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ふつうのホテルの方がよほど窮屈だ

カプセルホテルは使ったことのない人の方が多いだろう。
狭くて窮屈、というのが理由だろうか。

確かに狭い。

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カプセルの奥からはこんなふうに見える。

上から見た絵も描いてみた。

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全国各地のカプセルホテルを利用したが、ほぼこの形。

ロールスクリーンが外との唯一の区切りだが、鍵なんてかからない。
下にスクリーンを留める金具があり、外から開けにくくはなっているが。

テレビをつけたら、いきなりAVが大音量で流れることもあるので、先にイヤホンを挿しておくこと。
ダッシュボードのテレビ操作ボタンは動作せず、代わりにリモコンが置いてあるが、盗む人が多いのか、鎖で繋がれている。

背面には朝の寝ぼけ顔を見るためのがあるが、背を向けている時に何が映っているかは知らない。
壁にもたれると背が痛いので、がクッションがわり。

寝具は毛布を包布で包んだだけのペラペラのふとん
備えつけのパジャマは一人で着ている分にはどうということはないが、これを着た客が集うとまるで病院のようになる。

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ここまで読むと、やっぱりいいや…となるかもしれない。

ここまでで約600字。
あと400字ほどでカプセルホテルのすばらしさを。

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カプセルがずらり並ぶさまは、雲崗の石窟に…似ている…

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隣とは至近で、いびきやテレビの音に困ることも多い。
寝返りで腕を壁にぶち当ててヒヤリとすることも。

おっと、ますますのネガティブキャンペーン。

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チェックイン後、ロッカーに荷物を放り込み、ヘンテコパジャマに着替えれば、あっという間にリラックスモードに。
もちろんロッカーは鍵がかかる。

カプセルホテルといえば、なんといっても風呂。
大浴場にはいろんな浴槽のほか岩盤浴まであったり、ミストや塩などサウナも豊富で、夜どおし何度でも入り放題。
さらにマッサージも足裏、リンパ、オイルなど勢揃い。

食事処も明け方まで営業し、豊富なメニューは飲まない人も大満足。
テレビつきリクライニングチェアが並ぶ休憩室にも、インターホンで食事を運んでもらえる。
カプセル代すら節約したいなら、ここで格安の一夜を過ごすことも。

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確かにカプセルは窮屈だ。
上であげたマイナス要素もすべてカプセルの中の話。

でも、寝る時以外は、ほぼ風呂や食事処などのパブリックスペースにいるので、そこまで全部含めて自分の部屋感覚。
そう思えばふつうのホテルの方がよほど窮屈だ。

どう? カプセルに泊まりたくなってない?

(2021/10/23記)

チップなどいただけるとは思っていませんが、万一したくてたまらなくなった場合は遠慮なさらずぜひどうぞ!