見出し画像

聴くも弾くもピアノは一服の清涼剤

以前、家の電子ピアノが人知れず壊れていたと書いた。
久々に娘が弾こうとしたら、うんともすんともいわなかった話だ。

14年前のピアノはすでに修理対象外だった。
アコースティックピアノなら何百年前のものでも修理できるだろうことを思うと、残念だけど諦めるよりほかはない。

娘は迷っていたが、ピアノ弾きたい欲には勝てず、新たに購入した。
故障した家のピアノは3ペダルの本格的な据置型のものだが、娘が買ったのは1ペダルの廉価版。
それでも88鍵は絶対に譲れない条件だったようだ。
76鍵、61鍵など、よりコンパクトでお手頃なものもあるが、それだとベートーベンもショパンもドビュッシーも鍵盤が足りずに弾けない。

ちなみに余談だけど、モーツアルトを弾くには61鍵で足りる。
なぜならモーツアルトが生きた1700年代は61鍵が標準だったからだ。

ピアノが届き、娘はずっと弾きたかったショパンの練習を始めた。
僕も少し借りて、『ノクターン』を久々に弾いてみたり。

そうだ、メンバーシップ・キャリアコースで配信している〈カチラジオ〉のBGMを新たに作らねば。
これまでは、過去の録音データが残っていた数曲をBGMに使っていたが、あまりに繰り返し使いすぎて、聴いてくださるみなさんも飽きただろうと。
で、何か別の曲を弾こうとしていた矢先、家のピアノが壊れて使えないという事実が発覚したのだった。

家にピアノが来たなら、新しいBGMが作れる!
娘から許可をもらい、ピアノを僕のPCに接続する。
え、今やMIDIもふつうのUSB接続なんや…

昔、バンド時代にMIDI IN / OUTの接続を間違えたりしてドツボにはまった身からすると、USB1本で繋がるなんて隔世の感。
あっさり外部機器として認識され、PCでMIDI録音ができるようになった。

MIDI録音とは、録音と名がついているが音声を録音するのではなく、いわば弾いた音符の情報を記録するようなもの。
だから後で音色を変えたり、テンポやキーも自由に変えることができる。

昨日、『Music Every Day』を弾き、MIDI録音した。
『Music Every Day』とは2013年発表のiPhone5のCMでBGMとして使われたサウンドロゴ的な名曲。
CMで聴いて、その物憂げな旋律が耳から離れなくなった人も多いのでは?
何を隠そう、僕もその1人だ。

せっかく小1から始めておきながら、クラシックの厳しい練習に嫌気が差して中1で投げ出してしまったピアノ。
でも、やっぱりピアノってすばらしい。
少なくとも今の僕にとって、聴くも弾くもピアノは一服の清涼剤だ。
娘が巣立つ3月まで、ちょこちょこ借りては楽しませてもらおう。

ちなみに録音した『Music Every Day』は、さっそく昨日の〈カチラジオ〉のBGMとして使った。
メンバー限定配信なので全編はお聴きいただけないが、冒頭30秒は試聴できるので、よければチラッとどうぞ。
ヘタッピだけど。

(2024/7/15記)

サポートなどいただけるとは思っていませんが、万一したくてたまらなくなった場合は遠慮なさらずぜひどうぞ!