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子育て支援で噂の明石市に行ってみた!

Twitter民はご存じのあの市長の街

なんかタイトルがYouTubeっぽいなw

何かとTwitterやニュースを騒がせしている明石市長だが、一部の利権に絡む人たちには耳が痛いことをはっきり言う性格も相まって、熱烈なファンも多い。一方アンチやら彼のネガティブな印象を発信しようという人たちもいてSNSは混迷を極める。

皆さんは彼にどんな印象をお持ちだろうか?剛腕市長?子育て世帯に優しい市長?優れた政治家?いやいや暴言市長?パワハラ市長?

SNSだけで流れてくる情報からはなかなか判断が割れると思う。

私個人の泉市長への見解を話す前に、私と政治に関する関わりを簡単に触れておく。
私は過去に大学生として政治を学ぶ過程で政治家のインターンシップや官庁インターン、その関わりの中で統一地方選挙・国政選挙の活動も議員事務所に入り込んで応援するなど4年弱のフィールドワークをこなしてきたこともあり、政治家という人たちへの理解は一般の方々よりは少しだけあると自負している。

当時は国会議員へのインターンシップをしていたが、ちょうど統一地方選挙もあり、県会議員や市会議員の選挙を手伝う中で議員の人となりや議員事務所で働く人々、支持者の人と触れ合ってきた。

また学生の若気の至りでHPやブログなどに記載している電話番号に電話して議員と直接会って話を聞きたいと15人ほど市会議員や県会議員などにもアポどりをして会ったこともある。政党に分け隔てなく話を聞くことでいろんな人がいるなぁと感じたものだ。

議員と言うとなんだか凄い人に見えたりもするが、市民派で素朴な人、実は全然威光がない人、市民国民のために働いている人、ビジョンや志がない人、政党を問わずいろいろだった。

さて話がそれたので明石市長について戻ろう。彼が過去に出してきた書籍・今年新たに発行された書籍を読んで、私は彼の政治家としてのルーツや実行してきた施策の成果に感動した。様々な情報があるが、彼が実現してきたこと、実現しようとしてきたことから過去に様々な政治家と触れ合ってきた私の感覚として、政治家としての強い志・そして実行力を感じる。

政治家というのは得てして口がうまく、また選挙の時は口当たりのいいことを言う。(選挙の時にも具体的なビジョンやアイデアがなく、ただ政治家の名前の連呼や地域のため、子育て世帯のために等、具体的な中身のない街頭演説でを繰り返す政治屋も数多く存在する)

しかし泉市長は信念で政治をしている政治家だと思う。幼少期に障害を持って生まれた弟さんをケアする中で感じた社会への憤り、そこからみんなにとって優しい世界を作るために立ち上がった人だ。

我々が住む世界は残念ながら平等ではなく、残酷だ。そして特に今の日本は子どもに冷たい社会である。

個人的には一般的に政治家をまじめにやると損すると思う。何をやっても非難されたり、時に誹謗中傷や脅迫に合うこともたびたび。特に誰に(どの分野に)税金を配分するかを決める仕事なので配分されなかった相手・配分が少なくなった相手からの恨みつらみがあるのは容易に想像ができる。

だから恨みを買わないように現状維持したり、それどころか自分のポッケに国民から預かったお金を入れたり、自分の周りに利益を落っことす「政治家」ならぬ「政治屋」が爆誕してしまう。公共事業の入札など形式だけで特定の企業が受注するケースなど山ほどある。その中で何かしらのキックバックもある。あるいは市役所の職員の採用に議員が圧力をかけて口利きするなど残念ながら日常茶飯事にある。

権力があるが故その誘惑も多い。また市会議員でも当選すればそれなりの給料がもらえるので志のためではなく、生活のために議員になる人も実はいる。

そんな利権や志のない政治屋とは無縁(と少なくとも筆者には見える)の骨のある政治家が泉市長だと思う。

もちろん彼が今回政治家を引退するきっかけとなった、市議編暴言や過去に出直し選挙のきっかけとなったパワハラは許されるものではない。
筆者とて過去にパワハラまがいのことを仕事で受けた経験があるゆえ、当事者の痛みも一定程度は想像がつきその事実は看過できない。
しかしこの件だけをもって本人の理想やこれまで努力してきたこと・実現してきたことをもって全く評価しないというのもフェアではないと思う。
かつ、泉市長の政治家としての一連の暴言に対する責任を進退という形で果たそうとしている姿は、国会議員で問題行動や資質を問われるような状況が明るみに出ても辞任しない多くの政治家とは異なると感じる。

