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所詮…やろ? と言われないことを願っている

〈エクセルシオールカフェ〉は、ドトールだ。

安いコーヒーチェーンとして定着してしまったドトールが、それをどうにかしようと作ったのがエクセルシオール。
豆も、メニューも、椅子も、カップも、すべてドトールよりハイグレードで、その分価格も3割増しほど。

ところが僕は。
こだわりのない時はドトールに行くが、コーヒーを味わいたい時はエクセル…とは残念ながらならず、老舗の喫茶店を選ぶ。
所詮ドトールやろ? の思いが拭えない。

***

〈ヴィ・ド・フランス〉は、ヤマザキだ。

フランスのブーランジェリーと提携した日本初の本格ベーカリーカフェとされるが、やはり所詮ヤマザキやろ? としか思えない。
安定的に低価格のものを大量供給してきたヤマザキだ。

大学の頃、ここでバイトしていた人から聞いたのは、工場から届いたダブルソフトの袋を詰め替えるのが毎朝の日課という話。
高級食パンとして生まれ変わり、一気に値が吊り上がる。

今はどうだか知らないが、当時そういうこともあるかもなと思ったのは、僕の中でやはり、所詮ヤマザキやろ? だからだ。

***

どちらの話も、僕の中では「所詮…やろ?」で終わってしまう。

だからどちらも利用したことがない。
行ったこともないのに何をえらそうにと思われるだろうし、確かに行けばなるほどおいしいとなるのかもしれない。
でもここで話しているのは、行く気が起きないという先入観についてだ。

もしも、

ドトールがやる高級路線のカフェなら!(キラキラ)
え? あのヤマザキがベーカリーカフェやるん?(ドキドキ)

なら、もちろん一も二もなく足が向く。

そう思わせるのが、いわゆるブランディングということになる。
うちはこんな企業だと伝えるののではなく、おたくはこんな企業でしょ? と顧客から言ってもらうのがそのゴール。

僕は長らくこのブランディングに携わっている。

***

ドトールもヤマザキも、大衆路線でこれまでしっかりやってきた。
安く提供することに長けている、というブランディングは成功したのだ。
それが急に高級路線と言われましても、ということだ。

よくも悪くも一度できあがった企業ブランドはそう簡単には変えられない。
不祥事を起こしてブランドを地に落とすのだけは一瞬だけど。

***

ひるがえって僕はどうだろうか。
これまでに投稿した956記事を通して、僕はどんな人として認知されているのだろう。

僕が何か新しいことをはじめる時、所詮…やろ? と言われないことを切に願っている。

(2022/2/8記)

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