書くのも観るのも心を落ち着けてくれる
唐突に過ぎるが、「雁塔聖教序」より。
「蓋聞二儀有像」
蓋(けだ)し聞く。二儀に像有り。
「顕覆載以含生」
覆載に顕(あらわ)れて以(もつ)て生を含む。
意味はこういうことだ。
「天地(二儀)は像を有しており、私たちの頭上を覆いつくす天と私たちを乗せている地は生きるもの全てを包んでいるものである」
上に貼った2枚の書は、高校時代の選択科目の書道で、中国の古典である「雁塔聖教序」を臨書したものだ。
臨書とは手本を見て書くことで、手本の点画をそのまま再現する。
教科書はすでにないから、この臨書がどの程度のできなのか、答え合わせはもうできない。
ただ、とにかく書道が好きだったことだけは覚えている。
今では道具を用意するのが面倒でさっぱり書かなくなってしまったが、当時の作品の束を順に眺めるうち、また再び書いてみたくなってきた。
今度時間が取れたら、久々にやってみるとしよう。
他にたくさん作品は残っているが、ここにはあと2枚だけ載せておこう。
これはどうにも出展が分からず、良し悪しももう分からない。
どなたか、分かる方がおられたら教えてほしい。
これはさすがに分かる。
「あまつかせくものかよひちふきとちよをとめのすかたしはしとゝめむ」
天津風 雲の通ひ路 吹き閉ぢよ をとめの姿 しばしとどめむ
百人一首だ。
かなの書も柔らかでいいものだ。
書は、書くのも観るのも心を落ち着けてくれる。
(2021/3/25記)
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