一方で剛腕な手法と強気な発言は事実としてあるので、自治体という組織としての課題(権限がある人に怒られたり、詰められる事を恐れて、本来すぐ共有されるべき悪い情報がすぐ上がって来ずリスクの対処が遅れる、市の職員や議員などが市長の強い言葉を恐れて忖度して言いたいことが言えず、必要な議論までできない?)が全くないとは言えないとも思う。

この辺りは近しい関係者などの党利党略や利権から遠ざけられた個人的な怨恨を除いた上での市長への評価がもう少し出てくるまでは分からないというのが筆者の見解である。

内部のことは分からないが、市民からの支持が熱い市長であることは出直し選挙の結果や今回の政治家引退の話を受けて引き止める声を聞く限りはっきりしていると言える。

明石市長はどんなことを成し遂げたのか?

明石市の訪問の話をする前にもう少しだけこれまでどんなことが行われてきたのかについて触れたい。

泉市長のリーダーシップの下、明石市で行われた取り組みについては詳細はYoutubeや著書に譲るが、今回明石市を訪問することでどのような効果を生んできたのかという部分に触れたいと思う。

実は参議院で明石の取り組みを説明したりもしている。


めちゃくちゃ長い動画だが詳細の取り組みを知りたい場合は記者クラブのこちらの動画をご参照いただきたい。パワポでの説明もあるのでこちらの方が取組はわかりやすいかも。

なぜ私が明石市を訪問したかといえば、市長の子供たちへの支援・子育て世帯への支援がどのようなものか、現役子育て世代の目で確かめたいと感じたからだ。もちろん数時間の訪問程度で見えることは知れているが、本を読み、動画を見る中で実際にどんなものなのかを確かめて見たくなったのだ。
また、現地にも行かずネットで聞きかじった知識であーだこーだ批判している人間にもなりたくない。

断っておくが泉市長は子育て世帯だけを優先しているのではない。子どもも、子育て世帯も、高齢者も、障がい者にも犯罪被害者・犯罪を起こしてしまった人にも手を差し伸べている。しかし物事には順序がある。町の活性化のための最初のきっかけとしてまずは子どもを中心にした街づくりを進めているのである。

結果子供を中心にし、子育て世帯支援が広がることで物入りの子育て世帯が市中にお金をおろしてくれるため経済が活性化して、子育て世帯以外の人も潤うということだ。この順番と誰に支援をするのかが大切なのだ。一部の政治家や官僚、あるいはその癒着先の企業・公団に税金を落としても、個々人が潤うだけでそのお金は市中に出回らない。

日本は戦後長らく護送船団方式で政府が多くの産業を囲いその中で成長してきた。しかし、国が方向性を示し手取り足取りサポートして欧米を模倣して成長できる時代は終わったのである。しかし今の日本政治や多くの日本の企業はそこからまだ脱出出来ずにいる。

市民派の必要な支援という意味では例えば行政の給付には現金給付と現物給付という2つのタイプがある。現金給付はその名の通り、お金を給付する。コロナの給付金もそうだ。しかしこれは使途を限定できないので、本当に使ってほしいことに使われるかわからない。子どものために給付しても親のパチンコ代に消えるかもしれない。

一方で現物給付は行政として提供するサービスを無償で出すこと。例えば18歳以下の子供の医療費の無償化や幼稚園や保育園の第2子の保育料の無償化などがそれにあたる。現物給付であれば保育料に充てられる費用が別のことに使われることはない。

この現物給付などを通じて子育てへの経済的な負担を軽減し、その分を生活圏での経済活動に回してもらうことでより多くの人が恩恵を受けられる。この点が非常に重要だと思う。特定の個人が潤う施策でなく、広く多くの市民が関わる施策を展開しているのだ。

https://www.youtube.com/watch?v=BMuq-74GTLE

泉市長曰く、日本では国民が相当負担しているにもかかわらず更に負担を求めるような動きがあり、これは政治家の怠慢だと批判している。

政府のずぼらな管理により国民から預かったお金が減ったりなくなったりしてその分を税金で埋める(直近では自賠責保険の話がホット)などという理解できないニュースが飛び交いつつも暴動が起きない日本の特殊性を感じる。

