水戸の偕楽園へ行って参りました。偕楽園は水戸藩第9代藩主徳川斉昭公が造園した大名庭園で、藩士、家臣、客人、そして領民にまで開放されていたそうです。 中でも好文亭は詩歌・管弦の催しによりレクリエーションをはかるために建てられた歴史的建造物で、趣のある襖絵や機能的な間取り、そして1階から3階へ食事を運ぶための昇降機(まるで吉野家のような)まで様々な特徴を持つ非常に興味深い建物です。 解説パネルが随所にあるので、好文亭で誰が何をして過ごしていたのか想像はできるのですが、歴
Green Dayの新曲 "The American Dream Is Killing Me"、聞きましたでしょうか?世相を反映した皮肉がたっぷり込められていて何とも言えない痛快さがありますが、まさに現代という行き詰った混迷の時代を表した名曲だと思います。 今や下流階級には職もなく、中流階級も落ちぶれ、上流階級ですらも自己の財産を守るのに必死で他人を省みる余裕もない。そんな中で空虚なアメリカンドリームがSNSで誇大広告され、陰謀論が幅を利かせてもはや民衆はゾンビのごとし
前回の記事では消費税の益税問題の効果が限定的であることについて述べ、益税問題の改善方向性として次のことを挙げました。 ・段階的に事業者免税点制度をなくし全事業者が課税事業者に移行すること ・免税事業者が課税事業者に移行した際の収支悪化を事業者同士が相互に負担しあうこと 今回はこれらの点について説明しつつ、消費税のゆくえについて考察したいと考えます。 益税問題の改善方向性益税の存在は疑問 前々回の記事で以下のとおり検討したように、小規模事業者に益税が生じているという見
前回の記事では消費税の益税問題について説明し、その解消がインボイス制度の導入目的のひとつであること、しかしその有効性は限定的であると述べました。今回はその理由をお話ししつつ、益税問題の将来的な改善方向性を考えたいと思います。 2タイプの益税①卸売益税 インボイス制度導入前、課税事業者は免税事業者に支払う仕入代金にも消費税が含まれるものとして仕入税額控除を行うことができました。一方で免税事業者のほうはその消費税に相当する金額を納付しません。 免税事業者は仕入税額控除を
前回の記事で消費税仕入税額控除の仕組みに問題が起きているとお話ししました。今回はまずその問題の内容と、問題が起こる要因について説明したいと思います。 仕入税額控除の問題点益税とは 消費税は、各事業者が売上代金にかかる消費税から仕入代金に含まれる消費税を差し引いた差額を納付する「仕入税額控除」という仕組みによって、消費者が消費税を負担するという本来の目的が達成されるはずでした。 しかし実際には「(前々期又は前期上半期の)課税売上高が1000万円以下の事業者は消費税
インボイス制度の内容や対応方法はよく書かれていると思いますので、私は制度上の課題と改善策を行政視点と現場視点から書いてみようと思います。 消費税の仕組み まずインボイス制度を論じる前に、消費税の仕組みをおさらいします。消費税は生活に馴染み深いにも関わらず、その仕組みは複雑です。その主な特徴を挙げます。 間接税 消費税は事業者が消費者から預かって国に納付する、負担者と納付者が異なる税です。酒税、たばこ税、ガソリン税などと同じ仲間ですが、課税対象の物品が限定されないのが
業務改革の基本的な思考フレームワーク 業務改革は①「現状」を分析し②「課題」を抽出して③「解決策」を導き出すという手順に沿って行うのがオーソドックスな方法ですが、それぞれのステップを的確かつ具体的に遂行することができないと、有効な解決策を打ち出すことが難しくなります。 現状分析のポイント よくあるのが、現状分析に課題認識を混ぜてしまうことです。色眼鏡で現状を見てしまっているとも言えます。「AさんとBさんの両方が売上集計作業をしており、業務が重複しているという課題がある
私は、個人のキャリアを積んでいく中で、一度は大企業等(大企業やそれと関係の深い関連会社)で働いたほうがよいのではないか、と思っています。 一度は大企業等で働いた方がいいと考える理由 なぜなら、大企業等においては、①業界の知識・ノウハウが広く・深く手に入ること、②コンプライアンスやガバナンスが整備されていることが多いと思われるからです。逆を言えばこの2つが得られないなら大企業等でも避けたほうがよいと思います。 業界の知識・ノウハウ これは中小企業では社長をはじめとした
DXが成功するための3要素 DX(デジタルトランスフォーメーション)に関する情報は多くありますが、事業としてDXが成功するためには次の3要素があると考えます。 1.経営層の理解と決裁 経営者や経営幹部が①現場の業務を理解し、②変革の必要性を認識し、③実際に設備・システム・人材への投資をする判断ができることです。中小企業では①がクリアされていないケースが多いように思います。まずは自社の業務分析、これがDXにおいても基本と言えるのではないでしょうか。 2.現場のリーダー
小さな仕事から大きなプロジェクトまで、共通したやり方があるとすれば、常に5W1Hを確認し、考え、説明することだと思います。 私流の5W1Hのポイントは以下のとおりです。 Why(何のために):最重要。これを間違うと成果が明後日の方向へ。 What(何を):やることを具体的にしないと動かない。 Who(誰が):担当を明確にしないとボールが落下。 When(いつ):納期が曖昧だと流れが止まる。 Where(どこで):Web会議で効率化することも重要。 How(ど
収支管理は事業の基本 どんなビジネスでも、売上があり、そのための仕入があり、その他さまざまな支払いがあります。 売上と入金のタイミングがずれることもありますし、将来にまとまった支払が控えていることもあるので、収支管理=資金繰りの管理をしておかないと、引き落としができなかった!ということにもなりかねません。取引先にご迷惑をかけますし、大切な信用に傷がつくことは避けたいものです。 資金繰りに使えるツール資金繰りの実績を管理する 実績を管理するには家計簿アプリ(法人の場
10月1日よりインボイス制度が始まります。ざっくり言えば、 ①請求書をインボイスで受け取らないと消費税の確定申告で損をする ②免税事業者はインボイスを渡せない ということです。 そのため、多くの企業は取引相手の免税事業者に対して、課税事業者になってインボイスを発行するように要請をしていると思います。 免税事業者としては賛否両論ありますが、急に負担が増えないよう3年の猶予期間が設けられていますから、この期間中に課税事業者へ変更しつつ、取引先との価格交渉を進めるのが得策だと言
今まで培った能力を活かしてより深く、より実効性を以て中堅・中小企業の経営に貢献したく、このたび独立に思い至りました。 <経歴> 大学卒業後ケーブルテレビ会社にて訪問営業を経て組織横断課題解決部署に所属し現場業務改革から中期事業計画取りまとめまで幅広い業務を経験。 手に職をつけるべく一念発起し税理士法人兼コンサルティング会社に転職。税務業務のほか、事業再生や経営管理、システム導入、業務フロー改善など主に財務・会計を中心としたコンサルティングを通じて中堅・中小企業を支援。