お茶目な振る舞いには人をホッとさせる何かがある
地方都市の、あるフレンチレストランでの話。
といっても開店準備中に前をたまたま通りすがっただけだ。
こじんまりとした、まじめそうな店だった。
それなりの店で修行したシェフが故郷に凱旋して店を開いたイメージ。
とその時、シェフと思しき装いの料理人が扉を開けて出てきた。
お、この人がそれなりの店で修行したシェフか、と勝手な目で追った。
が、動きがぎこちなく、どうも後ろ手に何か隠しているようだ。
ん? ぬおぉ! 100円ショップの象さんの形をした緑のジョウロ!
澄ましたコックコートにこれほど似合わないモノがあるだろうか。
店先のプランターに、それはそれはかわいらしい水やりだった。
お茶目な振る舞いには人をホッとさせる何かがある。
このシェフの料理を食べてみたくなったのは言うまでもない。
(2018/2/1記)
チップなどいただけるとは思っていませんが、万一したくてたまらなくなった場合は遠慮なさらずぜひどうぞ!