子育て世帯についての支援のおかげもあって9年連続で人口増加。2020年の出生率は1.62と国の1.33を大きく上回る兵庫県明石市。但しこれは、近隣の都市からの子育て世帯の流入だけではなく、明石市を選んで今までは2人目3人目を授かることを経済的な理由などでためらっていた層が安心して子どもを産み・育てられるようになり出生率が結果として上がっている。

市長に反対している勢力やそれに組みする方などは子どもの支援が中心に民生費が増えたり、インフラへの投資などを怠っていると言っており、ここではデータの紹介などは割愛するがそう言った声もあると言うことは公平性の観点で触れておく。(前述のように公共事業は利権と結びつきやすい側面もあり、真っ当な批判なのか判断が難しいという私見も述べておく)

いずれにせよ、明石市の取り組みが全国の参考になることも多く、私としてもぜひ現地に出向いてみたいと思っていた。

市民目線での駅ビルの活用

さて、本題に入ろう(長い前振りであった)

最初に柳本一家が訪れたのは明石駅の一等地に構えるパピオスあかしだ。商業施設兼市役所の窓口・図書館・子どもの遊び場がある施設となっている。

https://papios.jp/floor/


我が家は明石市民ではないので市役所には特段用はないのだが、親子交流スペース ハレハレと、泉市長が明石を本の街にしたいと気合を入れて話していた図書館をメインの訪問先として訪れた。

土曜日の午後だったせいもあってか、人だかりも多くにぎわっている。しかし泉市長の就任直前まではこの商業施設にパチンコ屋などが入る予定だったそうな。もしそうだったとしたら今のこの風景ももう少し変わっていたように感じる。市長就任直後に市民の声を聴いて何がこの施設に入るべきかを確認し、今の構成になったそうだ。

親子交流スペース ハレハレのある、あかしこども広場を利用するにはまず利用者カードが必要とのことで、どこかよくわからずに市役所の受付に来てしまった。案内係の人に聞くと別の階ですと丁寧に教えてもらえた。市役所の受付がこの立地にあれば、住民として必要な支援を受けやすいだろうし、買い物やお出かけのついでに市役所に来る、あるいは逆というパターンで市民の動きも活性化されるのではなかろうかと思った。

利用者カードの受付を済ませるべく階下へ。ちなみにHPから事前に申請をしておけばスムーズに対応してもらえる。

職員の方にてきぱきとかつ丁寧に教えてもらい登録カードをゲット。子供の遊び場は今回が初のため現地に行って空いている時間を探すと約2時間後のコマが取れそうだったのでそこでチケットを発見。料金も70分で家族4人(1人300円)で合計1200円と非常にリーゾナブル。もう少し時間が長く遊べるとよかったが、まぁコロナ禍なので致し方ない。

しかし2時間も何して待とうかということで、いったんその商業施設から一旦離れ、魚の棚商店街に足を運ぶ。

明石の名産は魚の棚商店街で

https://www.uonotana.or.jp/index.html

お目当ては明石焼きとタコ飯である。せっかく明石に来たので本場の明石焼き・タコ飯を食べたいと商店街をぶらぶら。お店も海の幸、野菜や果物、お土産など豊富でぶらり街歩きも楽しい。人通りも多く、商いが盛んにおこなわれて活気があってよい。私たち家族のように市の施設を訪れたついでに立ち寄っているお客さんもいるんだろうなと感じた。

いくつかお店をみて、タコ飯が炊きあがったと書いているお店に入る。夫婦それぞれで明石焼きやタコ飯、タコの天ぷらなどを頼み、子供たちと一緒に堪能。息子は特に明石焼きとそのダシにはまったようだ。娘もタコ飯をがっついている。幼い子供たちがほおばる姿に大人のほほも緩む。


卵とタコの食感が絶品
炊き立てのタコ飯

これでもかとおいしい明石焼きとタコ飯を堪能したので、また商業施設の方に戻って今度は図書館に行ってみた。

本の街、明石

https://www.akashi-lib.jp/

図書館に入ってみて、本の種類の豊富さに本好きの妻も舌を巻く。「こんなにいろんな種類あるなんてすごいね!」と喜ぶ妻。実は本には泉市長の並々ならぬ思いがある。
市長は漁師の家庭で育ち、裕福とは言えない環境の中で、受験のための本を買うことができず、本屋で立ち読みをしながら勉強していたそうだ。気の毒に思った本やの店主が本屋の隅に小さな机と椅子を置いて、泉少年はそのスペースを借りて勉強し無事東大に合格している。本は1つの家庭が買ってもその家の人間しか読めないが、図書館の本であれば同じ1冊でより多くの人が本を読める。本があることで人は様々な知見が得られ、視野を広げられる。だから市長は図書館を充実させることで明石を本の街にしたいと力を入れられたそうだ。

