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【青ヶ島滞在記】ナレーション収録はセミとの戦い

〜前回の記事〜あらすじ

名物「鶏鍋」の準備をしながらみんなでワイワイ食す。鳥を育てていた方もいらっしゃったので、より感謝をしながらいただきました。


8月12(13)日 ナレーション収録day

納品期限が短くすぐに収録しなくてはいけなかったので、この日は収録と編集作業。

できればすぐに収録したかったのですが、セミの声や人が来るタイミング、当たり前ですが「録りたいときに録る」というわけにはいきません。ですが(録れるタイミングが限られているからこそ)グッと集中できます。ある種のスタジオ収録感覚。

1日中収録していたのであんまり外に出ませんでした。こんな日は珍しい。今までは何かしらで外に出ていたので、収録をし終えた夕方はちょっとくらお散歩に。

慣れない環境での慣れた業務を労ってくれるかのような空。その日の楽しみが“空を見ること”になったのも青ヶ島のおかげです。

えいや。ご褒美としてお酒を2つ購入。風にあたりながら飲む贅沢。このままゆっくりお散歩しながら飲むのも良いなぁー‥。

気づいたら夜までフラフラ。と言っても、歩き始めたのが良い時間だったので1時間くらい。この日は午前中にお掃除をし終えていたので、早めに自分の仕事を終えることができました。

夜はひとりでお酒を飲みながらゆっくり。またまたここ数週間の出来事を振り返っておりました。とくに人間関係。何が嫌ってわけではないんですが、内地でのコミュニケーション、人間関係を改めようかなと思ったんです。なんというか、すっごく嫌な言い方になってしまいますが、関わる人を少し考えたくなった。

ぼく、多分喋るのがあんまり上手くないんです。好きなことですし勉強してきたことなんですけど、だからこそといいますか。とくに初めましての方とお話しするときや、初めての業務をするときは「あ、〇〇」と喋り出しに「あ」が入ってしまう。

言ってしまうたびに「また言ってしまった」と軽い嫌悪。喋りの仕事が向いているかどうかはわかりません。ただ、好きな仕事ではあります。これからもずっとやって行きたい。


この仕事、今後どうしていこうかなー‥。と考えていたとき、青ヶ島で会った方から言われたことを思い出しました。

「島に戻ってきたのはなんでです?」

とお聞きした際

「結婚して子供ができたとき、島で育てたいと思ったんですよ。あと向こう(住んでいたところ)でやれることはもうやれたかなって。一区切りついた。」

カッコをつけているわけではなく、素直にストレートに出た言葉。すごく憧れます。言葉を扱う仕事をしている今。こういう言葉に人生と説得力を感じ「こんなかっこいい生き方をしたい」と思ったんです。この方みたいに言い切りたい。

こんな自然を目の前にできるなら、青ヶ島に戻ってくる気持ちもわかります。僕もそうするかもしれない。上京のタイミングはいつだっていい。でもこれは、島の人じゃないから言えることかもしれません。無責任には言えませんね。

結婚かぁ。

次回「青ヶ島に来る前、自分の仕事はどうしたの?」


ナレーター
有野優樹(ありのひろき)

青ヶ島到着の様子

青ヶ島で体験した不思議な話

正直に言います。話を上手くするため、映画を見たり本を読んだりのお金に当てます。直近、島に暫く住む予定なのでそちらの生活費に。