「幻想郷世界 II」こぼれ話 (7)
続きです。前回はこちら。
第1回から読まれる方はこちら。
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第2楽章「PRESTO」(続)
#34 魔力の雷雲
調遊びゾーン2回目。今度は半音ですね。
中間ファイルを振り返ってみましたが、このゾーンはさしたるリテイクもなく、ほぼストレートで完成したようです。前作では結構ガチャガチャしてしまったところでしたが、今回は流れも良くなりました。
「魔力の雷雲」のオーケストレーションは、チャイコフスキーの交響曲第5番を参考にしています。
クラリネットとファゴットのユニゾンは良いですねえ。
#35 ビーストメトロポリス
前段の弦楽器の伴奏を引き継ぎつつ、木管アンサンブルで続きます。
「谷」の部分なので、音量はしっかり抑えてある感じですね。
ここの対旋律は、2小節遅れのいつもの形です。
#36 忘れがたき、よすがの緑
チェロとビオラのアンサンブルによるメロディです。
この二者でメロディをやる場合、チェロを上にして、ビオラを下につけた方がよく響くイメージですね。
ビオラが主旋律に出てくる場面には、特別感を持たせたいです。
#37 妖怪寺へようこそ
ここは2回目の和音進行がお気に入りです。
1回目の上行に対して下行しているベースラインも良いですし、3音目の到達点がCm/Døになっているのも深遠で良い。
#38 地蔵だけが知る哀嘆
今作ではホルンのゲシュトップをちょいちょい使っていますね。音源にサンプルが入っていたので。なかなか他の楽器では出せない音色ですし、重宝しています。
曲の展開としては、このあたりから徐々に音量を上げていく感じになっていますね。
途中で響く大太鼓の低音がいい感じ。
#39 遥か38万キロのボヤージュ
この曲は、メロディに対する応答が低音パートに入ります。
一応さらに下にバス声部がいるんですが、存在感的にこちらがベースラインに聴こえますね。
#40 一対の神獣
ここではメロディを担当する金管を細かく切り替えています。
Forteになって金管が入ってくると、どうしてもオーケストレーションが毎回似たようなものになってしまうので、バリエーションを出すために苦心している跡がありますね。
#41 セラフィックチキン
この曲のメロディラインはオフビートで不規則な感じなので、この高速テンポで演奏するのは難しいんですよねえ。
ここで挿入されている対旋律は、メロディを2倍に拡大したものです。
噛み合わせるのに手間はかかりますが、響きが重層的になっていい感じですよね。
続きはまた次回!
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