普段なかなか地元の図書館で見られないような豊富な本の種類、子供向けの本も非常に充実したり、A2サイズぐらいのめちゃでかな絵本が何冊も置いてあってそこにある本を夢中で子どもたちが持ってきて読書スペースなどで読んであげているうちに、ハレハレの入場時間があっという間にきた。

ちなみのこの施設内には、市の図書館と本屋さんが同じ建屋に併存する。当初は本が売れなくなるのではなどネガティブな声もあったそうだが、すでに図書館と本屋の像上効果で本が売れることが過去の実証されており、明石市のこの施設でも本屋の売り上げは好調のようだ。

子ども大はしゃぎの親子交流スペース ハレハレ

このキッズスペースもTwitterなどでよく国会議員や首長・候補者などがベンチマークに来ている様子が写真で共有されていた。

http://akashi-kodomo-hiroba.jp/pcac.html


我が家は明石市民ではないので有料(それでも一般の施設に比べると格安)だが、市民は無料とのこと。普段地元で行くキッズスペースは2-3000円払っているので羨ましい限り。

http://akashi-kodomo-hiroba.jp/pcac.html

子どもたちは今か今かとなかに入るのを待ち構えている。スタッフの方の諸注意を聞き順番に案内してもらい、遊びスタート。スペースこそ、そこまでめちゃくちゃ広いという感じではないが、入る人数を制限してくれていることもあり、十分に楽しめる。しかもふわふわのトランポリンやボールプール、おままごとキッチンや工作スペースなどおもちゃや遊具の種類がかなり豊富。きれいで清潔、かつスタッフもしっかり人数を割いてみてくれているので子どもたちに危険がないような配慮をすごく感じる。

最初に遊具の滑り台、そこからボールプールでわちゃわちゃ楽しんで、トランポリンへ。トランポリンは子供たちのテンションもやばいが付き添いの大人の方が楽しんでいるのではないかと思えるほどみんな笑顔だった。


施設内をはしゃぐ我が子

子どもたちが思いっきり遊べるようにという配慮がそこかしこに感じられて実に楽しい時間だった。

終了の時間が告げられて出口へ向かう。キッズスペースの入り口で「まだ遊びたい~」と駄々をこねる子がいて「その気持ち、おじさんもわかるぜ」と心の中で呟いていた。

私たちには今から何ができる?

今回4時間弱の滞在だったが断片的にも市長の思いが現地でどうなっているのかが感じられた。
また実際に、ぞれぞれの施設が有機的に作用し、子育て世代も街に来るし、子どもを連れた遊びや図書館のついでに商業施設や商店街等でお金を使ってくれて経済が回る仕組みを感じた。有効な税金の活用の仕方ではないかと思う。

仕事柄マーケティングでお客様の動線を考えることもあるが今回の訪問で人が集まる場所を上手く繋ぐ非常に巧みな手法を感じる。

個人的にうれしかったのは一緒に来てくれた家族がすごく満足していたこと。特に子どもたちは大喜びだった。市民目線での街づくりがなされていると感じた。

帰り際に「いや~明石良かったね。ハレハレも図書館もすごい良かったし、ご飯もおいしいし、また来たいわ~」と妻が一言。実は一緒に来る時に「え~明石なんて何があるのさ~」とネガティブだったのがウソのように楽しんでくれた。この「また来たいわ」の一言に明石の良さが詰まっていると感じた。

自治体の街づくりはそれぞれで明石市がベストとは言わない。けれど自分たちが住む町がどうあってほしいのか、その願いはどこにあるのか。4月の統一地方選挙を前にもう少し自治体の動きに目を向けてもいいのではないかと帰りの車を運転しながらふと思った。

私個人のアクションとしては明石市以外にも子育て支援などに力を入れている自治体もある。西の明石、東の流山などと言われるため、流山市についても調べていきたい。

我々が今からできることは何があるだろうか?

政治を遠い存在にしてきたのは国民・市民の側にも責任はある。まずは関心を持つこと、知ること、そして声を上げること、投票すること。私たちの、そして子供たちの未来は自分たちで切り開く。

市政や県政で何が議論されているかは正直分かりづらい事もあるので、その辺りの分析や市民としての見方の探究も追って進めたい。

私たちにできることを一歩ずつ。


参考文献:


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