見出し画像

高い声は出るようになったけど

数日前、ボイトレを受けてきた。
課題曲は、星野源さんの「不思議」
初めて切った時から大好きで、前回の課題曲「Family Song」が終わって、次に何を歌いますか、とトレーナーさんに言われて、速攻で「不思議という曲知ってますか?それ歌いたいんですけど、いいでしょうか」と訊いていた。
トレーナーさんは、ミュージカルで共演者に歌唱指導をするくらい実力があり、以前ゴスペルが好きと話していたせいか、あまりいろんなJ POPは聴いていないらしく、知らないと言ってすぐにYouTubeで検索してくれた。
一通り聴いた後で、「いい曲ですね、一度歌ってみましょうか」と言って、カラオケを探してくれた。
そう言われると、さすがにいいですとは断れず、歌ってみたら「いいじゃないですか、これにしましょう」と、すぐに決まった。
まさか、こんなに難しい曲とは思わず、はい!と喜んだ自分が、ちょっと悔やまれる。

毎回、ボイトレでは結構な時間を、発声練習に割く。
一般的な、♪あーあーあーあーあーあーあーあーあ♫から始まって、音程が徐々に高くなっていく。
声帯を太くする注射を打つ前は、ちょっとした高音域も声が出ず、こんなはずじゃなかったのに…と毎回落ち込んでいた。

子供の時から歌が好きで、毎日歌っていた。
学校で歌のテストがあると、嬉々として歌い、毎回、先生やクラスメートからうまいと言ってもらってもいた。
なのに2007年頃から心理の勉強を始め、卒業後、仕事をしてから、すっかり歌を歌わなくなってしまい、気づいたときには、ほとんど高音が出なくなっていた。
ショックだった…

でも、結局数年間はそのままだったが、友人がボイトレを始めたと知り、私もしたいと思い立ってボイトレを始めることにしたのが、2年前の夏だった。
サイトで探して、隣駅のボイトレスクールに入学。
アンケートで、高音が出るようになりたいと書いた。
最初のトレーナーさんは、私の声について、高音が出しにくいこと以外、問題はないと言い、音程はしっかりしている、ビブラートもできていると言ってそのまま歌を教えてくれた。もちろん、裏声で歌っているということなど、一切指摘することなく、課題曲の歌い方、サビの効かせ方といったテクニックを教えてくれるなどして、それなりに満足していたら、突然辞められましたとの電話がきてびっくり。

次の講師は誰にしますかと訊かれ、直感で選んだのが、今のトレーナーさん。
専門学校こそ出てはいないけれど、子供の頃から歌が好きで、ミュージカルの舞台に何度も立った経歴の持ち主は、自分で磨き上げてきただけあってとにかくパワーがある。
初めの頃は、私に歌わせるだけだったが、今は自らここはこうしましょうと、歌って教えてくれるようになった。が、あまりに声が美しいのと、声量があるのとで、圧倒されっぱなし。ついていくのがやっと。
だからこそ、ボイスクリニックで「ボイトレだけでは、痩せた声帯は戻らない。太くする注射があるけれど、どうしますか」と訊かれ、即決で「します」と答え「今日は無理だけれど、明日以降だったらできます」と言われ「じゃあ、明日」と答え、主治医に驚かれたくらい、声帯をいい状態までもっていきたい、ちゃんと高音が出る声になりたいという気持ちが強くなっったのだと思う。
でなければ、喉に直接注射するなど、怖くてできない。

声が普通に出るようになるまで、結局、二ヶ月近く経った。この間、正直、声がどうなるか不安だった。結果は、予想をはるかに超えて、高音が出るようになった。トレーナーさんも驚いている。
ただ、やっぱり地声で歌うのは、なかなか難しい。
半世紀も裏声で歌ってきた、しかも裏声で歌っていることを自覚なく、知らずに歌ってきただけに、地声を出す声量のコントロールも難しい。
やっと張り上げないで歌えるくらいになったが、今は地声から裏声に切り替わるミックスボイスのところが、なかなか難しく、地声での声量をもっと弱くすれば、スムーズにいきそうなのだが…

1から声を出す練習を始めて、途中何度も中断していることを考えると、まだまだかかりそうだ。
ボイスクリニックの主治医の話によると、声帯を太くする注射の効果は、一年半暗いで切れるそうだ。となるとまた打たなくてはいけない。
ただ、声を出し続けて、ボイトレを続けていれば、おそらくは声帯は太いまま維持されるだろうとも言われた。
自宅で発声練習と歌を歌い、月2回のボイトレで、声帯の太さを維持していこう。
楽しいだけじゃないけど、これからもボイトレを続けて、楽に地声で歌えるようになりたいと思っている。

せっかく高音が出るようになったのだから、高音で歌う歌にもチャレンジしよう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?