見出し画像

【Event Report】Bangkok Illustration Fair 2023

こんにちは。vision track グローバル担当の白鳥です。
先日タイの首都バンコクで開催されたBangkok Illustration Fair2023に参加してきましたので、現地での様子や選出させていただいたアーティストをご紹介します。

Bangkok Illustration Fair (BKKIF)は、世界中から様々な世代やスタイルを持つアーティストが集まり、作品を展示し、経験を共有し、好きなことや情熱を注げることを広げる機会を見つける、年に一度の大規模なイベントです。

BKKIFは、アートとイラストレーションを愛する一般市民、企業、メディア、そしてアーティスト自身が参加し、新しいことを学び、ポジティブなエネルギーを得るために設立されました。

イベントには数々のイラストレーターの作品の展示・販売やトークセッションが含まれるほか、イラストレーション業界で本格的に活躍したい方に様々な機会を提供するため、例年アジア各国から大勢の方々が訪れています。
※vision trackはBKKIFのメディアパートナーです

今年は12月7日から10日まで、バンコク芸術文化センター(BACC)で開催され、アジア各国から150名のアーティストと17名のゲストアーティストが出展しました。

会場に入った瞬間にまずはBACCの美しい螺旋状の建築構造に圧倒されました!白を貴重とした内装に、数々のアートが映えます。
入り口にはBKKIFの受付やフォトブースの他、ポートレートを描いてもらえるブースや、スポンサーブース、タイのデザイン学校の学生の作品や説明パネルが設置されていました。

出展エリアに入ると、ゲストアーティストの展示があり、完成度の高さに感動。思わず声が出てしまいました。
vision track所属のタイ人イラストレーターNut Daoの作品はさすがの仕上がり。Nutらしい柔らかく、優しい雰囲気の中にもしっかりとした意思と稀有な才能が存分に発揮された展示でした!

Nut Daoの展示コンセプト:
この時期、やるべきことが多すぎて、自分を見つめ直したり、孤独に浸ったりする時間はほとんどない。出来事や仕事、チャンスはすぐにやってきては過ぎ去り、あっという間に過ぎ去ってしまう。自分が楽しんだり興味を持ったりしている活動の時間は、人生の中で重なり合い、思い通りに時間を過ごすスペースはほとんど残されていない。
人生の渦に巻き込まれ、しがみつくものがないように感じる。不安定で、何事にも自信が持てないような感覚に襲われながら、私は自分の気持ちと向き合い、呼吸するためのスペースについて考え続けている。
このシリーズは、私が物事を通り過ぎる前に、物事に関わる時間を与える「空間」を反映している。日常生活で観察される細部や、休憩中によく目にするもの、生活の流れの間に散在する短い時間で構成されている。これらは、私が本当に自己の存在を感じる瞬間である。

<Nut Daoのクライアントワークはこちらからご覧ください>

総勢150名の出展者ブース

ゲストアーティストの展示を進んでいくと総勢150名の出展者のブースが立ち並びます。
大半はタイ人の方でしたが、他にもフィリピンや韓国、シンガポール、中国、日本などからも出展がありました。
展示作品はもとより、展示方法にも個性が出ていてとても興味深く、会場を何周しても飽きることなく楽しめました。
アーティストとして既にお仕事をされている方、はじめたばかりの方、学生の方とステータスはそれぞれ違いましたが、来場者・業界関係者に作品を見てもらい、知ってもらうチャンスを大いに活用すべく、活気にあふれていました。

ーShiratori Selectー

今回、才能溢れるアーティストがたくさん出展していましたが、中でも白鳥が注目した方々をセレクトしました!

PARIWAT

ゲストアーティストとして出展していたタイ出身のPariwatさんの展示は一際目を引く特大サイズのコラージュ作品。
実は原画自体はポストカードサイズ。それを特殊な技法で大きくキャンバスにプリントしていました。
Pariwatさんのコーラジュ作品は一見突拍子もないものの組み合わせなのに非常にスタイリッシュで心地よく、色の選び方にもぐっと引き寄せられました。
アーティストの他に自身の出版社も持っており、アジアのアーティストの作品や写真を納めたかっこいいウェブマガジンや写真集を世に発信しています(
ARC PRESS)。

NNENE.IIE

イラストレーター兼デザイナーとして活動するnneneはイラストレーションの展示経験はまだ浅いながらも、会場内で一際目立つおしゃれでオリジナルなイラストが非常に印象的でした。
黒のサインペンでくっきりと描かれた様々なアイテムや人物はポップで面白く、ブース前には常に人で溢れていました。日本のパッケージや広告、文字にとても惹かれるそうで、じゃがりこ、明太子、盆栽など、作品の中にも数多くお馴染みのものが描かれていました。イラストのレイアウトの仕方にもデザイナーならではのセンスが感じられました!
時間がなく、プリントを購入してかえれなかったことをとても後悔しています…!

