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二つの失敗を経て僕の心には学びが残っている

noteが新しくリリースしようとしている「メンバーシップ」。
月額会費制のサークルを主宰できる機能だ。

これやってみたいな、となぜだか直感した。
潜在意識にそういう願望があったのかもしれない。

しかし僕にはサークル運営で苦い経験がいくつかある。

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大学生の頃、テニス&スキーのミーハーなサークルに所属した。

2回生になり、習わしに従って同級の仲間とともにサークル運営を始めた。
最初の大仕事が、新入生の勧誘だ。
キャンパス内で新入生と思しき学生にビラをまく。

幸い入会希望者が多数集まり、やれやれとリストを眺めていたら、なんと4歳も年上の新入生がいた。
よほど特殊な事情があるに違いない。
緊急に同級のスタッフを招集して対応策を話し合った。

結果、手に負えないということになり、入会者多数のため抽選すると称してその人物をふり落とした。
そんな露骨な操作をしてよいのかという葛藤はもちろんあった。
でも年上が自分より下の立場にいるという状況は、その後何十年も経って会社で経験するようになるまで対処の仕方を知らなかったのだ。

これには反対するスタッフもいて、後年までずっとしこりとなって残った。

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小学生の頃、給食の牛乳瓶のフタで、ある遊びがはやった。

机の上にフタを10枚、ボウリングのように三角形に並べ、フタから5cmほど離れたところで、合わせた唇をパッと言いながら勢いよく開ける。
すると「パッ」の破裂音は想像以上に衝撃波を生むのか、並べたフタがおもしろいように裏返る。
返した枚数を競い、勝者は敗者のフタをもらえるという単純な遊びだった。

僕はなぜか上手だったこともあり、その遊びをクラスに持ち込んだヤツと2人で会員組織を作った。
皆がバラバラに戦っていたのを体系化し、定期トーナメント化したのだ。

会費として入会者からフタ1枚徴収、定期戦でも1戦ごとにフタ1枚徴収。
優勝者にはフタを進呈するが、実入りの方がはるかに多く、僕の手元には大判小判ならぬフタがザックザク集まるようになった。

一時はクラスの男子全員が入ったかと思われたが、僕と共同運営者をただ肥らせるだけと気づいた皆は次々と去り、あっというまに組織は瓦解した。

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二つの失敗。

いずれも自分のことしか考えていなかったからだと今は分かる。
しかしその渦中にいる時は、そんなこと分かっていなかった。
去る人の背中だけがこのまぶたの裏に焼きついている。

noteのメンバーシップで同じ轍を踏まないだろうか。
それは僕が人の心をいかに大切に思えるかにかかっている。

少なくとも、二つの失敗を経て僕の心には学びが残っている。
きっと大丈夫だ。

(2022/7/4記)

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