ロゴデザイン作成フロー紹介※ロゴ製作に使えるヒアリング用テンプレあり〼
こんにちは^^遅ればせながらスプラトゥーン3でイカデビューした眼鏡です。ゲーム内GUIが可愛く「対戦モード」そっちのけで「さんぽモード」でMAPを練り歩いています。
さて今回は久しいデザインフロー記事です。
夏にリリースした新サービス「viviON THOTH」をベースに当社流のロゴ制作のフローを紹介いたしますのでロゴ制作時のヒントが見つかれば幸いです。
まず要件である、viviON THOTH(ヴィヴィオン トート)についてのご説明させてください♪
当社は1996年から電子書籍サービスを運営してきましたが、今夏紙出版もはじめました、それが「viviON THOTH」です。
viviON THOTHの書籍にはシリアルコードが付いており、当社の電子書籍サービスにて無料で電子版も楽しめます。家ではじっくり紙で楽しみ、外ではスマホで手軽に楽しむ…好きな時に好きなスタイルで作品を楽しめるサービスとなっております。
それでは今回のロゴ制作フローは「viviON THOTH」をベースに解説したく思います。
viviON式ロゴ制作の進め方(完全保存版)
1.案件規模の確認
依頼者に用途を確認
作成するのは、キャンペーンロゴ?新サービスロゴ?会社ロゴ?
ロゴといっても案件ボリュームは様々です、用途によっては作りこみも納期も予算も決まってきます。まずは利用用途を確認しましょう。
対応デザイナーのアサイン
通常はデザイナーが一人アサインされて対応します。
大規模や短納期の場合はデザイナー複数でコンペ形式で行います。
2.ヒアリングシート作成
MTG前に下記ヒアリングシートを依頼者に穴埋めしてもらいます。
✍🏻 サービスのコンセプトは?
✍🏻 ターゲットは?
※どういう印象を受け取られたいのか?
✍🏻 キーワードやカラーは?
✍🏻 使用用途は?
WEB、印刷、それとも両方?
商標登録する?しない?
※商標登録する場合、MORISAWAなど一部フォントの制限があるため
✍🏻 目的は?
重複する内容ですが明確にしていただき解像度をあげていきます。
✍🏻 作り込みの温度感は?
A:しっかり話し合って決めていきたいのか?
B:サクッと作って欲しいのか?
✍🏻 イメージに近い他社事例は?
他社事例をもとに「共通事項をデザイナーが抽出」し、初稿イメージ作成時の認識ズレを防ぎます。
例:ロゴマークと文字の比重、グラデではなくベタ塗りがいいのだな…など…必ず共通点はあるはずです。
✍🏻 裁量者はだれ?
ロゴの選定には必ず裁量者のジャッジが必要です。
ヒアリングや議事録の確認はかならず「裁量権限者」に参加、及び目を通してもらうとで認識ズレや、ちゃぶ台返しを防ぎます。
3.キックオフMTG
上記テンプレを穴埋めしてもらい、内容をベースに細かいヒアリングを行います。
4.ロードマップの作成
期日に間に合うように、制作や確認などのロードマップを引いて細かいマイルストーン(何月何日までにラフが完成…など)を落としていきます。
5.デザインラフ作成
初回のデザインラフは鉛筆画でバリエーションを用意します。
このとき気を付けるポイントは
✖:細かい差分のバリエーション
◎:デザインが全く違うバリエーション
バリエーションが少ないと最終ステージ段階で、心理的に「本当に今の中で決めて良いのか?」っという迷いが生じ、後々作り直しが起こりえます。それを解消する方法としてラフのバリエーションを作成する…っという側面もあります。
6.ブラッシュデータの品評会
品評会では下記のようなご意見がでました。(一部抜粋)
フォントについては「THOTH」というスペルを読める人が少ないのと、筆記体では益々読めない…ので、コンセプト内容からも丸POP主体が良い
トートというルビを入れるのはどうか?
インクのイメージは、もし暖色カラーが採用された場合を考えると、難しい?(人によっては血液に見えてしまう)
最終的に本に印刷されるマークなので”紙”や”インク”のイメージは前面に押さなくても良いのでは
7.修正対応
沢山の意見をもらった場合や、ジャストアイデアをひらめいた場合、ありがたい反面、全ての意見を取り入れるのは難しいものです。
そういった時は
「コンセプトから逸脱していないか?」
「依頼者が求めるものにリーチしているか?」を振り返って意識するのが大事です。
逸脱した意見を採用してしまうと根底から崩れますので、参照程度に聞き入れてください。有益なヒントもあるかもしれませんからね^^
8.最終検討会
コンセプトを守り細かく詰めて進めていった結果、最終検討会では「Θωθ」のマークのクチバシ部分の見せ方をどうするか?が主な検討事項となりました
最終的に「クチバシを野鳥の”シマエナガ”のようにミニマムでかわいい方向にしたい」に着地しました。
その後、様々なクチバシパターンを作成し検討したところ、アンケート意見も割れずに最終稿が決定しました。
意思決定者には途中段階の確認をいただくのも大事です。
9.錯視調整
錯視の調整
文字間が等間隔であっても、フォントの形しだいで「錯視」が生じる場合もありますので調整していきます。
またTHOTHのロゴは書籍の背表紙にも使用されるので実際に紙に印刷して”にじみ”や”ズレ”が無いかも確認します。※DTP利用シーンが想定される場合は必須ですね。
10.商標調査(タイミングこの限りではない)
特許情報プラットフォームやToreruを利用して作成したデザイン(類似デザイン)がすでに商標登録されていないか調べます。
11.完成、レギュレーションやアイソレーションの設計
ロゴデータを社内外で利用する時のレギュレーションを決めていきます。
一定の間隔を設けるアイソレーションの資料も細かく設定します。
ロゴデータは一度公開されると、どのようなケースで使われるか想定できません。ルール化しておくことで、どこで利用されてもロゴの可読性やブランディングイメージを保つことができます。
まとめ
ロゴ作成はヒアリングが全て!
コンセプトを依頼者と、詰めれている&守られていれば、後々ちゃぶ台返しは起きにくいです!
ヒアリングテンプレートを使えば万事解決!
前述した「ヒアリングテンプレート」が全て埋まっていれば、依頼者&デザイナー、デザインをチェックする第三者‥・共々同じ目的に照準を合わせられるはずです!
当社のブランディングプロジェクトについて(宣伝)
デザインチーム内ではnoteを運用している
「外部ブログプロジェクト」以外に
「スタイルガイドラインプロジェクト」
「ブランディングプロジェクト」
っというプロジェクトが存在します。
今回のロゴ作成も「ブランディングプロジェクト」メンバーが作成した資料を参考に作成したのでスムーズに進行できました。
viviONデザインチームで他にはどういうプロジェクトがあるのか?それについては別の機会にお話しいたしますね♪
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