Praefueng

普段写真家、デザイナーとして活動するPraefuengは、イラストレーションの出展としては今回がほぼはじめて!そんなことが微塵も感じられないほど完成度の高い原画やプリント作品でした。
自身が見た夢からインスピレーションを受けたというイラストは少し不思議で、まるでサスペンス?深層心理系?の映画のシーンを見ているようでした。
一枚の作品の中でストーリーの流れが感じられることにとても面白さを感じました。また、色数とトーンを合わせることで展示全体に統一感があって見やすかったです。

ーvision track Reviewer Awardー

今回vision trackはレビュアーとしてイベントに参加させていただいており、代表の庄野が1名のアーティストにvision track賞を贈りました!

受賞者: pi-near

 ープロフィールー

2023 年にチュラロンコン大学でコミュニケーション デザイン (CommDe) の優等学位を取得して卒業。
本格的に絵を描き始めたのは2022年、交換留学でブリュッセルに半年ほど行った時でした。そこで街を探索したりスケッチしたりすることから始めました。
本やアートプリントへの興味は子供の頃からずっと続いており、卒業制作をきっかけに研究者、作家、デザイナーとして本を作り始めました。
現在(卒業後)は、文章を書いたり、絵を描いたり、旅行したりすることで自分自身を探求しています。

vision trackからのコメント:

2年前から本格的にイラストを描き始めたというpi-nearさんのイラストはとてもピュアで、シンプルで、純粋に描くことを楽しむ気持ちが作品からストレートに伝わってきました。
留学中に過ごしたブリュッセルの風景を目の当たりにし、その中で彼女なりに見つけた日常の美しさを自分らしく捉えています。
デジタル技法を用いつつも、色えんぴつで着色するテクニックはとても温かみがあり、pi-nearさんの感情がイラストからじわじわと伝わってきました。
特にカラーリングは独特で、感情を揺さぶられます。彼女自身も色の選択に関しては、「雰囲気を反映し、伝えたいストーリーの感情を呼び起こすことができる配色を選んでいます。これらの色は現実から逸脱させ、画像にユニークで特別なタッチを加えます。」と話しており、まさにその通りだなと感じました。

今にも音が聞こえてきそうな、温かみのあるイラストは彼女自身のチャーミングな雰囲気と品格も感じさせる素敵な作品ばかりでした。

pi-nearさんからのコメント:

vision track からの受賞本当に感謝しており、興奮しています。アーティスト エージェンシーは、私の芸術の旅における成長の扉を開き、評価されるだけでなく、創造的に成長するためのプラットフォームを提供してくれました。私の作品の中に隠された物語をあなたが認めてくれたことは、私にとって本当に意味のあることです。私のイラストの本質を理解し、評価していただきありがとうございます。 :)

総評

昨今、タイをはじめ、アジア各国ではイラストレーションシーンが盛り上がりを見せています。
特にタイのイラストレーターは、vision track所属の6名のイラストレーターをはじめ、繊細でクオリティーの高いイラストレーションを生み出す力が強く、想像以上の成果物に私自身、毎回圧倒されます。

vision trackチーム

今回のBKKIFで世界には本当にたくさん才能に溢れたクリエイターがいることを再確認し、改めてイラストレーションの力を肌で感じることができました。
日本の素晴らしいイラストレーターを世界に発信しつつ、国外の方々も日本のクライアントにご紹介する機会を作っていくことに使命感を感じました。クリエイターの方々が自身の作品をより多くの方々に見ていただき、思うような活躍ができるよう、エージェントとしては常に世界を視野にいれながら、ボーダーレスにサポートしていきたいと思います。

vision trackでは国内外問わず、幅広くイラストレーターのコーディネートをさせていただいています。
海外の方にも興味はあるが接点がない、言葉の壁(言語)が心配、などなど様々なご相談をいただきますが、私が通訳・翻訳しつつお繋ぎいたします。お気軽にご連絡ください!

Photo credit : Decembell, BKKIF Official

<海外イラストレーターに関するお問い合わせはこちらまで>


この記事が参加している募集

イベントレポ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?