「ナレーションをやってみたいんですが、どうしたらお仕事を貰えるようになりますか?」
いつまでも“楽しんでばっかり”ではダメなんだなーと。いや。ダメってことはないんですが、“そちら側”を目指している意識が足りていなかったんです。だから、ずぅーっとダラダラとしてしまいました。
そちら側。パフォーマンスをする側って事ですね。何を勘違いしていたのか、勉強勉強と言いながら“見るだけ”の毎日。
演劇専門学生(2年生)のとき、声のお仕事で初めてのギャランティーをいただきました。それまではアルバイト(時給)でしかお金をいただいた事がなかったので「しゃべってお金をもらうこと」にすごく感動したんです。
しかし、それと同時に「あ、仕事にしていくってこういう事なんだ」と胸がグッとなったんです。
・前回「やりたいことは早いうちに?」
【声優初仕事は、1000円】
ドラマCDの役付きオーディションの話がきました。学校に所属しているとはいえ、オーディションを受けさせてもらえる機会もなかなかないので「よっしゃ!頑張るぞ!」と意気込みモリモリで。
‥結果、役は決まりませんでした。ですが、その他大勢の役(いわゆるガヤ)で呼んで頂けたんです。役は後輩の子が担当していました。
正直、めちゃくちゃ悔しかった。
ぼくのほうが一年早く勉強しているわけですし決まるはずと、たかを括ってたんでしょう。先輩だからどうのってのは、学校内で優遇されるもので、外部の方からすればさほど変わりません。
ガヤというのはその他大勢の声なので、自分の声はほとんどわからない。よく聞けば申し訳程度に「あ、この声‥か?」とわかるくらいで。悔しかったんですが、それでもすごく嬉しかったんです。理由は“初めてギャランティーを貰えた”から。
まぁ、随分と生々しい理由ですよね。でもしょうがない。本当のことなんですもの。
「お金じゃないんだ!芸を‥」と言いたいところですが、やっぱりお金は欲しい。
もっと細かくいうならやりたい芸を披露してお金を貰いたい。それが叶った一発目でした。
・・・でも、やりたいことと、できることと、求められることって全然違うんですよね。
やりたくてもできなかったらお仕事になりませんし、できててもぼくにそれが求められていないのであれば、お仕事になりません。
お仕事を頼む側も情だけじゃやっていけませんもの。ある程度ビジネスですから。一生懸命を買ってもらえるのは、経験の浅いうちだけです。
【お仕事に繋げなきゃ!もわかるけど】
最近のお話をしますね。お仕事のお話ばっかりしても、かたくなっちゃうので。ふへぇーって、力を抜いてー。
趣味や特技、価値観などもお仕事に繋がる時代。趣味で集めていたものが変わっていると話題になったり、物事を人とは違う視点から語れる人がメディアやコンテンツに取り上げられるようになりました。
ぼくの場合でいうと怪談。5年前くらいまでは、ただの怪談好きでした。いや、今でもそうなんですけど。でも1つ、数年前とは違うことがあります。
“怪談を人前で喋るようになった”
自分から望んでやり始めた事ですよ。でも、やり始めてみて気付きました。新人の怪談師さんやアマチュアの語り手さんで、上手い人がたーくさんいることに。
純粋に聞いているというよりもどこか「あ、この描写を表現するのうまいなー」とか「なるほど。そのシーンではトーンを少し変えると雰囲気出るな」とか、肥やしにしようとしてしまっていたんです。
あの頃みたいに「わー、あの話めっちゃ怖かったー」という感想は、幸か不幸か。もう、ありません。
そして
好きだから〜という動機は、何かを始める最初のきっかけになりますが、「やってみたーい」で始めるほど、先人の方々に失礼なことはないんだなとも、感じていまして。
当たり前ですが、その業界にはプロの方が何千人もいらっしゃいます。声優、ナレーター、怪談師、ライターなんでも。
みなさんプロの方で余裕がありますから「やってみたいんです!」といえば「是非、やってみてくださーい!」なんて言ってくださいますが、まぁ厳しいことを言うと「やることはできるだろうけど、やり続けられるかどうかは微妙かな」という目線で見てると思います。
ナレーターとしてプロかどうかと言われるとまだ微妙なところですが、プロとして扱って頂けることもあるのでプロとさせてください。(変な前置きごめんなさい)
「ナレーションをやってみたいんですが、どうしたらお仕事を貰えるようになりますか?」
これからナレーターになろうとしている方に聞かれます。正直に言うと
『そんな方法があるなら、ぼくも知りたい』です。そして、ちょっとぴり不快感。
人によって過程は違いますが、養成所なり学校なり別のお仕事(ラジオDJで喋りの経験を積んでいたり、アナウンサーであったり)があって、今の喋り(生々しく言うとお金になる喋り)ができるようになっています。
一年、二年前に習い始めたからって、コンスタントにお仕事依頼がくるわけないんですよ。勉強を始めたのが高校生のぼくだってコンスタントになんて無理です。10年、活字を読み続けてようやっとスタートラインって感じですから。
だからなんです。不快に感じる理由は。でもだからと言ってダメだとか目指すなとか、そういうんじゃないですよ。
“すでにやられている方々、先輩の功績があってその世界”があるわけですから、目指すならば本気でやりましょうって事です。
‥って、そんな事を言ってる僕ですけどね。‥これ、自分もやっちゃっていました。
noteをちょっとばかし毎日更新しているからって「どうやったら文章をお仕事にできますか?」なんて。ほんっとに失礼でした。何十年も文章を書いている方々に対して。
やらなきゃではなく、やり続けていきたいので。やり続けることを意識して、喋りも文章も表現していきます。
noteを通して書籍出版を目指します!タイトルは「僕には喋りの仕事しかない~いじめから脱却できたのは“喋りのおかげ”だった」
ナレーター
有野優樹(ありのひろき)
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正直に言います。話を上手くするため、映画を見たり本を読んだりのお金に当てます。直近、島に暫く住む予定なのでそちらの生活費に。