きが読めない、今までのやり方が通用しづらい時代であり、
「期待をして転職や新プロジェクトをスタートしたがうまく行かない」
と感じることは多々あるかとおもいます。

そんな時は、一旦立ち止まってみて
・それは、全く未経験のことに触れているからなのかでは、それをどのような方法で克服するのかを見極める。
・異業種だからといっても、仕事は誰かのためにするものである、その本質があれば、過去の経験でも活かすことがあるのではと思ったり
今までの経験を糧にして、この壁は乗り越えられる、今までの経験でここは活かせそうだとか、この企業にも還元できるな
この変化を楽しむ
といった、考えが必要なのではないでしょうか?

今回のTipsをまとめてみて思ったこと

また、偶然なのですが、ちょうど今週の月・水・金の各回が、
・"複業"をテーマにしていたり
・"新生活様式"について触れていたり
・これまでの当たり前と思っていた"常識を一度見直そう"という
感じでこれからの働き方や生活についての示唆に富んだテーマを取り上げた一週間だったなと思います。

是非、この4連休お時間のある時に併せて聴いていただけたら嬉しいです。

・複業をテーマにした回

・新生活様式をテーマにした回

・常識を見直す事をテーマにした回

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