フリーランス声優、ギャラの未払いにあいそうになる
声優・ナレーターの有野優樹です!フリーランスでお仕事をしていると必ず(特に最初の頃にぶつかる)“ギャランティー”の問題。
・経験のない自分がこんなにもらって良いのか
・どれくらいが適正価格なんだろう
・見積もりはどのように?
これらを踏まえながら、“ギャランティーの未払いへの対応”についてお話ししていきます!
【ギャランティー未払い事件】
今年(2021年 4月頃)にやらせていただいたお仕事が、2021年 10月に支払われました。これは、もともとそういう予定ではなく、連絡して、連絡して、連絡してようやく対応していただいたという形なんです。
この案件はこのGmailアドレスへご連絡を頂きました。ご依頼いただくことは嬉しいのですが、ご依頼いただいた時(ファーストコンタクト)が少し「ん?」という感覚だったんです。何がひっかかったのかというと、
・具体的な収録内容が書かれていない
・スケジュールだけ聞かれる
・ギャランティーの明確な額が書かれていない(少額ですなどの表記)
・無理そうなのであれば他を当たります
と、いったものだったので(お仕事の依頼文章としてこの書き方はどうかと思い)受けるか?どうしようか?と、思いましたが、よほどの理由がなければ断るのはやめよう!と思っていたので、受けることにしました。
収録後、ギャランティー(請求書)のお話をした時にも何だかはっきりしない感じで。しっかり話したかったんですが、がめつい人と思われても嫌だなぁと思ってしまいしっかり聞けなかった自分にも原因があります。
その後、メールで『振り込み予定日を教えてください』とご連絡をしても『確認します』の一点張りでしばらく進展がありませんでした。
勉強代(手切金)として、諦めようかと思いましたが、ギャランティーを払って欲しいというよりも、そういう人が蔓延ってしまうということが嫌で(もしかしたら若造がなめられているかもしれないとも思い)しっかり払っていただけるまで、連絡をし続けました。
結果、お支払いいただけましたが、ストレスに比べてギャランティーも少なかったので、少しキツかったです。仮にがめついと思われたとしても、対価はしっかりともらうべきなのでこれからは、初めてお仕事をさせていただく時には以下の確認をしっかりしようと思いました。
・対処
受ける前に「ギャランティー、業務内容、相手の詳細(会社、名前、連絡先)は、しっかり確認する。連絡してそれでも返答がなかった(はぐらかされている)場合は、弁護士さん(に相談、法テラス)頼る人を決めておく。
【価格の基準は作っておく】
いくらぐらいで価格を提示していいのかわかりませんよね。その場合は、自分なりの基準を作ってしまいます。時給換算でも、このお仕事は最低いくらからなどなんでもいいので。
最初の頃は経験としてアリかもしれませんが、安くやり続けるのは将来の自分の首を締めることになってしまうんですね。そして、業界の安価問題へ加担してしまうことにもなります。
「自分には経験になったから、単価を数円あげていただいたからいいんだ!」と、言われたことがありました。各々目指す先があるので合わない考え方かもしれません。これは特定の何かを批判するわけではなく、僕はそうしていくというお話です!
価格とスキルはセットで上げていく。お仕事としてやっていくには、遅かれ早かれ考えるポイントなので、早めに作っておいて更新し続けるように。
【相場ってどう調べるの?】
色々な方が平均相場を書かれているので、たくさんの基準を見て平均をとり自分の基準を作るのもありだと思います。
クラウドソーシング系は、相場研究・参考にするには安すぎるので、0を1にするため(営業をするための実績)に、ほんの数件くらい仕事を受けてみるのはいいですが、幾つもやることはお勧めしません。
僕も最初は安かったと思いますが、だんだんと値段をあげていきました。もちろん、その額を請求できるほどスキルを身につけておきます。
それに、他の人がいくらもらっているから自分はこれくらいにしないと‥なども考える必要はありません。自分の生活は自分が送るものなので、そこに他人の価格は関係ないです。よそはよそ、うちはうち。
【価格はどう上げていく?】
生活もありますし、正直単価を上げていきたいですよね。じゃあどのタイミングであげるのか?
それは「新規のお仕事」のタイミングです。お仕事をさせていただけるうちに自身のレベルも上がっていきますから、新規のタイミングで少し価格を上げてご提案します。
たぶん、少しお仕事は減るかもしれません。実際、(単価を)上げたタイミングでは少し減りました。
でも、安い数を多く受けてストレスになるよりも、単価を上げて本数を減らしたほうがスキル向上に時間を使えますし、新しい勉強を始める時間にも当てられます。そして、価格の話をしていて申し訳ないのですが、僕は値段ではなく
“有野に頼みたい”と思って頂ける工夫をしています。
価格勝負、うまさ勝負では負けてしまいます。なので、そこでは勝負しない。“有野優樹”という存在を見ていただく。
某有名コピーライターさんが『フリーランスは1人ブラック企業化しやすい』と仰っていました。本当にその通りだと思います。フリーランスは実働時間ではなく、成果物を納品して対価をいただきます。
求められている質が出せれば、1分でも1週間でも関係ありません。だからこそ、仕事を受けすぎてしまい疲れてしまったり、こんなに時間をかけたのにこれだけ報酬が‥と、自分というブラック上司に苦しめられてしまいます。
やり方はそれぞれありますが、何のお仕事も体が資本なので、心も体も健康になれるようにお仕事をしていきましょう。そのためにもお金の問題を早めにクリアにしておくんです。
ナレーター
有野優樹(ありのひろき)
声のお仕事に関しての記事を毎日投稿しています!週2でnoteメンバーシップ(声と喋り研究所)に、現場や営業のリアルなことも書いていますので、是非!
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