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歴史を伝えることの原点

 水戸の偕楽園へ行って参りました。偕楽園は水戸藩第9代藩主徳川斉昭公が造園した大名庭園で、藩士、家臣、客人、そして領民にまで開放されていたそうです。

 中でも好文亭は詩歌・管弦の催しによりレクリエーションをはかるために建てられた歴史的建造物で、趣のある襖絵や機能的な間取り、そして1階から3階へ食事を運ぶための昇降機(まるで吉野家のような)まで様々な特徴を持つ非常に興味深い建物です。

 解説パネルが随所にあるので、好文亭で誰が何をして過ごしていたのか想像はできるのですが、歴史を伝えることの原点はやはり口伝ですから、ガイドの方がいたらもっと面白いのになあと思って見ていました。

 いや、ガイドというよりむしろ当時の生活を再現するような演劇をここでやってくれるとしたら、もっと文化の魅力が伝わるかもしれませんね。歴史的建造物で演劇をやるというのはでもあるようですが、歴史の保存という意味できわめて本質的な試みになり得ると思います。

 もしも斉昭公が現代に居たとすればぜひやろうと仰ったのではないだろうか、などと考えて水戸の地を後にしました。

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