見出し画像

#2マックス・ウェーバーの『リーダーシップ理論的背景』:リーダーシップ理論の要点まとめ

この記事では、書籍の引用を通じてリーダーシップ理論を紹介します。

引用する書籍は、リーダーシップを理解するために、6人の教授の見解を取り入れたものです。

私自身、この内容に非常に興味を持ち、読むことができました。
それは大学での社会福祉士に関するレポート作成や、国家試験の勉強にも役立ちました。

本を要約することで、さらに役に立つのではと思い、記事にすることにしました。

6回に分けて、それぞれ異なるリーダーシップ理論を紹介します。
よろしければ、ぜひご覧ください。

⚫︎書籍名: 『リーダーシップ理論集中講義:コッター、マックス・ウェーバー、三隅二不二からベニス、グリーンリーフ、ミンツバーグまで』
⚫︎著者: 小野善生
⚫︎出版社: 日本実業出版社
⚫︎発行年: 2015年

1.マックス・ウェーバーに学ぶリーダーシップの理論的背景

Max Weber
マックス・ウェーバーは、ドイツの社会学者で経済学者です。政治、経済、宗教を研究し、社会学に大きな影響を与えました。主な著書に『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』と『経済と社会』があります。

リーダーシップの理論には、官僚制の考え方が大きな影響を与えています。
官僚制とは、規則や手続きに基づいて組織を運営する方法です。
しかし、どんなに安定している組織でも、常に安全とは限りません。
変化が必要な時には、カリスマ的リーダーシップが役立ちます。
カリスマ的リーダーは、その魅力やビジョンで組織を変革し、新たな方向へ導くことができます。

2. 組織が成立するための条件

どんな組織でも社会がうまく機能するためには秩序が必要です。
秩序がないと、行政サービスが止まったり、企業活動が中断したりして、社会が混乱します。
社会学者マックス・ウェーバーは、秩序を保つための、支配の形を3つに分けています。

  1. 合法的支配: 規則や法律に基づく支配。ルールを守ることで秩序が保たれます。

  2. 伝統的支配: 長い伝統や慣習に基づく支配。伝統を尊重することで秩序が保たれます。

  3. カリスマ的支配: 特別な魅力やリーダーシップを持つ人物による支配。緊急時には強いですが、長期的には合法的支配や伝統的支配に変わる必要があります。

これらの支配の方法があることで、組織や社会の秩序が保たれ、発展することができます。

組織に秩序をもたらす方法には、合法的支配、伝統的支配、カリスマ的支配の3つがある。1)

3. 官僚制組織とは

官僚制組織は、秩序を保つための「合法的支配」の一つです。以下の特徴があります。

  • 規則に従う: 組織の活動はすべて決まった規則に基づいています。

  • 階層がある: 上司と部下の役割が決まっていて、命令は役割に基づいています。

  • 文書化: 仕事は書類で記録され、情報は文書で共有されます。

  • 専門的な訓練: 各役割には専門的な知識やスキルが必要です。

しかし、官僚制には以下の問題もあります。

  • 規則が古くなってしまう: 環境が変わっても、古い規則がそのまま使われることがあります。

  • 融通が利かない: 規則に従いすぎて、柔軟な対応ができなくなることがあります。

官僚制は効率的ですが、柔軟性を持つことも大切です。

官僚制は、組織に秩序をもたらすという測面もあるが、行き過ぎると意図せず逆機能に陥る。2)

4. カリスマ的リーダーシップ

カリスマ的リーダーシップとは、特別な魅力や才能を持つリーダーが組織を引っ張ることです。
このリーダーシップは、特に混乱や不安定な状況で力を発揮します。

信奉者が出てきて初めて、信奉される人物がカリスマであるとみなされる。3)

具体例

  • 中内功さん: 戦後の混乱期にダイエーを成功させましたが、時代が変わると彼のやり方にズレが生じ、成功が続かなくなりました。

カリスマ的支配は、変革期においては有効に機能するが、安定した状況に移るにつれて、合法的あるいは伝統的支配にシフトする。4)

景気が極端によかったときと悪かったときに、社会はリーダーシップに注目する。(リーダーシップの幻想)。5)

カリスマ的リーダーシップについて、コンガーとカヌンゴの研究を基にした要点は以下の通りです。

  1. 未来のビジョンを示す: カリスマ的なリーダーは、わかりやすくて魅力的な未来の目標を示し、みんなに希望を持たせます。

  2. 変化を見抜く: 環境の変化に敏感で、新しい情報を元に良いアイデアを考えます。

  3. 柔軟に行動する: 状況に合わせて柔軟に対応し、常識にとらわれず新しい方法を試します。

  4. リスクを取る: 不確実なことにも挑戦し、自分が責任を持って結果を引き受けます。

  5. 仲間の気持ちを理解する: 仲間がどう感じているかに気を配り、サポートします。

  6. 現状に満足しない: いつもより良い方法を探し続け、現状に甘んじないようにします。

カリスマ的リーダーシップは、未来を見据えたビジョンを持ち、変化に対応しながらチームを引っ張るスタイルです。

カリスマ的リーダーシップと変革型リーダーシップは、共通することが多く、近い関係にある。6)

以上、マックス・ウェーバーによれば、社会や組織には秩序が必要で、これには合法的支配、伝統的支配、カリスマ的支配の3つのタイプがあります。

官僚制は効率的ですが、柔軟性に欠けることがあり、カリスマ的リーダーシップは強力でも長期的には他の支配形態と組み合わせる必要があります。

ここまで読んでいただきありがとうございました。
私が目指しているのは、孤立のない共生社会の実現です。

参考文献
1)2)3)4)5)6)

小野善生著 『リーダーシップ理論集中講義:コッター、マックス・ウェーバー、三隅二不二からベニス、グリーンリーフ、ミンツバーグまで』 日本実業出版社 43~68頁 2015年

よろしければ、こちらもどうぞご覧ください。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?